SQLAlchemyチュートリアル:テーブル名をオーバーライドして、データベースをもっと使いやすく
SQLAlchemyでテーブル名をオーバーライドする方法
テーブル名をオーバーライドするシナリオ
- 複数のテーブルが同じクラスを使用する場合
- クラス名がテーブル名として不適切な場合
- 既存のデータベーススキーマと互換性を保つ必要がある場合
テーブル名をオーバーライドするには、__tablename__
属性を使用します。この属性は、Base
クラスから継承したクラス内に定義する必要があります。
from sqlalchemy import Column, Integer, String, Base
class User(Base):
__tablename__ = 'my_users' # テーブル名を "my_users" にオーバーライド
id = Column(Integer, primary_key=True)
username = Column(String(64), unique=True)
email = Column(String(120), unique=True)
__tablename__
属性の注意点
- データベースによっては、テーブル名の長さ制限がある場合があります。
- 予約済みまたは無効なテーブル名は使用できません。
- テーブル名は大文字小文字を区別します。
__tablename__
属性は、クラス定義の先頭に配置する必要があります。
__tablename__
属性以外にも、テーブル名をオーバーライドする方法はいくつかあります。
- 手動でメタデータを作成する
Table
クラスを使用するdeclarative_base
関数のname
引数を使用する
これらの方法は、より高度なユースケースで使用されます。詳細については、SQLAlchemyのドキュメントを参照してください。
- これにより、開発者は、データベースの複雑さを意識せずに、アプリケーションロジックに集中することができます。
- ORMを使用すると、Pythonオブジェクトとデータベーステーブル間のマッピングを自動的に行うことができます。
- SQLAlchemyは、Pythonで最も人気のあるORM(オブジェクト関係マッピング)ライブラリの1つです。
from sqlalchemy import Column, Integer, String, Base
class User(Base):
__tablename__ = 'my_users' # テーブル名を "my_users" にオーバーライド
id = Column(Integer, primary_key=True)
username = Column(String(64), unique=True)
email = Column(String(120), unique=True)
このコードを実行すると、my_users
という名前のテーブルがデータベースに作成されます。テーブルには、id
、username
、email
という3つの列があります。
説明
unique
引数は、username
列とemail
列がそれぞれユニークであることを示します。primary_key
引数は、id
列が主キーであることを示します。Column
クラスを使用して、テーブルの列を定義しています。__tablename__
属性を使用して、テーブル名をmy_users
にオーバーライドしています。- このコードは、
Base
クラスからUser
クラスを継承しています。
実行方法
このコードを実行するには、以下の手順を実行する必要があります。
- SQLAlchemyと必要なデータベースドライバーをインストールします。
- データベース接続を作成します。
- 上記のコードをPythonスクリプトに保存します。
- スクリプトを実行します。
データベース接続の例
from sqlalchemy import create_engine
engine = create_engine('postgresql://user:password@host:port/database')
スクリプトの実行例
from myapp import User # 上記のコードを含むモジュールをインポート
Base.metadata.create_all(engine) # テーブルを作成
このコードを実行すると、my_users
という名前のテーブルが postgresql
データベースに作成されます。
このコードはあくまで基本的な例です。実際のアプリケーションでは、より複雑なテーブル構造やクエリを使用する可能性があります。
from sqlalchemy import Column, Integer, String, declarative_base
Base = declarative_base(name='myapp_tables') # テーブル名プレフィックスを "myapp_tables" に変更
class User(Base):
id = Column(Integer, primary_key=True)
username = Column(String(64), unique=True)
email = Column(String(120), unique=True)
このコードを実行すると、User
クラスのテーブル名は myapp_tables_users
になります。
Table
クラスを使用して、手動でテーブルメタデータを作成することもできます。
from sqlalchemy import Column, Integer, String, Table, MetaData
metadata = MetaData()
users_table = Table('my_users', metadata,
Column('id', Integer, primary_key=True),
Column('username', String(64), unique=True),
Column('email', String(120), unique=True)
)
このコードを実行すると、my_users
という名前のテーブルメタデータオブジェクトが作成されます。このオブジェクトを使用して、エンジンにテーブルを作成したり、マッピングを作成したりすることができます。
MetaData
クラスを使用して、手動でメタデータオブジェクトを作成することもできます。
from sqlalchemy import Column, Integer, String, MetaData
metadata = MetaData()
table_definition = {
'id': Column(Integer, primary_key=True),
'username': Column(String(64), unique=True),
'email': Column(String(120), unique=True)
}
users_table = Table('my_users', metadata, **table_definition)
このコードは、Table
クラスを使用する例とほぼ同じです。唯一の違いは、テーブル定義を辞書として渡していることです。
これらの方法の比較
方法 | 説明 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|---|
__tablename__ 属性 | 最も簡単で一般的な方法 | シンプルで分かりやすい | 複雑なテーブル構造には向かない |
declarative_base 関数の name 引数 | 複数のテーブルで同じプレフィックスを使用したい場合に便利 | テーブル名プレフィックスを簡単に変更できる | プレフィックスがすべてのテーブルに適用される |
Table クラス | 手動でテーブルメタデータを完全に制御したい場合に便利 | 複雑なテーブル構造やカスタムオプションに対応できる | 複雑で冗長なコードになる可能性がある |
手動でメタデータを作成 | 最も詳細な制御を提供する | すべてのニーズに対応できる | 非常に複雑でエラーが発生しやすい |
どの方法を使用するかは、個々のニーズと要件によって異なります。
- 手動でテーブルメタデータを完全に制御する必要がある場合は、
Table
クラスまたは手動でメタデータを作成する方法を使用するのが最善です。 - 複数のテーブルで同じプレフィックスを使用する場合は、
declarative_base
関数のname
引数を使用するのが最善です。 - 簡単でシンプルな方法が必要な場合は、
__tablename__
属性を使用するのが最善です。
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