SQLiteデータベーススキーマをERモデルで理解する
このガイドでは、SQLiteデータベーススキーマをエンティティリレーションシップモデル(ERモデル)として理解する方法について説明します。ERモデルは、データベース内のエンティティ(モノや概念)とその間の関係を視覚的に表現する方法です。これは、データベース構造を理解し、クエリを作成し、データベースの整合性を保つのに役立ちます。
エンティティと関係
ERモデルの中心的な概念は、エンティティと関係です。
- エンティティ は、データベースで管理されるモノや概念を表します。例えば、顧客、注文、商品などがエンティティになります。
- 関係 は、2つ以上のエンティティ間の相互作用を表します。例えば、「顧客は複数の注文を持つことができる」という関係は、顧客エンティティと注文エンティティ間の関係を表します。
ERモデルは、ER図と呼ばれる図を使用して視覚的に表現されます。ER図には、以下の記号が使われます。
- 矩形 はエンティティを表します。
- 菱形 は関係を表します。
- 線 はエンティティと関係を結びつけます。
SQLiteデータベーススキーマをERモデルに変換するには、以下の手順に従います。
- テーブルをエンティティに変換する。各テーブルは、1つのエンティティを表します。
- 列を属性に変換する。各列は、エンティティの属性を表します。
- プライマリキーを特定する。各エンティティには、プライマリキーと呼ばれる一意の識別子が必要です。プライマリキーは通常、主キーと呼ばれる列で構成されます。
- 外部キーを特定する。外部キーは、あるエンティティを別のエンティティに関連付ける列です。外部キーは通常、参照されるエンティティのプライマリキーと同じ列を参照します。
- 関係を特定する。エンティティ間の関係を特定します。関係は、1対1、1対多、多対1、多対多のいずれかになります。
例
次の例は、顧客、注文、商品という3つのテーブルを持つSQLiteデータベーススキーマを示します。
CREATE TABLE customers (
customer_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
CREATE TABLE products (
product_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
price REAL NOT NULL
);
CREATE TABLE order_items (
order_id INTEGER NOT NULL,
product_id INTEGER NOT NULL,
quantity INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (order_id) REFERENCES orders(order_id),
FOREIGN KEY (product_id) REFERENCES products(product_id)
);
このスキーマをER図に変換すると、次のようになります。
ERモデルは、SQLiteデータベーススキーマを理解し、クエリを作成し、データベースの整合性を保つのに役立つ貴重なツールです。このガイドで説明した手順に従って、SQLiteデータベーススキーマをERモデルに変換することができます。
補足
- このガイドでは、ERモデルの基本的な概念のみを説明しました。ERモデルには、より高度な概念もいくつかあります。
- ER図を作成するための様々なツールがあります。オンラインツールや、データベース管理ツールに組み込まれているツールなどがあります。
- データベースの設計については、書籍やオンラインリソースで詳しく学ぶことができます。
CREATE TABLE customers (
customer_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TABLE orders (
order_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
customer_id INTEGER NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
CREATE TABLE products (
product_id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
price REAL NOT NULL
);
CREATE TABLE order_items (
order_id INTEGER NOT NULL,
product_id INTEGER NOT NULL,
quantity INTEGER NOT NULL,
FOREIGN KEY (order_id) REFERENCES orders(order_id),
FOREIGN KEY (product_id) REFERENCES products(product_id)
);
説明
customers
テーブルは、顧客情報を格納します。customer_id
列は、顧客のプライマリキーです。name
列は、顧客の名前を格納します。email
列は、顧客のメールアドレスを格納します。
orders
テーブルは、注文情報を格納します。order_date
列は、注文日時のを格納します。
order_items
テーブルは、注文と商品の関連付けを格納します。quantity
列は、注文された商品の数量を格納します。
ER図
- このコードは、SQLiteデータベーススキーマを作成するための例です。実際のデータベーススキーマは、アプリケーションの要件に応じて異なる場合があります。
- データベースを設計する前に、ERモデリングの概念を理解することが重要です。
データベーススキーマをERモデルに変換するその他の方法
正規化
ERモデルを作成する前に、データベーススキーマを正規化する必要があります。正規化とは、データ冗長性を排除し、データベースの整合性を保つためのプロセスです。正規化には、いくつかの方法がありますが、最も一般的なものは次のとおりです。
- 第一正規化 (1NF):すべての列が原子値であることを確認します。つまり、列には複数の値を含めることはできません。
- 第二正規化 (2NF):すべての非キー列がプライマリキー全体に依存していることを確認します。
- 第三正規化 (3NF):すべての非推移的依存関係が排除されていることを確認します。
ERツール
ER図を作成するための様々なツールがあります。以下に、いくつかの例を示します。
- オンラインツール: Draw.io、Lucidchart、Visual Paradigmなど。
- データベース管理ツール: MySQL Workbench、PostgreSQL pgAdminなど。
- 専用ツール: ERWin、PowerDesignerなど。
その他の考慮事項
ERモデルを作成する際には、以下の点にも注意する必要があります。
- 属性: 各属性の名前とデータ型を定義する必要があります。
- 制約: データの整合性を保つために、制約を定義する必要があります。制約には、主キー制約、外部キー制約、NOT NULL制約などがあります。
database sqlite entity-relationship