計算された属性をデータベースでフィルタリングする:SQLAlchemy @hybrid_property と @property の使い分け
SQLAlchemy の @hybrid_property でのフィルタリングがうまくいかない場合の解決策
この問題を解決するには、以下の2つの方法があります。
@hybrid_property 内で SQLAlchemy 式を使用する
@hybrid_property
内で SQLAlchemy 式を使用することで、データベースから直接値を取得し、フィルタリングに使用することができます。
from sqlalchemy import and_, or_
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
@hybrid_property
def full_name(self):
return self.name + " " + self.last_name
@full_name.expression
def full_name_expr(self):
return func.concat(self.name, " ", self.last_name)
users = session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all()
この例では、full_name_expr
メソッドを使用して、User.full_name
属性の値をデータベースから直接取得しています。これにより、User.full_name
でフィルタリングすることが可能になります。
@hybrid_property の代わりに @property を使用する
@hybrid_property
の代わりに @property
を使用することで、計算された値を属性として公開することができます。ただし、この場合、データベースでフィルタリングすることはできません。
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
@property
def full_name(self):
return self.name + " " + self.last_name
users = session.query(User).filter(User.full_name == "John Doe").all()
この例では、full_name
プロパティを使用して、計算された値を属性として公開しています。しかし、この場合、User.full_name
でフィルタリングすることはできません。
@property
を使用する場合は、データベースでフィルタリングできないことに注意してください。@hybrid_property
内で SQLAlchemy 式を使用する場合は、パフォーマンスに影響を与える可能性があることに注意してください。
from sqlalchemy import and_, or_
from sqlalchemy.ext.hybrid import hybrid_property
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
@hybrid_property
def full_name(self):
return self.name + " " + self.last_name
@full_name.expression
def full_name_expr(self):
return func.concat(self.name, " ", self.last_name)
users = session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all()
この例では、User
モデルに name
と email
という2つのカラムがあります。また、full_name
という属性を定義するために @hybrid_property
デコレータを使用しています。
full_name
属性は、name
と last_name
の値を結合して返します。@hybrid_property
デコレータには expression
引数が指定されており、この引数を使用して、データベースから直接値を取得するための SQLAlchemy 式を定義しています。
full_name_expr
メソッドは、func.concat
関数を使用して name
と last_name
の値を結合します。このメソッドは、full_name
属性でフィルタリングするために使用されます。
最後に、session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all()
というクエリを使用して、full_name
が "John Doe" であるすべてのユーザーを取得します。
@property を使用する
from sqlalchemy.ext.hybrid import hybrid_property
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
@property
def full_name(self):
return self.name + " " + self.last_name
users = session.query(User).filter(User.full_name == "John Doe").all()
この例は、上の例とほぼ同じですが、@hybrid_property
デコレータの代わりに @property
デコレータを使用しています。
@property
デコレータは、計算された値を属性として公開するために使用されます。しかし、この場合、データベースでフィルタリングすることはできません。
full_name
属性は、name
と last_name
の値を結合して返します。しかし、この属性はデータベースに格納されている値ではなく、計算された値であることに注意してください。
カスタムフィルターを作成する
SQLAlchemy では、カスタムフィルターを作成して、独自のフィルタリングロジックを実装することができます。
from sqlalchemy import and_, or_
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
@hybrid_property
def full_name(self):
return self.name + " " + self.last_name
def full_name_filter(value):
return func.concat(User.name, " ", User.last_name) == value
users = session.query(User).filter(full_name_filter("John Doe")).all()
この例では、full_name_filter
というカスタムフィルターを作成しています。このフィルターは、func.concat
関数を使用して name
と last_name
の値を結合し、引数として渡された値と比較します。
ビューを使用する
SQLAlchemy では、ビューを使用して、データベースから取得したデータを再構築することができます。
from sqlalchemy import and_, or_, create_view
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
v = create_view("user_views",
selectable=session.query(User).with_columns(
User.id,
func.concat(User.name, " ", User.last_name).label("full_name")
)
)
users = session.query(v).filter(v.full_name == "John Doe").all()
この例では、user_views
というビューを作成しています。このビューは、User
テーブルから id
と full_name
という2つのカラムを選択します。
full_name
カラムは、func.concat
関数を使用して name
と last_name
の値を結合して生成されます。
サブクエリを使用する
from sqlalchemy import and_, or_, subquery
class User(Base):
name = Column(String(255))
email = Column(String(255))
users = session.query(User).filter(User.id.in_(
session.query(subquery(User.id)).filter(func.concat(User.name, " ", User.last_name) == "John Doe")
))
この例では、サブクエリを使用して、full_name
が "John Doe" であるすべてのユーザーの id
を取得します。
session.query(User).filter(User.id.in_( session.query(subquery(User.id)).filter(func.concat(User.name, " ", User.last_name) == "John Doe") ))
というクエリを使用して、full_name
が "John Doe" であるすべてのユーザーを取得することができます。
上記の方法は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。状況に応じて、適切な方法を選択してください。
- サブクエリ: 複雑なフィルタリングロジックを実装するのに適していますが、読みづらくなる可能性があります。
- ビュー: データの再構築に適していますが、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
- カスタムフィルター: 柔軟性が高いですが、複雑になる可能性があります。
- パフォーマンスが重要な場合は、プロファイリングを使用して、どの方法が最も効率的なのかを確認することをお勧めします。
- 上記で紹介した方法は、あくまでも例です。状況に応じて、適切な方法を選択してください。
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