共通テーブル式、ローカル変数、#tempテーブル...tempテーブル/テーブル変数の代替方法
SQL Server における temp テーブルとテーブル変数の違い
SQL Server で一時的なデータ操作を行う際、temp テーブルとテーブル変数の 2 つの選択肢があります。 それぞれ異なる特性と利点を持つため、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
共通点
- 一時的なデータ操作に使用される
- データベースのスキーマに登録されない
- バッチまたはセッションが終了すると自動的に削除される
主な違い
項目 | temp テーブル | テーブル変数 |
---|---|---|
スコープ | セッション内 | バッチ内 |
データ格納場所 | tempdb データベース | メモリ |
参照方法 | ##temp テーブル名 | @テーブル変数名 |
パフォーマンス | テーブル変数のほうが高速 | temp テーブルのほうが柔軟 |
制限事項 | 一時テーブル名をクエリ内で指定できない | テーブル変数は一部の T-SQL 機能で使用できない |
詳細
スコープ
- temp テーブルはセッション内で有効なので、複数のバッチで参照できます。
- テーブル変数はバッチ内で有効なので、同じバッチ内の複数のクエリで参照できます。
データ格納場所
- temp テーブルは tempdb データベースに格納されます。
- テーブル変数はメモリに格納されます。
参照方法
- temp テーブルは ##temp テーブル名で参照します。
- テーブル変数は @テーブル変数名で参照します。
パフォーマンス
- テーブル変数はメモリに格納されるため、temp テーブルよりも高速にアクセスできます。
- temp テーブルはより多くの機能に対応しており、複雑な処理に適しています。
制限事項
- temp テーブルはクエリ内で直接参照できません。
- テーブル変数は一部の T-SQL 機能 (例: INSERT ... EXECUTE) で使用できません。
選択ガイド
- 複数のバッチで参照する必要がある場合は temp テーブルを使用します。
- パフォーマンスが重要な場合はテーブル変数を使用します。
- 複雑な処理を行う場合は temp テーブルを使用します。
補足
- SQL Server 2016 以降では、メモリ最適化テーブル変数を使用することで、テーブル変数の性能をさらに向上させることができます。
- temp テーブルとテーブル変数のどちらを選択するかは、状況によって異なります。 最適な方法を選択するには、それぞれの特性と利点を理解することが重要です。
-- セッション内で有効な temp テーブルを作成
CREATE TABLE ##TempTable (
ID INT NOT NULL,
Name VARCHAR(50)
);
-- temp テーブルにデータ挿入
INSERT INTO ##TempTable (ID, Name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO ##TempTable (ID, Name) VALUES (2, 'Jane Doe');
-- temp テーブルからデータ取得
SELECT * FROM ##TempTable;
-- セッション終了時に temp テーブルは自動的に削除される
テーブル変数
-- バッチ内で有効なテーブル変数を作成
DECLARE @TableVariable TABLE (
ID INT NOT NULL,
Name VARCHAR(50)
);
-- テーブル変数にデータ挿入
INSERT INTO @TableVariable (ID, Name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO @TableVariable (ID, Name) VALUES (2, 'Jane Doe');
-- テーブル変数からデータ取得
SELECT * FROM @TableVariable;
-- バッチ終了時にテーブル変数は自動的に削除される
メモリ最適化テーブル変数
-- メモリ最適化テーブル変数を作成
DECLARE @TableVariable TABLE (
ID INT NOT NULL,
Name VARCHAR(50)
) WITH (MEMORY_OPTIMIZED = ON);
-- メモリ最適化テーブル変数にデータ挿入
INSERT INTO @TableVariable (ID, Name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO @TableVariable (ID, Name) VALUES (2, 'Jane Doe');
-- メモリ最適化テーブル変数からデータ取得
SELECT * FROM @TableVariable;
-- バッチ終了時にメモリ最適化テーブル変数は自動的に削除される
- 上記は簡単なサンプルコードです。 実際の使用例では、必要に応じてコードを修正してください。
- メモリ最適化テーブル変数を使用するには、SQL Server 2016 以降が必要です。
temp テーブルとテーブル変数の代替方法
共通テーブル式 (CTE)
CTE は、WITH 句を使用してクエリ内で一時的な結果セットを定義するものです。 temp テーブルやテーブル変数よりも軽量で、パフォーマンスが向上する場合があります。
WITH MyCTE AS (
SELECT *
FROM dbo.Customers
WHERE Country = 'USA'
)
SELECT *
FROM MyCTE;
ローカル変数は、T-SQL の中で一時的な値を格納するために使用できます。 スコープが狭いため、temp テーブルやテーブル変数よりも効率的な場合があります。
DECLARE @CustomerID INT;
SET @CustomerID = 123;
SELECT *
FROM dbo.Customers
WHERE CustomerID = @CustomerID;
#temp テーブルは、ローカル temp テーブルとも呼ばれ、セッション内で有効な一時的なテーブルです。 temp テーブルよりも軽量で、パフォーマンスが向上する場合があります。
CREATE TABLE #TempTable (
ID INT NOT NULL,
Name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO #TempTable (ID, Name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO #TempTable (ID, Name) VALUES (2, 'Jane Doe');
SELECT * FROM #TempTable;
DROP TABLE #TempTable;
最適な方法は、状況によって異なります。 以下の点を考慮する必要があります。
- データの量
- データの複雑さ
各方法の利点と欠点を理解した上で、適切な方法を選択してください。
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