pg_transaction_status() 関数を使用した PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作の確認

PostgreSQL トランザクションにおいて、コミットされていない保留中の操作を確認することは、デバッグやトラブルシューティングを行う際に役立ちます。ここでは、SQLAlchemy を使用して PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作を確認する方法を、分かりやすく日本語で解説します。

Session.get_dirty() メソッドは、現在のセッションで変更されたすべてのオブジェクトのリストを返します。このリストには、まだコミットされていない新しいオブジェクトや、変更された既存のオブジェクトが含まれます。

from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

engine = create_engine("postgresql://user:password@host:port/database")
Session = sessionmaker(bind=engine)

session = Session()

# オブジェクトをいくつか変更する
obj1 = session.query(MyModel).get(1)
obj1.name = "New Name"

obj2 = MyModel()
obj2.name = "New Object"
session.add(obj2)

# 保留中の操作を確認する
dirty_objects = session.get_dirty()
print(dirty_objects)

このコードは、MyModel テーブルの name カラムを "New Name" に変更し、新しい MyModel オブジェクトを作成します。その後、session.get_dirty() を使用して、保留中の操作を確認します。

inspect() 関数は、オブジェクトの状態に関する情報を提供します。保留中の操作を確認するには、object.__dict__ 属性にアクセスして _pending キーを確認できます。

from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

engine = create_engine("postgresql://user:password@host:port/database")
Session = sessionmaker(bind=engine)

session = Session()

# オブジェクトをいくつか変更する
obj1 = session.query(MyModel).get(1)
obj1.name = "New Name"

obj2 = MyModel()
obj2.name = "New Object"
session.add(obj2)

# 保留中の操作を確認する
for obj in session.get_dirty():
    pending_changes = obj.__dict__["_pending"]
    print(pending_changes)

pgTAP ツールを使用する

pgTAP は、PostgreSQL データベースをテストするためのオープンソースツールです。pgTAP には、トランザクション内の保留中の操作を表示するコマンドが含まれています。

pgtap my_database -c "SELECT * FROM pg_stat_activity;"

このコマンドは、my_database データベースに接続し、pg_stat_activity ビューからすべてのアクティブなセッションとトランザクションを表示します。xact_wait_status 列には、トランザクションの状態が表示されます。in transaction と表示されているトランザクションは、保留中の操作があることを示します。

注意事項

• 上記の方法は、PostgreSQL 9.6 以降でのみ使用できます。
• Session.get_dirty() メソッドは、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。本番環境で使用する場合には注意が必要です。
• pgTAP ツールを使用するには、別途インストールが必要です。

SQLAlchemy を使用した PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作の確認 - サンプルコード

以下のサンプルコードは、SQLAlchemy を使用して PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作を確認する方法を示しています。

from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.orm import sessionmaker

# データベース接続情報の設定
engine = create_engine("postgresql://user:password@host:port/database")
Session = sessionmaker(bind=engine)

# セッションの作成
session = Session()

# オブジェクトの取得と変更
obj1 = session.query(MyModel).get(1)
obj1.name = "New Name"

obj2 = MyModel()
obj2.name = "New Object"
session.add(obj2)

# 保留中の操作の確認
print("Session.get_dirty() を使用した確認:")
dirty_objects = session.get_dirty()
for obj in dirty_objects:
    print(f"  - {obj}")

print("\ninspect() 関数を使用した確認:")
for obj in session.get_dirty():
    pending_changes = obj.__dict__["_pending"]
    print(f"  - {obj}: {pending_changes}")

説明

1. create_engine() 関数を使用して、PostgreSQL データベースへの接続エンジンを作成します。
2. sessionmaker() 関数を使用して、データベースセッションを作成するためのクラスを作成します。
3. Session() を使用して、実際のデータベースセッションを作成します。
4. session.query(MyModel).get(1) を使用して、MyModel テーブルから ID が 1 のオブジェクトを取得します。
5. obj1.name = "New Name" を使用して、取得したオブジェクトの name 属性を "New Name" に変更します。
6. obj2 = MyModel() を使用して、新しい MyModel オブジェクトを作成します。
7. session.add(obj2) を使用して、新しいオブジェクトをセッションに追加します。
8. Session.get_dirty() を使用して、現在のセッションで変更されたすべてのオブジェクトのリストを取得します。
9. ループを使用して、各オブジェクトをプリントします。
10. inspect() 関数を使用して、各オブジェクトの状態に関する情報を取得します。
11. _pending キーを使用して、保留中の変更内容を取得します。

補足

• 上記のコードは、あくまでも一例です。ご自身のユースケースに合わせて変更してください。
• トランザクションは、session.commit() を呼び出すことでコミットされ、session.rollback() を呼び出すことでロールバックされます。
• pgTAP ツールを使用する場合は、上記の説明にあるコマンドを実行してください。

PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作の確認 - その他の方法

上記で紹介した方法以外にも、PostgreSQL トランザクションにおける保留中の操作を確認する方法があります。以下に、いくつか例を挙げます。

SELECT * FROM pg_stat_activity;

このクエリを実行すると、以下の情報を含むテーブルが表示されます。

• pid: プロセス ID
• datname: データベース名
• username: ユーザー名
• xact_wait_status: トランザクションの状態
• query: 実行中のクエリ

pg_transaction_status() 関数は、現在のトランザクションの状態を返します。この関数は、以下の戻り値を持つことができます。

• true: トランザクションはアクティブで、保留中の操作があります。
• false: トランザクションは非アクティブです。
• null: トランザクションは存在しません。

SELECT pg_transaction_status();

• true
• false
• null

pgtap my_database -c "SELECT * FROM pg_stat_activity;"