SQL ServerのCASCADE DELETEルール:知っておくべき5つのポイント

2024-04-08

SQL ServerにおけるCASCADE DELETEルールの使用

  • データの整合性を保ちやすい
  • 関連するレコードをまとめて削除する手間が省ける
  • プログラムコードをシンプルにできる
  • 誤操作によるデータ損失のリスクが高い
  • 複雑なデータ構造の場合、意図しないレコードが削除される可能性がある
  • リカバリーが困難になる
  • 親テーブルと子テーブルの関係が1対多の場合
  • データの整合性が非常に重要である場合

CASCADE DELETEルールを使用すべきでないケース

  • データ構造が複雑な場合
  • 使用前に必ずバックアップを取る
  • 削除前に関連するレコードを確認する
  • 誤操作を防ぐために、適切な権限設定を行う
  • リカバリープランを準備しておく

CASCADE DELETEルールは、データの整合性を保つために便利な機能ですが、誤操作によるデータ損失のリスクも伴うため、使用には注意が必要です。使用前にメリットとデメリットをよく理解し、適切な状況で使用することが重要です。




-- 親テーブルと子テーブルの定義

CREATE TABLE dbo.Parents (
    Id INT PRIMARY KEY,
    Name VARCHAR(50)
);

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id) ON DELETE CASCADE,
    Name VARCHAR(50)
);

-- 親テーブルのレコードを挿入

INSERT INTO dbo.Parents (Name) VALUES ('親1'), ('親2');

-- 子テーブルのレコードを挿入

INSERT INTO dbo.Children (ParentId, Name) VALUES (1, '子1'), (1, '子2'), (2, '子3');

-- 親テーブルのレコードを削除

DELETE FROM dbo.Parents WHERE Id = 1;

-- 子テーブルのレコードも自動的に削除される

SELECT * FROM dbo.Children;

CASCADE DELETEルールを使用する際は、このように関連するレコードがすべて削除されることに注意が必要です。




CASCADE DELETE以外の方法

ON DELETE NO ACTION

ON DELETE NO ACTIONは、親テーブルのレコードが削除されても、関連する子テーブルのレコードは削除されない設定です。

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id) ON DELETE NO ACTION,
    Name VARCHAR(50)
);

この設定の場合、親テーブルのIdが1であるレコードを削除しようとすると、以下のエラーが発生します。

The DELETE statement conflicted with the REFERENCE constraint "FK_Children_Parents". The conflict occurred in database "Test", table "dbo.Children", column 'ParentId'.

ON DELETE SET NULL

ON DELETE SET NULLは、親テーブルのレコードが削除された時に、関連する子テーブルのParentId列をNULLに設定する方法です。

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id) ON DELETE SET NULL,
    Name VARCHAR(50)
);

この設定の場合、親テーブルのIdが1であるレコードを削除すると、子テーブルのParentId列がNULLに設定されます。

SELECT * FROM dbo.Children;

Id | ParentId | Name
------- | -------- | --------
1 | NULL |1
2 | NULL |2

トリガーを使用して、親テーブルのレコードが削除された時に、関連する子テーブルのレコードを削除することもできます。

CREATE TRIGGER tr_DeleteChildren
ON dbo.Parents
AFTER DELETE
AS
BEGIN
    DELETE FROM dbo.Children
    WHERE ParentId IN (SELECT Id FROM deleted);
END;

このトリガーは、親テーブルParentsのレコードが削除された時に、deletedテーブルに格納された削除されたレコードのIdを使用して、関連する子テーブルChildrenのレコードを削除します。

手動で削除する

関連するレコードを手動で削除することもできます。

DELETE FROM dbo.Children
WHERE ParentId = 1;

DELETE FROM dbo.Parents
WHERE Id = 1;

この方法の場合、誤操作によるデータ損失のリスクが高いため、注意が必要です。

  • データの整合性が非常に重要である場合は、CASCADE DELETEを使用するのが最も安全です。
  • 誤操作によるデータ損失のリスクを回避したい場合は、ON DELETE NO ACTIONまたはON DELETE SET NULLを使用するのが安全です。
  • より柔軟な制御が必要な場合は、トリガーを使用することができます。
  • 関連するレコードが少ない場合は、手動で削除するのも良い方法です。

CASCADE DELETEルールを使用する場合は、必ずバックアップを取るなど、誤操作によるデータ損失を防ぐための対策を講じてください。


sql sql-server cascade


FOR XML PATHを使ってT-SQLで1つの列に複数の値を返す

概要:FOR XML PATH を使用して、1つの列に複数の値をXML形式で返す方法です。例:出力:STRING_AGGSTRING_AGG 関数を使用して、1つの列に複数の値をカンマ区切りで返す方法です。STUFFJSON仮想テーブル注意事項:...


最新の情報に基づいたSQL Serverの接続プーリングとログイン/ログアウト監査

接続プーリングは、データベースへの接続を事前に作成し、プールに保持しておく技術です。これにより、アプリケーションがデータベースに接続する際に、毎回接続を確立する必要がなくなり、パフォーマンスが向上します。SQL Serverにおける接続プーリング...


SQL Server 2008で「キー列として使用できない型のキー列」エラーを解決するその他の方法

SQL Server 2008でインデックスを作成または変更しようとすると、「キー列として使用できない型のキー列」というエラーが発生することがあります。これは、インデックスのキー列として指定された列のデータ型が、インデックスキーとして無効であることを意味します。...


SQL ServerにActive Directoryユーザーグループをログインとして追加する方法:詳細ガイド

このチュートリアルでは、SQL Server に Active Directory ユーザー グループをログインとして追加する方法について説明します。これにより、グループ内のすべてのユーザーが、SQL Server インスタンスに認証を使用してアクセスできるようになります。...


SQL Serverへの接続方法:Entity Framework Core、Dapper、LINQ to SQLなど

SQL ServerへのADO. NET接続が時々成功し、時々失敗する場合、様々な原因が考えられます。問題を特定し、解決するには、以下の点を確認する必要があります。接続文字列接続文字列に誤りがないか確認してください。サーバー名、データベース名、ユーザー名、パスワードなどが正しく設定されていることを確認します。...


SQL SQL SQL Amazon で見る



データ結合の壁を超えよう!INNER JOINとOUTER JOINを使い分けるためのヒント

INNER JOIN と OUTER JOIN は、JOINの種類の中でも特に重要なものです。INNER JOIN と OUTER JOIN の主な違いは、結合する行の条件です。INNER JOIN は、結合するテーブル同士で共通する行のみを抽出します。 一方、OUTER JOIN は、共通する行だけでなく、共通しない行も含めて抽出することができます。


SCOPE_IDENTITY() を使用して挿入された行の ID を取得する方法

SQL Server で INSERT ステートメントを使用して行を挿入した後、その行の ID を取得する必要がある場合があります。この ID は、多くの場合、主キーとして使用されます。方法挿入された行の ID を取得するには、次の 3 つの方法があります。


カスケードとトリガー、ストアドプロシージャ、アプリケーションコードの比較

カスケードを使用するタイミングカスケードは、以下の状況で特に役立ちます。親子関係が明確に定義されている場合データの整合性を維持することが重要な場合複雑なトリガーやストアドプロシージャを作成せずに、参照整合性を維持したい場合カスケードを使用する主な理由は以下の3つです。


SQL ServerにおけるVARCHARとNVARCHARの違い

主な違い は、使用できる文字コードと照合順序です。使用できる文字コードVARCHAR: シングルバイト文字 (ASCII) のみ格納できます。NVARCHAR: シングルバイト文字だけでなく、マルチバイト文字 (Unicode) も格納できます。


【初心者向け】T-SQL != と <> の使い分け

<>: 1980年代から存在する、歴史のある演算子!=: SQL Server 2008で導入された比較的新しい演算子<>: 見た目的に分かりにくく、初心者には誤解を招きやすい!=: プログラミング言語でよく使われる記号で、読みやすい!=: わずかに高速


もう迷わない!SQL Server の CROSS APPLY と INNER JOIN を徹底解説

それぞれの特徴INNER JOIN: 複数のテーブルから一致する行を結合します。 結合条件を満たす行のみが結果に含まれます。 データベース全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。INNER JOIN:複数のテーブルから一致する行を結合します。


ON UPDATE CASCADE 以外の方法: ON UPDATE SET NULL とトリガー

SQL の外部キー制約における ON UPDATE CASCADE は、親テーブルの参照値更新に伴い、子テーブルの関連する値を自動的に更新する機能です。データの整合性を維持する上で役立ちますが、誤った更新にも繋がるため、適切な状況で利用することが重要です。


パフォーマンス向上!SQL ServerでSET NOCOUNT ONを使いこなす

SET NOCOUNT ON は、Transact-SQL (T-SQL) ステートメントやストアドプロシージャの実行後に、影響を受けた行数を示すメッセージの送信を抑制します。これは、ネットワークトラフィックを削減し、パフォーマンスを向上させるために役立ちます。


意図しないデータ削除を防ぐ!SQL Server で安全なカスケード削除を行う

外部キー制約を作成する子テーブルに、親テーブルの主キーを参照する外部キー制約を作成する必要があります。この制約を作成する際に、ON DELETE CASCADE オプションを指定します。親テーブルのレコードを削除する親テーブルのレコードを削除すると、関連する子テーブルのレコードも自動的に削除されます。


DELETE、TRUNCATE TABLE、DROP TABLE、MERGE: データ削除方法の比較

方法DELETEステートメントを使用します。FROM句で、削除するテーブルを指定します。INNER JOINを使用して、関連するテーブルを結合します。ON句で、結合条件を指定します。WHERE句で、削除する行をさらに絞り込む条件を指定します。(オプション)