SQLAlchemy を使って PostgreSQL から行を選択する方法

2024-07-27

SQLAlchemy は、Python でデータベース操作を行うためのライブラリです。PostgreSQL を含む様々なデータベースに対応しており、オブジェクト指向のインターフェースを提供することで、SQL クエリを直感的に記述することができます。

本記事では、SQLAlchemy を使って PostgreSQL から行を選択する方法について、初心者向けに分かりやすく解説します。

必要なもの

  • SQLAlchemy ライブラリ
  • PostgreSQL サーバー
  • Python 環境

手順

  1. データベース接続

まず、SQLAlchemy を使って PostgreSQL サーバーに接続する必要があります。以下のコード例のように、create_engine() 関数を使って接続情報を指定します。

from sqlalchemy import create_engine

# データベース接続情報
db_url = "postgresql://user:password@host:port/database"

# エンジンを作成
engine = create_engine(db_url)
  1. テーブル定義

次に、操作したいテーブルを定義する必要があります。Table() 関数を使って、テーブル名、カラム名、データ型などを指定します。

from sqlalchemy import Table, Column, Integer, String

# テーブル定義
metadata = MetaData()
table = Table('users', metadata,
              Column('id', Integer, primary_key=True),
              Column('name', String(255)),
              Column('email', String(255))
              )
  1. 行の選択

select() 関数を使って、テーブルから行を選択します。引数として、選択したいカラムや条件などを指定することができます。

例:すべての行を選択

# 全ての行を選択
stmt = select(table)

例:特定の条件で行を選択

# 名前が "Alice" である行を選択
stmt = select(table).where(table.c.name == 'Alice')
  1. クエリの実行

execute() メソッドを使って、クエリを実行します。結果は、RowProxy オブジェクトとして取得されます。

# クエリを実行
result = engine.execute(stmt)

# 結果をループ処理
for row in result:
    print(row)  # 各行のデータを出力
  • RowProxy オブジェクトは、行のデータにアクセスするための属性を提供します。例えば、row.id で ID 列の値を取得することができます。



from sqlalchemy import create_engine, Table, Column, Integer, String, MetaData, select

# データベース接続情報
db_url = "postgresql://user:password@host:port/database"

# エンジンを作成
engine = create_engine(db_url)

# メタデータを作成
metadata = MetaData()

# テーブル定義
table = Table('users', metadata,
              Column('id', Integer, primary_key=True),
              Column('name', String(255)),
              Column('email', String(255))
              )

# 全ての行を選択
stmt = select(table)

# クエリを実行
result = engine.execute(stmt)

# 結果をループ処理
for row in result:
    print(f"ID: {row.id}")
    print(f"名前: {row.name}")
    print(f"メールアドレス: {row.email}")
    print("-----------------")

説明

  1. ライブラリのインポート: 最初に、必要なライブラリをインポートします。
  2. データベース接続: create_engine() 関数を使って、データベース接続情報 (DB URL) を指定してエンジンを作成します。
  3. メタデータの作成: MetaData() クラスを使って、メタデータオブジェクトを作成します。これは、テーブル定義を格納するために使用されます。
  4. テーブル定義: Table() 関数を使って、操作対象のテーブルを定義します。引数として、テーブル名、カラム名、データ型などを指定します。
  5. 行の選択: select() 関数を使って、テーブルから行を選択します。ここでは、すべての行を選択するようにしています。
  6. 結果の処理: RowProxy オブジェクトは、各行のデータにアクセスするための属性を提供します。ループ処理を使って、各行の ID、名前、メールアドレスをコンソールに出力します。



fetchone() メソッドを使って、クエリ結果の最初の行を取得することができます。

# 最初の行を取得
row = engine.execute(stmt).fetchone()

# 行のデータを出力
if row:
    print(f"ID: {row.id}")
    print(f"名前: {row.name}")
    print(f"メールアドレス: {row.email}")
else:
    print("データが見つかりませんでした。")
# 全ての行を取得
rows = engine.execute(stmt).fetchall()

# 行をループ処理
for row in rows:
    print(f"ID: {row.id}")
    print(f"名前: {row.name}")
    print(f"メールアドレス: {row.email}")
    print("-----------------")

iterrows() メソッド

iterrows() メソッドを使って、クエリ結果の各行を RowProxy オブジェクトと行番号のタプルとしてイテレータで取得することができます。

# 各行をループ処理
for i, row in enumerate(engine.execute(stmt).iterrows()):
    print(f"行番号: {i + 1}")
    print(f"ID: {row.id}")
    print(f"名前: {row.name}")
    print(f"メールアドレス: {row.email}")
    print("-----------------")

scalar() メソッド

scalar() メソッドを使って、クエリ結果の最初の値を取得することができます。ただし、クエリ結果が 1 行以上の場合、エラーが発生します。

# 最初の名前を取得
name = engine.execute(select(table.c.name).where(table.c.id == 1)).scalar()

# 名前を出力
if name:
    print(f"名前: {name}")
else:
    print("データが見つかりませんでした。")

first() メソッド

# 最初の行のデータを取得
row = engine.execute(select(table)).first()

# 行のデータを出力
if row:
    print(f"ID: {row[0]}")
    print(f"名前: {row[1]}")
    print(f"メールアドレス: {row[2]}")
else:
    print("データが見つかりませんでした。")

one() メソッド

# 最初の行のデータを取得
row = engine.execute(select(table).where(table.c.id == 1)).one()

# 行のデータを出力
if row:
    print(f"ID: {row[0]}")
    print(f"名前: {row[1]}")
    print(f"メールアドレス: {row[2]}")
else:
    print("データが見つかりませんでした。")

filter() メソッド

filter() メソッドを使って、条件に合致する行のみを選択することができます。

# 名前が "Alice" である行を選択
stmt = select(table).filter(table.c.name == 'Alice')

# クエリを実行
result = engine.execute(stmt)

# 結果をループ処理
for row in result:
    print(f"ID: {row.id}")
    print(f"名前: {row.name}")
    print(f"メールアドレス: {row.email}")
    print("-----------------")

order_by() メソッド

order_by() メソッドを使って、結果をソートすることができます。

# ID 順に昇順でソート
stmt = select(table).order_by(table.c.id.asc())

# クエリを実行
result = engine.execute(stmt)

# 結果をループ処理
for row in result:
    print(f"ID:

sqlalchemy



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