エラー「関係の所有者である必要があります」を解決して、PostgreSQLで所有権を正しく変更する方法
PostgreSQLで所有者オブジェクトを変更する際に発生する「関係の所有者である必要があります」エラーの原因と解決策
PostgreSQLでは、データベースオブジェクト(テーブル、ビュー、インデックスなど)には所有者が割り当てられています。オブジェクトの所有者は、そのオブジェクトに対する権限を制御できます。オブジェクトの所有権を変更するには、新しい所有者が、オブジェクトの現在の所有者または所有者ロールのメンバーであり、かつ新しい所有者ロールのメンバーである必要があります。
このエラーが発生するのは、これらの条件のいずれかを満たしていない場合です。例えば、以下のケースが考えられます。
- 新しい所有者が、現在の所有者または所有者ロールのメンバーではない。
- 新しい所有者ロールが、オブジェクトのスキーマに対するCREATE権限を持っていない。
- ユーザーが、オブジェクトの所有権を変更する権限を持っていない。
解決策
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を実行する必要があります。
新しい所有者に必要な権限を付与する
新しい所有者が、オブジェクトの現在の所有者または所有者ロールのメンバーであり、かつ新しい所有者ロールのメンバーであることを確認してください。必要に応じて、GRANTコマンドを使用して、新しい所有者に必要な権限を付与します。
GRANT <権限> TO <新しい所有者>;
例:
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO new_owner;
スーパーユーザとして所有権を変更する
スーパーユーザであれば、以下のコマンドを使用して、オブジェクトの所有権を直接変更することができます。
ALTER TABLE <オブジェクト名> OWNER TO <新しい所有者>;
ALTER TABLE my_table OWNER TO new_owner;
所有権を中間ロールに移行する
新しい所有者が、オブジェクトの現在の所有者または所有者ロールのメンバーではない場合は、所有権を中間ロールに移行してから、新しい所有者に割り当てることができます。
まず、新しい所有者がメンバーである中間ロールを作成します。
CREATE ROLE intermediate_role;
次に、オブジェクトの所有権を中間ロールに移行します。
ALTER TABLE <オブジェクト名> OWNER TO intermediate_role;
最後に、新しい所有者に中間ロールのメンバーシップを付与します。
GRANT intermediate_role TO new_owner;
補足
- PostgreSQL 14以降では、
ROW_OWNER
という新しい権限が導入されました。この権限を持つユーザーは、自分が所有する行の所有権を変更することができます。これは、特定の行の所有権を個別に管理したい場合に役立ちます。
例
以下の例では、my_table
テーブルの所有権を user1
から user2
に変更する方法を示します。
ステップ 1: user2 に必要な権限を付与する
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO user2;
ステップ 2: my_table の所有権を user2 に変更する
ALTER TABLE my_table OWNER TO user2;
このコマンドを実行すると、my_table
テーブルの所有権が user2
に変更されます。user2
は、このテーブルに対してすべての権限を持つことになります。
PostgreSQL で所有権を変更するサンプルコード
例 1: テーブルの所有権を変更する
-- user1 に CREATE 権限があることを確認する
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO user1;
-- my_table テーブルの所有権を user2 に変更する
ALTER TABLE my_table OWNER TO user2;
-- user1 に CREATE 権限があることを確認する
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO user1;
-- my_view ビューの所有権を user2 に変更する
ALTER VIEW my_view OWNER TO user2;
-- user1 に CREATE 権限があることを確認する
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO user1;
-- my_sequence シークエンスの所有権を user2 に変更する
ALTER SEQUENCE my_sequence OWNER TO user2;
-- user1 に CREATE 権限があることを確認する
GRANT CREATE ON SCHEMA public TO user1;
-- my_function 関数の所有権を user2 に変更する
ALTER FUNCTION my_function OWNER TO user2;
注意事項
- 所有権を変更する前に、新しい所有者が必要な権限を持っていることを確認してください。
- スーパーユーザとして所有権を変更する場合は、十分に注意してください。スーパーユーザ権限を持つユーザーは、データベース内のすべてのオブジェクトを制御することができます。
- 所有権を変更すると、オブジェクトに対するアクセス権が変更される可能性があります。影響を受ける可能性のあるすべてのユーザーに、この変更を通知する必要があります。
PostgreSQLで所有権を変更するその他の方法
pg_ownership
関数は、データベースオブジェクトの所有権を変更するために使用できます。この関数は、新しい所有者と変更するオブジェクトの名前を引数として取ります。
SELECT pg_ownership('<オブジェクト名>', '<新しい所有者>');
SELECT pg_ownership('my_table', 'user2');
ALTER DATABASE
コマンドを使用して、データベース全体の所有権を変更することもできます。このコマンドには、OWNER
オプションを指定する必要があります。
ALTER DATABASE my_database OWNER TO new_owner;
ALTER DATABASE my_database OWNER TO user2;
reap
コマンドは、放棄されたデータベースオブジェクトを削除するために使用できます。このコマンドには、-o
オプションを指定して、オブジェクトの新しい所有者を指定することができます。
reap -o new_owner <オブジェクト名>
reap -o user2 my_table
pg_ownership
関数とALTER DATABASE
コマンドは、スーパーユーザのみが使用できます。reap
コマンドは、スーパーユーザまたはREAP
特権を持つユーザーが使用できます。
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