【保存されない?】SQLAlchemyでセッションが属性変更を検知しない6つの理由と解決策
SQLAlchemy: セッションが変更された属性をマークしない問題の解決策
SQLAlchemy では、セッション内のエンティティオブジェクトの属性が変更されると、セッションは自動的に "dirty" としてマークされます。これは、変更されたエンティティがデータベースにコミットされる必要があることを示します。しかし、特定の状況下では、セッションが変更された属性をマークしない場合があります。
原因:
この問題にはいくつかの潜在的な原因があります。
- セッションがフラッシュされていない: セッションがフラッシュされていない場合、セッション内の変更はデータベースにコミットされません。
- 属性が追跡されていない: SQLAlchemy は、追跡する属性を明示的に指定する必要があります。追跡されていない属性は、セッションによって変更されたと見なされません。
- 属性の変更が検出されない: SQLAlchemy は、属性の変更を検出するためにオブジェクトの setattr メソッドを使用します。しかし、このメソッドが適切にオーバーライドされていない場合、セッションは変更を検出できません。
解決策:
この問題を解決するには、以下の方法を試してください。
- 追跡する属性を明示的に指定する: 追跡する属性を明示的に指定すると、SQLAlchemy はこれらの属性の変更を確実に検出できます。
- 属性の変更を検出するように setattr メソッドをオーバーライドする: 属性の変更を検出するように setattr メソッドをオーバーライドすると、セッションは変更を確実に検出できます。
例:
from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy import Column, Integer, String
engine = create_engine('sqlite:///database.db')
Base = declarative_base()
class User(Base):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String(255))
def __setattr__(self, key, value):
super().__setattr__(key, value)
self.session.dirty = True # セッションを "dirty" としてマークする
# セッションを作成する
session = Session()
# ユーザーを作成する
user = User(name='John Doe')
# セッションに追加する
session.add(user)
# セッションをフラッシュする
session.flush()
# ユーザーの名前を変更する
user.name = 'Jane Doe'
# セッションをコミットする
session.commit()
from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy import Column, Integer, String
engine = create_engine('sqlite:///database.db')
Base = declarative_base()
class User(Base):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String(255))
def __setattr__(self, key, value):
super().__setattr__(key, value)
self.session.dirty = True # セッションを "dirty" としてマークする
# セッションを作成する
session = Session()
# ユーザーを作成する
user = User(name='John Doe')
# セッションに追加する
session.add(user)
# セッションをフラッシュする
session.flush()
# ユーザーの名前を変更する
user.name = 'Jane Doe'
# セッションをコミットする
session.commit()
説明:
User
クラスを定義します。このクラスには、id
とname
という 2 つの属性があります。- セッションを作成します。
- 新しい
User
オブジェクトを作成します。 - セッションに
User
オブジェクトを追加します。 - セッションをフラッシュします。これにより、セッション内の変更がデータベースにコミットされます。
User
オブジェクトの名前を変更します。- セッションをコミットします。これにより、データベースの変更が永続化されます。
instance.modified 属性を使用する:
instance.modified
属性は、エンティティインスタンスが変更されたかどうかを示します。この属性を使用して、セッションが変更された属性をマークするかどうかを判断できます。
from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy import Column, Integer, String
engine = create_engine('sqlite:///database.db')
Base = declarative_base()
class User(Base):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String(255))
# セッションを作成する
session = Session()
# ユーザーを作成する
user = User(name='John Doe')
# セッションに追加する
session.add(user)
# ユーザーの名前を変更する
user.name = 'Jane Doe'
# `instance.modified` 属性を使用して、変更された属性を検出する
if user.modified:
# セッションを "dirty" としてマークする
session.dirty = True
# セッションをコミットする
session.commit()
hasattr(instance, '_changes') を使用する:
hasattr(instance, '_changes')
を使用して、エンティティインスタンスに _changes
属性が存在するかどうかを確認できます。この属性は、変更された属性のリストを格納します。
from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy import Column, Integer, String
engine = create_engine('sqlite:///database.db')
Base = declarative_base()
class User(Base):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String(255))
# セッションを作成する
session = Session()
# ユーザーを作成する
user = User(name='John Doe')
# セッションに追加する
session.add(user)
# ユーザーの名前を変更する
user.name = 'Jane Doe'
# `hasattr(instance, '_changes')` を使用して、変更された属性を検出する
if hasattr(user, '_changes'):
# セッションを "dirty" としてマークする
session.dirty = True
# セッションをコミットする
session.commit()
session.get_dirty(instance) を使用する:
session.get_dirty(instance)
メソッドは、エンティティインスタンスが変更されたかどうかを返します。
from sqlalchemy import create_engine
from sqlalchemy.ext.declarative import declarative_base
from sqlalchemy import Column, Integer, String
engine = create_engine('sqlite:///database.db')
Base = declarative_base()
class User(Base):
__tablename__ = 'users'
id = Column(Integer, primary_key=True)
name = Column(String(255))
# セッションを作成する
session = Session()
# ユーザーを作成する
user = User(name='John Doe')
# セッションに追加する
session.add(user)
# ユーザーの名前を変更する
user.name = 'Jane Doe'
# `session.get_dirty(instance)` を使用して、変更された属性を検出する
if session.get_dirty(user):
# セッションを "dirty" としてマークする
session.dirty = True
# セッションをコミットする
session.commit()
注意事項:
- 詳細については、SQLAlchemy のドキュメントを参照してください。
- 具体的な状況に応じて、適切な方法を選択する必要があります。
- 上記の方法は、すべての状況で有効とは限りません。
sqlalchemy