PostgreSQL複数ユニーク制約競合処理:ON CONFLICT 句による通知

2024-05-11

PostgreSQL での複数ユニーク制約による競合処理

PostgreSQL では、複数の列にユニーク制約を設定することで、同じ値を持つレコードが挿入されるのを防ぐことができます。しかし、複数のユニーク制約が設定されている場合、競合が発生する可能性があります。

競合が発生する例

以下の例を見てみましょう。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255) UNIQUE
);

このテーブルでは、usernameemail にそれぞれユニーク制約が設定されています。つまり、同じ username または email を持つレコードは挿入できません。

しかし、以下のコードを実行すると競合が発生します。

INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');
INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');

このコードは、usernameemail が両方とも john[email protected] のレコードを 2 つ挿入しようとします。しかし、usernameemail にそれぞれユニーク制約が設定されているため、2 番目の INSERT ステートメントはエラーで失敗します。

競合処理方法

PostgreSQL では、競合が発生した場合にどのように処理するかを制御するいくつかの方法があります。

ON CONFLICT 句を使用すると、競合が発生した場合に実行するアクションを指定できます。以下の例では、競合が発生した場合に NOTIFY アクションを実行します。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE ON CONFLICT NOTIFY,
  email VARCHAR(255) UNIQUE ON CONFLICT NOTIFY
);

この場合、競合が発生すると、users_conflict という名前の LISTEN チャネルに通知が送信されます。この通知をリスニングすることで、競合が発生したことを検知し、適切な処理を行うことができます。

排他ロックを使用すると、レコードが更新または削除される前に、そのレコードを排他的にロックすることができます。以下の例では、username 列に排他ロックを設定します。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255)
);

SELECT * FROM users WHERE username = 'john' FOR UPDATE;

このコードを実行すると、usernamejohn のレコードが排他的にロックされます。このロックが解除されるまで、他のセッションはそのレコードを更新または削除することはできません。

PostgreSQL で複数のユニーク制約を使用する場合は、競合が発生する可能性があることを認識しておくことが重要です。競合が発生した場合にどのように処理するかを制御するために、ON CONFLICT 句や排他ロックなどの方法を使用することができます。

これらの方法の詳細については、PostgreSQL のドキュメントを参照してください。




PostgreSQL での複数ユニーク制約による競合処理 - サンプルコード

ON CONFLICT 句による通知

以下のコードは、users テーブルに usernameemail にそれぞれユニーク制約を設定し、競合が発生した場合に users_conflict という名前の LISTEN チャネルに通知を送信する例です。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE ON CONFLICT NOTIFY,
  email VARCHAR(255) UNIQUE ON CONFLICT NOTIFY
);

CREATE LISTEN channel users_conflict;

LISTEN users_conflict;

-- 競合が発生する INSERT ステートメント
INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');
INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');

-- 競合が発生したことを検知して処理するコード
NOTIFY users_conflict, pg_typeof('users').oid, row_to_json((SELECT * FROM users WHERE username = 'john' AND email = '[email protected]'));

このコードを実行すると、以下のようになります。

  1. users テーブルに usernameemail にそれぞれユニーク制約が設定されます。
  2. users_conflict という名前の LISTEN チャネルが作成されます。
  3. 競合が発生する INSERT ステートメントを実行します。
  4. 競合が発生すると、users_conflict チャネルに通知が送信されます。
  5. 通知をリスニングしているコードが実行され、競合が発生したレコードの情報が処理されます。

排他ロック

以下のコードは、users テーブルの username 列に排他ロックを設定し、競合が発生しないようにする例です。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255)
);

BEGIN TRANSACTION;

-- 排他ロックを取得
SELECT * FROM users WHERE username = 'john' FOR UPDATE;

-- レコードを更新または削除
UPDATE users SET email = '[email protected]' WHERE username = 'john';

COMMIT;
  1. トランザクションを開始します。
  2. usernamejohn のレコードを排他ロックします。
  3. 排他ロックされたレコードを更新または削除します。

排他ロックを使用すると、競合が発生する可能性を排除できます。ただし、排他ロックを使用しすぎると、パフォーマンスが低下する可能性があることに注意する必要があります。

これらのサンプルコードは、PostgreSQL での複数ユニーク制約による競合処理を理解するのに役立ちます。具体的な状況に合わせて、適切な方法を選択してください。




PostgreSQL での複数ユニーク制約による競合処理 - その他の方法

前述の ON CONFLICT 句と排他ロックに加えて、PostgreSQL での複数ユニーク制約による競合処理には、以下の方法もあります。

トリガーを使用すると、競合が発生したときに自動的にアクションを実行することができます。以下の例では、users テーブルに username 列の競合が発生したときに、競合が発生したレコードをログに記録するトリガーを作成します。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255)
);

CREATE TRIGGER log_conflict BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
WHEN (NEW.username = OLD.username)
BEGIN
  INSERT INTO conflict_log (username, email) VALUES (NEW.username, NEW.email);
END;
  1. username 列の競合が発生したときに、競合が発生したレコードをログに記録するトリガーが作成されます。
  2. 競合が発生すると、トリガーが実行され、競合が発生したレコードの情報が conflict_log テーブルに記録されます。

カスタムロジック

ON CONFLICT 句やトリガーなどの組み込み機能を使用せずに、独自のロジックを使用して競合を処理することもできます。この方法は、より柔軟な制御が必要な場合に役立ちます。

以下の例は、カスタムロジックを使用して users テーブルの username 列の競合を処理する方法を示しています。

CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  username VARCHAR(255) UNIQUE,
  email VARCHAR(255)
);

BEGIN TRANSACTION;

-- レコードを挿入しようとする
INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');

-- 競合が発生しているかどうかを確認する
SELECT 1 FROM users WHERE username = 'john' AND email = '[email protected]' FOR UPDATE;

-- 競合が発生している場合は、適切な処理を行う
IF FOUND THEN
  -- 競合が発生したことをログに記録する
  INSERT INTO conflict_log (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');

  -- 競合を解決するために別の INSERT ステートメントを実行する
  INSERT INTO users (username, email) VALUES ('john', '[email protected]');
ELSE
  -- 競合が発生していない場合は、処理を続行する
  -- ...
END IF;

COMMIT;
  1. レコードを挿入しようとします。
  2. 競合が発生しているかどうかを確認します。
  3. 競合が発生している場合は、競合が発生したことをログに記録し、競合を解決するために別の INSERT ステートメントを実行します。
  4. 競合が発生していない場合は、処理を続行します。

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