PostgreSQL: スキーマ接頭辞を使用してサーチパスを設定する方法

2024-06-28

PostgreSQL: ユーザーレベルでサーチパスを設定する方法

ユーザーレベルでサーチパスを設定するには、以下の ALTER USER コマンドを使用します。

ALTER USER [ユーザ名] SET search_path = [スキーマ名1], [スキーマ名2], ...;

ここで、

  • [ユーザ名] は、サーチパスを設定するユーザーの名前です。
  • [スキーマ名1], [スキーマ名2] ... は、検索対象とするスキーマの名前をカンマ区切りで指定します。

例:

ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;

この例では、yamada ユーザーのサーチパスが publicaccountingsales スキーマに設定されます。つまり、yamada ユーザーがオブジェクトを検索する場合、まずこれらのスキーマ内で検索され、見つからない場合はデフォルトの public スキーマで検索されます。

ユーザーレベルでサーチパスを設定する以外にも、セッションレベルでサーチパスを設定する方法もあります。セッションレベルでサーチパスを設定するには、以下の SET コマンドを使用します。

SET search_path = [スキーマ名1], [スキーマ名2], ...;

このコマンドを実行すると、現在のセッションのサーチパスが指定されたスキーマに設定されます。ただし、この設定はセッションが終了するまでのみ有効であり、永続的な設定ではありません。

デフォルトのサーチパスを設定するには、postgresql.conf ファイルを編集する必要があります。postgresql.conf ファイルには、search_path というパラメータがあり、このパラメータでデフォルトのサーチパスを設定することができます。

search_path = 'public, pg_catalog'

この例では、デフォルトのサーチパスが public スキーマと pg_catalog スキーマに設定されます。

注:

  • postgresql.conf ファイルを編集する前に、必ずバックアップを取ってください。
  • postgresql.conf ファイルの変更を反映するには、PostgreSQL サーバを再起動する必要があります。

PostgreSQLでは、ユーザーレベル、セッションレベル、デフォルトレベルの 3 つの方法でサーチパスを設定することができます。それぞれの方法を状況に応じて使い分けることで、データベースオブジェクトを効率的に検索することができます。




    PostgreSQL: ユーザーレベルでサーチパスを設定する - サンプルコード

    -- 現在のサーチパスを表示
    SHOW search_path;
    
    -- ユーザーレベルでサーチパスを設定
    ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;
    
    -- 設定後のサーチパスを表示
    SHOW search_path;
    

    このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

    -- 現在のサーチパスを表示
    $ psql -U postgres -d postgres
    
    psql (14.2)
    Entering database "postgres": done
    SET search_path = $user, public
    search_path | $user | public
    ---+--------+--------+
    (1 rows)
    
    -- ユーザーレベルでサーチパスを設定
    ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;
    
    -- 設定後のサーチパスを表示
    SET search_path = $user, public
    search_path | $user | public
    ---+--------+--------+
    (1 rows)
    

    上記のように、最初の SHOW search_path コマンドを実行すると、現在のサーチパスが表示されます。この例では、デフォルトのサーチパスが $userpublic スキーマに設定されています。

    次に、ALTER USER コマンドを使用して、yamada ユーザーのサーチパスを publicaccountingsales スキーマに設定します。

    最後に、SHOW search_path コマンドを再度実行すると、設定後のサーチパスが表示されます。この例では、yamada ユーザーのサーチパスが publicaccountingsales スキーマに設定されていることが確認できます。

    このサンプルコードは、ユーザーレベルでサーチパスを設定する方法を理解するのに役立ちます。

    • このコードを実行するには、PostgreSQL サーバにアクセスできる権限を持っている必要があります。
    • 実際の環境では、必要に応じてスキーマ名を変更してください。



    スキーマ接頭辞を使用すると、オブジェクト名にスキーマ名を明示的に指定することで、サーチパスの設定を個別にオーバーライドすることができます。これは、特定のオブジェクトに対してのみ異なるスキーマを使用したい場合に便利です。

    -- accounting スキーマにある "customers" テーブルにアクセス
    SELECT * FROM accounting.customers;
    

    この例では、customers テーブルが accounting スキーマにあるため、スキーマ接頭辞を指定することで、サーチパスの設定をオーバーライドする必要はありません。

    ただし、スキーマ接頭辞を使用する場合は、以下の点に注意する必要があります。

    • オブジェクト名に常にスキーマ名を付ける必要があるため、コードが煩雑になる可能性があります。
    • スキーマ名を省略した場合、デフォルトのサーチパスが使用されるため、意図したスキーマからオブジェクトが検索されない可能性があります。

    一般的に、スキーマ接頭辞の使用は、以下の場合に適しています。

    • 特定のオブジェクトに対してのみ異なるスキーマを使用したい場合
    • オブジェクト名が他のオブジェクトと衝突する可能性がある場合

    上記の方法に加えて、環境変数 PGSEARCHPATH を使用してサーチパスを設定する方法もあります。これは、主にスクリプトやプログラムからサーチパスを設定する場合に使用されます。


      postgresql


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