SQL Serverのパフォーマンスを向上させる: 一時テーブルとテーブル変数の最適な選び方
SQL Serverで一時テーブルとテーブル変数の使い分け
一時テーブルは、データベース内に作成されるテーブルです。複数のセッションからアクセス可能で、トランザクションログに記録されます。
テーブル変数は、ローカル変数のようにスコープが限定された一時的なテーブルです。作成したセッションでのみアクセス可能で、トランザクションログには記録されません。
どちらを使用すべきかは、以下の点を考慮する必要があります。
データのサイズ
- 数MB以下の小さなデータの場合、テーブル変数の方が効率的です。
- 数MBを超える大きなデータの場合、一時テーブルの方が効率的です。
データの共有
- 複数のセッションでデータを共有する必要がある場合は、一時テーブルを使用する必要があります。
- 同じセッション内でデータを共有する場合は、テーブル変数を使用できます。
トランザクション処理
- トランザクション処理で使用する場合は、一時テーブルを使用する必要があります。
- トランザクション処理で使用する必要がない場合は、テーブル変数を使用できます。
パフォーマンス
- 一般的に、テーブル変数の方が一時テーブルよりもパフォーマンスが優れています。
以下は、それぞれの具体的な使用例です。
一時テーブルの使用例
- 複数のセッションで共有する中間データを保存する
- トランザクション処理で使用する一時データを保存する
- 大量のデータを一時的に保存する
テーブル変数の使用例
- パフォーマンスを向上させる
項目 | 一時テーブル | テーブル変数 |
---|---|---|
スコープ | データベース | セッション |
トランザクションログ | 記録される | 記録されない |
データのサイズ | 大きいデータに向いている | 小さいデータに向いている |
データの共有 | 複数セッションで共有できる | 同じセッション内で共有できる |
トランザクション処理 | 使用できる | 使用できない |
パフォーマンス | やや劣る | 優れている |
-- 一時テーブルを作成
CREATE TABLE #temp (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
-- 一時テーブルにデータ挿入
INSERT INTO #temp (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO #temp (id, name) VALUES (2, 'Jane Doe');
-- 一時テーブルからデータ取得
SELECT * FROM #temp;
-- 一時テーブルを削除
DROP TABLE #temp;
-- テーブル変数を宣言
DECLARE @temp TABLE (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
-- テーブル変数にデータ挿入
INSERT INTO @temp (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO @temp (id, name) VALUES (2, 'Jane Doe');
-- テーブル変数からデータ取得
SELECT * FROM @temp;
-- テーブル変数は自動的に削除される
以下のコードを実行して、一時テーブルとテーブル変数の処理速度を比較することができます。
-- 一時テーブル
CREATE TABLE #temp (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO #temp (id, name)
SELECT TOP (1000000) *
FROM AdventureWorks2019.Person.Person;
SELECT * FROM #temp;
DROP TABLE #temp;
-- テーブル変数
DECLARE @temp TABLE (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO @temp (id, name)
SELECT TOP (1000000) *
FROM AdventureWorks2019.Person.Person;
SELECT * FROM @temp;
一時テーブルとテーブル変数以外の方法
ローカル変数
- 数値や文字列など、少量のデータを保存する場合に有効です。
- スコープはローカルなので、他のセッションからアクセスできません。
CTE (Common Table Expressions)
- 複雑なクエリを複数回実行する際に、中間データを保存する場合に有効です。
tempdb データベース
- 大量のデータを一時的に保存する場合に有効です。
- すべてのセッションからアクセスできますが、トランザクションログには記録されません。
- データの量
DECLARE @id INT;
SET @id = 1;
SELECT @id;
CTE の使用例
WITH cte AS (
SELECT *
FROM AdventureWorks2019.Person.Person
)
SELECT *
FROM cte;
USE tempdb;
CREATE TABLE #temp (
id INT,
name VARCHAR(50)
);
INSERT INTO #temp (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO #temp (id, name) VALUES (2, 'Jane Doe');
SELECT * FROM #temp;
DROP TABLE #temp;
USE AdventureWorks2019;
sql-server temp-tables table-variable