PostgreSQLで「No unique or exclusion constraint matching the ON CONFLICT」エラーが発生したときの対処法:原因と解決策を網羅

2024-06-15

PostgreSQLにおける「No unique or exclusion constraint matching the ON CONFLICT」エラー:詳細解説と解決策

このエラーは、INSERTステートメントのON CONFLICT句で指定された制約が存在しない場合に発生します。ON CONFLICT句は、INSERT操作中に重複データが検出された場合の処理を定義するために使用されます。

エラーの原因

このエラーが発生する主な理由は以下の3つです。

  1. 制約の定義漏れ: ON CONFLICT句で指定された制約が、実際にテーブルに定義されていない可能性があります。
  2. 誤った制約名: 指定された制約名が間違っている可能性があります。
  3. 不適切な制約: ON CONFLICT句で使用できるのは、UNIQUE制約とEXCLUDE制約のみです。PRIMARY KEY制約は使用できません。

解決策

このエラーを解決するには、以下の手順に従ってください。

  1. 制約名の確認: 指定された制約名が正しいことを確認してください。
  2. 制約の種類の確認: ON CONFLICT句で使用できるのは、UNIQUE制約とEXCLUDE制約のみであることを確認してください。

補足情報

  • PostgreSQL 9.5以降では、DO NOTHINGDO UPDATEDO INSERTなどのオプションを使用して、ON CONFLICT句でより詳細な処理を定義することができます。詳細は、PostgreSQL公式ドキュメントを参照してください。
  • ON CONFLICT句は、INSERT操作中に発生する重複データ処理を柔軟に制御できる便利な機能です。しかし、誤った使い方をすると、予期しない結果を招く可能性があるため、注意が必要です。



    PostgreSQLにおけるON CONFLICT句を使用したサンプルコード

    この例では、usersテーブルにusername列にUNIQUE制約を定義し、INSERT操作中に重複データが検出された場合、既存のレコードのemail列を更新します。

    CREATE TABLE users (
      id SERIAL PRIMARY KEY,
      username VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
      email VARCHAR(255) NOT NULL
    );
    
    INSERT INTO users (username, email)
    VALUES ('johndoe', '[email protected]')
    ON CONFLICT (username)
    DO UPDATE SET email = '[email protected]';
    

    例2:EXCLUDE制約を使用したON CONFLICT DO NOTHING

    この例では、ordersテーブルにcustomer_idproduct_id列にEXCLUDE制約を定義し、INSERT操作中に重複データが検出された場合、何もしません。

    CREATE TABLE orders (
      id SERIAL PRIMARY KEY,
      customer_id INT NOT NULL,
      product_id INT NOT NULL,
      order_date DATE NOT NULL
    );
    
    CREATE EXCLUDE INDEX exclude_duplicate_orders
      ON orders (customer_id, product_id);
    
    INSERT INTO orders (customer_id, product_id, order_date)
    VALUES (1, 1, '2023-10-04')
    ON CONFLICT (customer_id, product_id)
    DO NOTHING;
    

    例3:DO INSERTを使用した新しいレコードの挿入

    CREATE TABLE products (
      id SERIAL PRIMARY KEY,
      name VARCHAR(255) UNIQUE NOT NULL,
      category VARCHAR(255),
      price DECIMAL(10,2)
    );
    
    INSERT INTO products (name, category, price)
    VALUES ('Laptop', 'Electronics', 1299.99)
    ON CONFLICT (name)
    DO INSERT (name, category, price, stock)
    VALUES ('Laptop Pro', 'Electronics', 1499.99, 10);
    

    補足

    • これらの例はほんの一例であり、ON CONFLICT句を使用してさまざまな処理を定義できます。
    • 詳細については、PostgreSQL公式ドキュメントを参照してください。



    PostgreSQLにおけるON CONFLICT以外の重複データ処理方法

    ON CONFLICT句は、INSERT操作中に発生する重複データ処理を柔軟に制御できる便利な機能ですが、状況によっては他の方法の方が適切な場合もあります。

    代替手段

    以下に、ON CONFLICT句以外の重複データ処理方法をいくつか紹介します。

    INSERT ... SELECTステートメントを使用すると、既存のデータと新しいデータを比較し、重複するデータのみを挿入することができます。

    INSERT INTO target_table (column1, column2, ...)
    SELECT column1, column2, ...
    FROM source_table
    WHERE ...;
    

    MERGEステートメントを使用すると、既存のデータと新しいデータを比較し、一致するレコードを更新し、一致しないレコードを挿入することができます。

    MERGE INTO target_table AS t
    USING source_table AS s
    ON t.id = s.id
    WHEN MATCHED THEN
      UPDATE SET t.column1 = s.column1, ...
    WHEN NOT MATCHED THEN
      INSERT (column1, column2, ...) VALUES (s.column1, s.column2, ...);
    

    トリガーを使用すると、INSERT操作後に実行されるカスタムロジックを定義することができます。このロジックを使用して、重複データの処理を行うことができます。

    CREATE TRIGGER check_duplicate_username
    BEFORE INSERT ON users
    FOR EACH ROW
    BEGIN
      IF EXISTS (
        SELECT 1
        FROM users
        WHERE username = NEW.username
      ) THEN
        RAISE EXCEPTION 'Duplicate username found';
      END IF;
    END;
    

    アプリケーションロジックを使用して、INSERT操作前に重複データがないことを確認することができます。

    def insert_user(username, email):
      # Check if username already exists
      if User.objects.filter(username=username).exists():
        raise ValueError('Duplicate username found')
    
      # Insert new user
      user = User(username=username, email=email)
      user.save()
    

    選択の指針

    • シンプルな処理: 重複データの処理が単純な場合は、INSERT ... SELECTMERGEステートメントを使用するのが良いでしょう。
    • 複雑な処理: 重複データの処理が複雑な場合は、トリガーやアプリケーションロジックを使用する方が良いでしょう。
    • パフォーマンス: パフォーマンスが重要な場合は、ON CONFLICT句を使用するのが良いでしょう。
    • 上記以外にも、重複データ処理方法はいくつかあります。

    sql postgresql postgresql-9.5


    【超解説】SQLite の IS NULL 演算子と COALESCE 関数:空の値を判定・取得する方法

    IS NULL 演算子を使用するIS NULL 演算子は、カラムの値が NULL かどうかをチェックするために使用されます。 次の例では、name カラムが空のレコードのみが選択されます。利点:シンプルで分かりやすいすべての SQLite バージョンで利用可能...


    【保存版】MySQLの既存フィールド操作を極める!文字列追加でデータ分析の可能性を広げよう

    ALTER TABLEコマンドを使用するこの方法は、テーブル構造を変更することで、既存のフィールドに新しい文字列列を追加します。具体的な手順は以下の通りです。例:このコマンドを実行すると、usersテーブルにaddressという新しいテキスト型のフィールドが追加されます。このフィールドは、emailフィールドの後に配置されます。...


    macOSターミナルでPostgreSQLサーバーが停止できない?原因と解決策

    プロセスを確認するまず、PostgreSQL サーバープロセスが実行されていることを確認する必要があります。ターミナルを開き、次のコマンドを実行します。このコマンドは、実行中のすべてのプロセスを表示し、postgres という単語を含むプロセスをフィルタリングします。出力に postgres プロセスが表示されない場合は、サーバーがすでに停止していることを意味します。...


    重複レコードの特定と処理:Ruby on Rails、PostgreSQL、ActiveRecord を活用したアプローチ

    概要このチュートリアルでは、Ruby on Rails、PostgreSQL、ActiveRecord を用いて、データベース内に複数フィールドの重複を持つ行を効率的に検索する方法を解説します。例users テーブルに name と email 列があり、同じ名前とメールアドレスを持つユーザーが複数存在する場合を想定します。このような重複データを特定し、処理することが必要になります。...


    MariaDBでカンマ区切りの文字列を列に分割する:SPLIT関数、SUBSTRING_INDEX関数、REGEXP_EXTRACT関数、CASE式、ユーザー定義関数、外部ツールなど、あらゆる方法を徹底解説

    MariaDB 10. 2以降では、SPLIT 関数を使ってカンマ区切りの文字列を分割できます。この例では、table_name テーブルの column_name 列にあるカンマ区切りの文字列を分割し、split_column という新しい列に結果を格納します。...