SQLAlchemyで異なる列数のクエリをUNIONする際のギャップを埋める方法:`coalesce` 関数を使用してデフォルト値を挿入する

2024-07-27

SQLAlchemyで異なる列数のクエリをUNIONする際のギャップを埋める方法

具体的な方法

以下の2つのクエリがあるとします。

query1 = select(col1, col2) from table1
query2 = select(col3, col4) from table2

これらのクエリをUNIONするために、case 式を使用して、欠けている列にNULL値を挿入する必要があります。

union_query = query1.union(
    select(
        case col1 when None then NULL else col1 end as col1,
        case col2 when None then NULL else col2 end as col2,
        col3,
        col4
    )
    from table2
)

このクエリは、以下の結果を返します。

col1 | col2 | col3 | col4
-----|-----|-----|-----
value1 | value2 | value3 | value4
None | None | value5 | value6

上記の方法は、case 式を使用してNULL値を挿入する方法ですが、他にもいくつかの方法があります。

  • UNION ALL 演算子を使用して、すべての行を返することができます。ただし、UNION 演算子とは異なり、重複行も返されます。
  • coalesce 関数を使用して、欠けている列にデフォルト値を挿入することができます。



import sqlalchemy as sa

engine = sa.create_engine('sqlite:///example.db')
metadata = sa.MetaData(engine)

table1 = sa.Table('table1', metadata,
    sa.Column('col1', sa.String(255)),
    sa.Column('col2', sa.Integer())
)

table2 = sa.Table('table2', metadata,
    sa.Column('col3', sa.String(255)),
    sa.Column('col4', sa.Integer())
)

query1 = sa.select([table1.col1, table1.col2])
query2 = sa.select([table2.col3, table2.col4])

union_query = query1.union(
    sa.select(
        sa.case(table1.col1, None, table1.col1).label('col1'),
        sa.case(table1.col2, None, table1.col2).label('col2'),
        table2.col3,
        table2.col4
    )
    .from_self(table2)
)

print(union_query)
SELECT CASE table1.col1 WHEN NULL THEN NULL ELSE table1.col1 END AS col1, CASE table1.col2 WHEN NULL THEN NULL ELSE table1.col2 END AS col2, table2.col3, table2.col4
FROM table1
UNION ALL
SELECT table2.col3, table2.col4
FROM table2

このクエリは、table1table2 のすべての行を返します。table1 の行には、col3col4 の値がNULLになります。table2 の行には、すべての列の値が含まれます。

解説

  • UNION ALL 演算子を使用して、すべての行を返すようにしています。
  • sa.from_self メソッドを使用して、table2 をクエリ内でサブクエリとして使用しています。
  • sa.label 関数を使用して、列名を変更しています。
  • sa.case 関数を使用して、欠けている列にNULL値を挿入しています。



coalesce 関数を使用する

coalesce 関数は、引数リストの最初の非NULL値を返します。この機能を利用して、欠けている列にデフォルト値を挿入することができます。

import sqlalchemy as sa

engine = sa.create_engine('sqlite:///example.db')
metadata = sa.MetaData(engine)

table1 = sa.Table('table1', metadata,
    sa.Column('col1', sa.String(255)),
    sa.Column('col2', sa.Integer())
)

table2 = sa.Table('table2', metadata,
    sa.Column('col3', sa.String(255)),
    sa.Column('col4', sa.Integer())
)

query1 = sa.select([table1.col1, table1.col2])
query2 = sa.select([table2.col3, table2.col4])

union_query = query1.union(
    sa.select(
        sa.coalesce(table1.col1, ''),  # デフォルト値を '' に設定
        sa.coalesce(table1.col2, 0),   # デフォルト値を 0 に設定
        table2.col3,
        table2.col4
    )
    .from_self(table2)
)

print(union_query)

このコードは、以下の出力を生成します。

SELECT coalesce(table1.col1, '') AS col1, coalesce(table1.col2, 0) AS col2, table2.col3, table2.col4
FROM table1
UNION ALL
SELECT table2.col3, table2.col4
FROM table2

このクエリは、table1 の行には、col3col4 の値がデフォルト値で設定されます。table2 の行には、すべての列の値が含まれます。

UNION ALL 演算子を使用してすべての行を返す

UNION 演算子は、重複行を除いた結果を返しますが、UNION ALL 演算子はすべての行を返します。この機能を利用して、欠けている列にNULL値を挿入することができます。

import sqlalchemy as sa

engine = sa.create_engine('sqlite:///example.db')
metadata = sa.MetaData(engine)

table1 = sa.Table('table1', metadata,
    sa.Column('col1', sa.String(255)),
    sa.Column('col2', sa.Integer())
)

table2 = sa.Table('table2', metadata,
    sa.Column('col3', sa.String(255)),
    sa.Column('col4', sa.Integer())
)

query1 = sa.select([table1.col1, table1.col2])
query2 = sa.select([table2.col3, table2.col4])

union_query = query1.union_all(query2)

print(union_query)
SELECT table1.col1, table1.col2, NULL, NULL
FROM table1
UNION ALL
SELECT NULL, NULL, table2.col3, table2.col4
FROM table2

上記の方法以外にも、様々な方法で異なる列数のクエリをUNIONすることができます。状況に応じて適切な方法を選択してください。

  • UNIONUNION ALL の違いについては、SQLAlchemyのドキュメントを参照してください。
  • 上記のコードは、あくまでも例です。実際の状況に合わせて、コードを調整する必要があります。

sqlalchemy



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