PostgreSQL: スキーマ接頭辞を使用してサーチパスを設定する方法
PostgreSQL: ユーザーレベルでサーチパスを設定する方法
ユーザーレベルでサーチパスを設定するには、以下の ALTER USER
コマンドを使用します。
ALTER USER [ユーザ名] SET search_path = [スキーマ名1], [スキーマ名2], ...;
ここで、
[ユーザ名]
は、サーチパスを設定するユーザーの名前です。[スキーマ名1]
,[スキーマ名2]
... は、検索対象とするスキーマの名前をカンマ区切りで指定します。
例:
ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;
この例では、yamada
ユーザーのサーチパスが public
、accounting
、sales
スキーマに設定されます。つまり、yamada
ユーザーがオブジェクトを検索する場合、まずこれらのスキーマ内で検索され、見つからない場合はデフォルトの public
スキーマで検索されます。
ユーザーレベルでサーチパスを設定する以外にも、セッションレベルでサーチパスを設定する方法もあります。セッションレベルでサーチパスを設定するには、以下の SET
コマンドを使用します。
SET search_path = [スキーマ名1], [スキーマ名2], ...;
このコマンドを実行すると、現在のセッションのサーチパスが指定されたスキーマに設定されます。ただし、この設定はセッションが終了するまでのみ有効であり、永続的な設定ではありません。
デフォルトのサーチパスを設定するには、postgresql.conf
ファイルを編集する必要があります。postgresql.conf
ファイルには、search_path
というパラメータがあり、このパラメータでデフォルトのサーチパスを設定することができます。
search_path = 'public, pg_catalog'
この例では、デフォルトのサーチパスが public
スキーマと pg_catalog
スキーマに設定されます。
注:
postgresql.conf
ファイルを編集する前に、必ずバックアップを取ってください。postgresql.conf
ファイルの変更を反映するには、PostgreSQL サーバを再起動する必要があります。
PostgreSQLでは、ユーザーレベル、セッションレベル、デフォルトレベルの 3 つの方法でサーチパスを設定することができます。それぞれの方法を状況に応じて使い分けることで、データベースオブジェクトを効率的に検索することができます。
PostgreSQL: ユーザーレベルでサーチパスを設定する - サンプルコード
-- 現在のサーチパスを表示
SHOW search_path;
-- ユーザーレベルでサーチパスを設定
ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;
-- 設定後のサーチパスを表示
SHOW search_path;
このコードを実行すると、以下の出力が得られます。
-- 現在のサーチパスを表示
$ psql -U postgres -d postgres
psql (14.2)
Entering database "postgres": done
SET search_path = $user, public
search_path | $user | public
---+--------+--------+
(1 rows)
-- ユーザーレベルでサーチパスを設定
ALTER USER yamada SET search_path = public, accounting, sales;
-- 設定後のサーチパスを表示
SET search_path = $user, public
search_path | $user | public
---+--------+--------+
(1 rows)
上記のように、最初の SHOW search_path
コマンドを実行すると、現在のサーチパスが表示されます。この例では、デフォルトのサーチパスが $user
と public
スキーマに設定されています。
次に、ALTER USER
コマンドを使用して、yamada
ユーザーのサーチパスを public
、accounting
、sales
スキーマに設定します。
最後に、SHOW search_path
コマンドを再度実行すると、設定後のサーチパスが表示されます。この例では、yamada
ユーザーのサーチパスが public
、accounting
、sales
スキーマに設定されていることが確認できます。
このサンプルコードは、ユーザーレベルでサーチパスを設定する方法を理解するのに役立ちます。
- このコードを実行するには、PostgreSQL サーバにアクセスできる権限を持っている必要があります。
- 実際の環境では、必要に応じてスキーマ名を変更してください。
スキーマ接頭辞を使用すると、オブジェクト名にスキーマ名を明示的に指定することで、サーチパスの設定を個別にオーバーライドすることができます。これは、特定のオブジェクトに対してのみ異なるスキーマを使用したい場合に便利です。
-- accounting スキーマにある "customers" テーブルにアクセス
SELECT * FROM accounting.customers;
この例では、customers
テーブルが accounting
スキーマにあるため、スキーマ接頭辞を指定することで、サーチパスの設定をオーバーライドする必要はありません。
ただし、スキーマ接頭辞を使用する場合は、以下の点に注意する必要があります。
- オブジェクト名に常にスキーマ名を付ける必要があるため、コードが煩雑になる可能性があります。
- スキーマ名を省略した場合、デフォルトのサーチパスが使用されるため、意図したスキーマからオブジェクトが検索されない可能性があります。
一般的に、スキーマ接頭辞の使用は、以下の場合に適しています。
- 特定のオブジェクトに対してのみ異なるスキーマを使用したい場合
- オブジェクト名が他のオブジェクトと衝突する可能性がある場合
上記の方法に加えて、環境変数 PGSEARCHPATH
を使用してサーチパスを設定する方法もあります。これは、主にスクリプトやプログラムからサーチパスを設定する場合に使用されます。
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