SQLAlchemyで宣言型を用いた1対1リレーションシップを作成する方法

2024-07-27

SQLAlchemyで宣言型を用いた1対1リレーションシップの作成方法

この解説では、SQLAlchemyの宣言型を用いて、1対1リレーションシップを作成する方法を、コード例を交えて分かりやすく説明します。

1対1リレーションシップとは

1対1リレーションシップとは、1つのテーブルの各行が、別のテーブルの1つの行と関連付けられる関係です。

例えば、ユーザーテーブルとプロフィールテーブルがあるとします。この場合、1人のユーザーは1つのプロフィールを持つため、1対1リレーションシップが成立します。

宣言型を用いた1対1リレーションシップの作成

SQLAlchemyでは、declarative_baseクラスとrelationship属性を用いて、宣言型で1対1リレーションシップを作成できます。

コード例

from sqlalchemy import Column, Integer, String, ForeignKey
from sqlalchemy.orm import declarative_base, relationship

Base = declarative_base()

class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String)

class Profile(Base):
    __tablename__ = 'profiles'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    user_id = Column(Integer, ForeignKey('users.id'))

    user = relationship(User, back_populates='profile')

# 関係を定義

User.profile = relationship(Profile, uselist=False, back_populates='user')

コード解説

  1. declarative_baseクラスからBaseクラスを継承します。
  2. UserクラスとProfileクラスを定義します。
  3. Userクラスにはidname属性、Profileクラスにはiduser_id属性を定義します。
  4. relationship属性を用いて、UserクラスとProfileクラスの関係を定義します。
    • uselist=Falseオプションを指定することで、1対1リレーションシップであることを明示します。
    • back_populatesオプションを指定することで、逆方向の関係も定義します。

外部キー制約

上記のコード例では、Profileクラスのuser_id属性にForeignKey制約を定義しています。




from sqlalchemy import create_engine, Column, Integer, String, ForeignKey
from sqlalchemy.orm import declarative_base, sessionmaker, relationship

Base = declarative_base()

class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String)

class Profile(Base):
    __tablename__ = 'profiles'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    user_id = Column(Integer, ForeignKey('users.id'))

    user = relationship(User, back_populates='profile')

# エンジンとセッションの作成

engine = create_engine('sqlite:///example.db')
Base.metadata.create_all(engine)

Session = sessionmaker(bind=engine)
session = Session()

# ユーザーとプロフィールの作成

user = User(name='John Doe')
profile = Profile(user=user)

# データベースへの保存

session.add(user)
session.add(profile)
session.commit()

# ユーザー情報の取得

user = session.query(User).filter(User.name=='John Doe').first()

# プロフィール情報の取得

profile = user.profile

# セッションのクローズ

session.close()
  1. create_engine関数を使って、SQLiteデータベースへの接続を確立します。
  2. Base.metadata.create_allメソッドを使って、データベースにテーブルを作成します。
  3. sessionmaker関数を使って、セッションを作成します。
  4. relationship属性を使って、UserクラスとProfileクラスの関係を設定します。
  5. session.addメソッドを使って、UserクラスとProfileクラスのインスタンスをデータベースに追加します。
  6. session.commitメソッドを使って、変更を保存します。
  7. session.queryメソッドを使って、Userクラスのインスタンスを取得します。
  8. user.profile属性を使って、Profileクラスのインスタンスを取得します。
  9. session.closeメソッドを使って、セッションを閉じます。

このコードを実行すると、example.dbデータベースにusersテーブルとprofilesテーブルが作成され、John Doeというユーザーとプロフィール情報が登録されます。

実行結果

# テーブルの作成
CREATE TABLE users (
    id INTEGER NOT NULL,
    name VARCHAR(255),
    PRIMARY KEY (id)
);

CREATE TABLE profiles (
    id INTEGER NOT NULL,
    user_id INTEGER NOT NULL,
    PRIMARY KEY (id),
    FOREIGN KEY (user_id) REFERENCES users (id)
);

# ユーザーとプロフィールの登録
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO profiles (user_id) VALUES (1);

# ユーザー情報の取得
SELECT * FROM users WHERE name='John Doe';

# プロフィール情報の取得
SELECT * FROM profiles WHERE user_id=1;



SQLAlchemyで1対1リレーションシップを作成する他の方法

外部キー制約とForeignKeyアノテーション

代わりに、Columnアノテーションのforeign_keys引数を使って外部キー制約を定義することもできます。

from sqlalchemy import Column, Integer, String, ForeignKey
from sqlalchemy.orm import declarative_base, sessionmaker, relationship

Base = declarative_base()

class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String)

class Profile(Base):
    __tablename__ = 'profiles'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    user_id = Column(Integer, ForeignKey('users.id', ondelete='CASCADE'))

    user = relationship(User, back_populates='profile')

# 関係を定義

User.profile = relationship(Profile, uselist=False, back_populates='user')

Columnアノテーションのforeign_keys引数に、参照先のテーブルと列名を指定することで、外部キー制約を定義できます。

ondeleteオプションを指定することで、参照先レコードが削除されたときの挙動を指定できます。

foreign_keys引数とrelationshipアノテーション

foreign_keys引数とrelationshipアノテーションを組み合わせて、外部キー制約とリレーションシップを同時に定義することもできます。

from sqlalchemy import Column, Integer, String, ForeignKey
from sqlalchemy.orm import declarative_base, sessionmaker, relationship

Base = declarative_base()

class User(Base):
    __tablename__ = 'users'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    name = Column(String)

class Profile(Base):
    __tablename__ = 'profiles'

    id = Column(Integer, primary_key=True)
    user_id = Column(Integer, ForeignKey('users.id'))

    user = relationship(User, foreign_keys=[user_id], back_populates='profile')

# 関係を定義

User.profile = relationship(Profile, uselist=False, back_populates='user')

relationshipアノテーションのforeign_keys引数に、外部キー制約の列名を指定することで、外部キー制約とリレーションシップを同時に定義できます。

上記の3つの方法はいずれも、SQLAlchemyで1対1リレーションシップを作成するために使用できます。

どの方法を使用しても、同じ結果が得られます。


sqlalchemy



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