計算された属性をデータベースでフィルタリングする:SQLAlchemy @hybrid_property と @property の使い分け

2024-07-27

SQLAlchemy の @hybrid_property でのフィルタリングがうまくいかない場合の解決策

この問題を解決するには、以下の2つの方法があります。

@hybrid_property 内で SQLAlchemy 式を使用する

@hybrid_property 内で SQLAlchemy 式を使用することで、データベースから直接値を取得し、フィルタリングに使用することができます。

from sqlalchemy import and_, or_

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    @hybrid_property
    def full_name(self):
        return self.name + " " + self.last_name

    @full_name.expression
    def full_name_expr(self):
        return func.concat(self.name, " ", self.last_name)

users = session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all()

この例では、full_name_expr メソッドを使用して、User.full_name 属性の値をデータベースから直接取得しています。これにより、User.full_name でフィルタリングすることが可能になります。

@hybrid_property の代わりに @property を使用する

@hybrid_property の代わりに @property を使用することで、計算された値を属性として公開することができます。ただし、この場合、データベースでフィルタリングすることはできません。

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    @property
    def full_name(self):
        return self.name + " " + self.last_name

users = session.query(User).filter(User.full_name == "John Doe").all()

この例では、full_name プロパティを使用して、計算された値を属性として公開しています。しかし、この場合、User.full_name でフィルタリングすることはできません。

  • @property を使用する場合は、データベースでフィルタリングできないことに注意してください。
  • @hybrid_property 内で SQLAlchemy 式を使用する場合は、パフォーマンスに影響を与える可能性があることに注意してください。



from sqlalchemy import and_, or_
from sqlalchemy.ext.hybrid import hybrid_property

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    @hybrid_property
    def full_name(self):
        return self.name + " " + self.last_name

    @full_name.expression
    def full_name_expr(self):
        return func.concat(self.name, " ", self.last_name)

users = session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all()

この例では、User モデルに nameemail という2つのカラムがあります。また、full_name という属性を定義するために @hybrid_property デコレータを使用しています。

full_name 属性は、namelast_name の値を結合して返します。@hybrid_property デコレータには expression 引数が指定されており、この引数を使用して、データベースから直接値を取得するための SQLAlchemy 式を定義しています。

full_name_expr メソッドは、func.concat 関数を使用して namelast_name の値を結合します。このメソッドは、full_name 属性でフィルタリングするために使用されます。

最後に、session.query(User).filter(User.full_name_expr == "John Doe").all() というクエリを使用して、full_name が "John Doe" であるすべてのユーザーを取得します。

@property を使用する

from sqlalchemy.ext.hybrid import hybrid_property

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    @property
    def full_name(self):
        return self.name + " " + self.last_name

users = session.query(User).filter(User.full_name == "John Doe").all()

この例は、上の例とほぼ同じですが、@hybrid_property デコレータの代わりに @property デコレータを使用しています。

@property デコレータは、計算された値を属性として公開するために使用されます。しかし、この場合、データベースでフィルタリングすることはできません。

full_name 属性は、namelast_name の値を結合して返します。しかし、この属性はデータベースに格納されている値ではなく、計算された値であることに注意してください。




カスタムフィルターを作成する

SQLAlchemy では、カスタムフィルターを作成して、独自のフィルタリングロジックを実装することができます。

from sqlalchemy import and_, or_

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

    @hybrid_property
    def full_name(self):
        return self.name + " " + self.last_name

def full_name_filter(value):
    return func.concat(User.name, " ", User.last_name) == value

users = session.query(User).filter(full_name_filter("John Doe")).all()

この例では、full_name_filter というカスタムフィルターを作成しています。このフィルターは、func.concat 関数を使用して namelast_name の値を結合し、引数として渡された値と比較します。

ビューを使用する

SQLAlchemy では、ビューを使用して、データベースから取得したデータを再構築することができます。

from sqlalchemy import and_, or_, create_view

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

v = create_view("user_views",
                selectable=session.query(User).with_columns(
                    User.id,
                    func.concat(User.name, " ", User.last_name).label("full_name")
                )
            )

users = session.query(v).filter(v.full_name == "John Doe").all()

この例では、user_views というビューを作成しています。このビューは、User テーブルから idfull_name という2つのカラムを選択します。

full_name カラムは、func.concat 関数を使用して namelast_name の値を結合して生成されます。

サブクエリを使用する

from sqlalchemy import and_, or_, subquery

class User(Base):
    name = Column(String(255))
    email = Column(String(255))

users = session.query(User).filter(User.id.in_(
    session.query(subquery(User.id)).filter(func.concat(User.name, " ", User.last_name) == "John Doe")
))

この例では、サブクエリを使用して、full_name が "John Doe" であるすべてのユーザーの id を取得します。

session.query(User).filter(User.id.in_( session.query(subquery(User.id)).filter(func.concat(User.name, " ", User.last_name) == "John Doe") )) というクエリを使用して、full_name が "John Doe" であるすべてのユーザーを取得することができます。

上記の方法は、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。状況に応じて、適切な方法を選択してください。

  • サブクエリ: 複雑なフィルタリングロジックを実装するのに適していますが、読みづらくなる可能性があります。
  • ビュー: データの再構築に適していますが、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • カスタムフィルター: 柔軟性が高いですが、複雑になる可能性があります。
  • パフォーマンスが重要な場合は、プロファイリングを使用して、どの方法が最も効率的なのかを確認することをお勧めします。
  • 上記で紹介した方法は、あくまでも例です。状況に応じて、適切な方法を選択してください。

sqlalchemy



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