PostgreSQLスキーマパスを使いこなす! サンプルコードと設定方法の比較
PostgreSQLスキーマパスの永続的な設定方法
設定方法
スキーマパスを設定するには、以下の2つの方法があります。
環境変数
PGSCHEMA
環境変数を設定することで、現在のセッションおよびその後のすべてのセッションでスキーマパスを設定することができます。
# bash
export PGSCHEMA=public,myschema
# zsh
export PGSCHEMA="public,myschema"
postgresql.confファイル
postgresql.conf
ファイルにsearch_path
パラメータを設定することで、すべてのセッションでスキーマパスを設定することができます。
search_path = public,myschema
どちらの方法を選択するべきか
一般的には、postgresql.conf
ファイルに設定する方法の方が推奨されます。これは、環境変数の設定はセッションに限定されるため、すべてのセッションで同じスキーマパスを使用したい場合は、postgresql.conf
ファイルに設定する方が望ましいからです。
注意点
- スキーマパスを設定すると、そのスキーマ内に存在しないオブジェクトを参照しようとすると、エラーが発生します。
- スキーマパスには、存在するスキーマのみを指定する必要があります。
- 複数のスキーマを指定する場合は、カンマで区切ります。
設定の確認
スキーマパスが正しく設定されていることを確認するには、以下のコマンドを使用します。
SHOW search_path;
このコマンドを実行すると、現在のスキーマパスが表示されます。
-- publicスキーマ内の`users`テーブルを参照
SELECT * FROM users;
-- myschemaスキーマ内の`products`テーブルを参照
SELECT * FROM myschema.products;
PGSCHEMA
環境変数を設定して、デフォルトのスキーマパスをmyschema
に変更することもできます。
export PGSCHEMA=myschema
# 上記の設定後
-- myschemaスキーマ内の`users`テーブルを参照
SELECT * FROM users;
-- publicスキーマ内の`products`テーブルを参照
SELECT * FROM public.products;
注意事項
- スキーマ名やテーブル名は、ご自身の環境に合わせて変更してください。
個々のクエリでスキーマを指定する
個々のクエリでFROM
句にスキーマ名を指定することで、そのクエリ内でのみスキーマパスを設定することができます。
-- myschemaスキーマ内の`products`テーブルを参照
SELECT * FROM myschema.products;
SET SEARCH PATHコマンドを使用する
SET SEARCH PATH
コマンドを使用することで、現在のセッション内でのみスキーマパスを設定することができます。
-- myschemaスキーマをデフォルトのスキーマパスに追加
SET SEARCH PATH public,myschema;
-- 上記の設定後
-- myschemaスキーマ内の`users`テーブルを参照
SELECT * FROM users;
-- publicスキーマ内の`products`テーブルを参照
SELECT * FROM public.products;
pg_hba.confファイルを使用する
pg_hba.conf
ファイルにsearch_path
パラメータを設定することで、特定のユーザーまたはデータベースのスキーマパスを設定することができます。
# 特定のユーザーのスキーマパスを設定
host all all 127.0.0.1/32 md5
search_path = public,myschema
# 特定のデータベースのスキーマパスを設定
database all all 127.0.0.1/32 md5
search_path = public,myschema
テンプレートデータベースを使用する
テンプレートデータベースにスキーマパスを設定することで、そのテンプレートデータベースから作成されるすべてのデータベースに同じスキーマパスを設定することができます。
# テンプレートデータベースのpostgresql.confファイル
search_path = public,myschema
どの方法を選択するべきかは、要件と環境によって異なります。
- 一部のクエリのみでスキーマを変更する必要がある場合は、個々のクエリでスキーマを指定する方法が最も簡単です。
- すべてのセッションで同じスキーマパスを使用したい場合は、
postgresql.conf
ファイルに設定する方法が推奨されます。 - 特定のユーザーまたはデータベースのスキーマパスを設定する必要がある場合は、
pg_hba.conf
ファイルを使用する方法が便利です。 - テンプレートデータベースから作成されるすべてのデータベースに同じスキーマパスを設定したい場合は、テンプレートデータベースを使用する方法が効率的です。
sql postgresql