【SQL上級者向け】SELECT INTO句を超えた!複数列を複数変数に代入する高度なテクニック
SQLで複数列を複数変数に代入する方法
SQLのSELECT INTO
句を使用すると、SELECT句で取得した複数の列のデータを、複数の変数に同時に代入することができます。これは、1行分のデータを複数の変数に格納したい場合に便利な機能です。
構文
SELECT 列1, 列2, ...
INTO 変数1, 変数2, ...
FROM テーブル名
[WHERE 条件];
説明
SELECT
: 取得したい列をカンマ区切りで指定します。INTO
: 変数をカンマ区切りで指定します。変数の数は、SELECT句で指定した列の数と同じである必要があります。FROM
: データを取得するテーブルを指定します。WHERE
: オプションです。条件を指定して、特定の行のみを取得できます。
例
次の例では、customers
テーブルからid
、name
、email
列の値を取得し、それぞれcustomer_id
、customer_name
、customer_email
変数に代入します。
SELECT id, name, email
INTO customer_id, customer_name, customer_email
FROM customers
WHERE id = 123;
注意点
SELECT INTO
句は、1行分のデータしか代入できません。複数行のデータを代入したい場合は、ループ処理などを用いる必要があります。- 変数の型は、SELECT句で取得した列のデータ型と一致する必要があります。
代替方法
SELECT INTO
句以外にも、複数列を複数変数に代入する方法があります。
- カーソルを使用する
- 一時テーブルを作成する
これらの方法は、SELECT INTO
句よりも複雑ですが、より柔軟なデータ処理が可能になります。
上記以外にも、SQL SELECT multi-columns INTO multi-variable
に関連する様々な情報がインターネット上で公開されています。分からないことがあれば、遠慮なく検索してみてください。
-- customers テーブルから id、name、email 列の値を取得し、
-- それぞれ customer_id、customer_name、customer_email 変数に代入する
DECLARE @customer_id INT, @customer_name NVARCHAR(50), @customer_email NVARCHAR(100);
SELECT @customer_id = id,
@customer_name = name,
@customer_email = email
FROM customers
WHERE id = 123;
-- 代入された値を確認する
SELECT @customer_id, @customer_name, @customer_email;
Teradata
-- customers テーブルから id、name、email 列の値を取得し、
-- それぞれ customer_id、customer_name、customer_email 変数に代入する
DECLARE customer_id INTEGER, customer_name VARCHAR(50), customer_email VARCHAR(100);
SELECT customer_id = id,
customer_name = name,
customer_email = email
FROM customers
WHERE id = 123;
-- 代入された値を確認する
SELECT customer_id, customer_name, customer_email;
- 上記のコードは、SQL ServerとTeradataのそれぞれで、
SELECT INTO
句を使用して複数列を複数変数に代入する例です。 - 変数の宣言方法やデータ型は、それぞれのデータベースによって異なる場合があります。
- コードを実行するには、それぞれのデータベースシステムに接続する必要があります。
補足
- 上記のコードは、あくまでも一例です。実際の使用例では、必要に応じて修正する必要があります。
SELECT INTO
句を使用するよりも、カーソルや一時テーブルを使用する方が柔軟なデータ処理が可能になる場合があります。
SQLで複数列を複数変数に代入するその他の方法
前述の通り、SELECT INTO
句以外にも、SQLで複数列を複数変数に代入する方法があります。ここでは、2つの代替方法をご紹介します。
カーソルを使用する方法では、SELECT句で取得した結果セットを逐次処理し、各行のデータを1つずつ変数に代入していきます。
-- customers テーブルから id、name、email 列の値をすべて取得し、
-- それぞれ customer_id、customer_name、customer_email 変数に代入する
DECLARE customer_id CURSOR FOR
SELECT id, name, email
FROM customers;
DECLARE @customer_id INT, @customer_name NVARCHAR(50), @customer_email NVARCHAR(100);
OPEN customer_id;
FETCH NEXT FROM customer_id
INTO @customer_id, @customer_name, @customer_email;
WHILE @@FETCH_STATUS = 0
BEGIN
-- 代入された値を処理する
FETCH NEXT FROM customer_id
INTO @customer_id, @customer_name, @customer_email;
END;
CLOSE customer_id;
DEALLOCATE customer_id;
- 上記のコードは、SQL Serverの例です。他のデータベースシステムでは、構文が異なる場合があります。
- カーソルを使用するには、カーソルを宣言し、開く、フェッチする、閉じる、解放するなどの操作を行う必要があります。
- フェッチ操作によって、1行分のデータが変数に代入されます。
@@FETCH_STATUS
変数は、フェッチ操作が成功したかどうかを確認するために使用します。
一時テーブルを作成する方法では、SELECT句で取得したデータを一時テーブルに格納し、その後、一時テーブルに対してSELECT INTO句を実行して変数に代入します。
-- customers テーブルから id、name、email 列の値をすべて取得し、
-- 一時テーブル #customers_temp に格納する
CREATE TABLE #customers_temp (
id INT,
name NVARCHAR(50),
email NVARCHAR(100)
);
INSERT INTO #customers_temp
SELECT id, name, email
FROM customers;
-- #customers_temp テーブルから 1 行分のデータを customer_id、customer_name、customer_email 変数に代入する
SELECT TOP 1 *
INTO @customer_id, @customer_name, @customer_email
FROM #customers_temp;
-- 一時テーブルを削除する
DROP TABLE #customers_temp;
- 一時テーブルを作成するには、
CREATE TABLE
ステートメントを使用します。 - 一時テーブルは、セッションスコープで存在します。つまり、セッションが終了すると、一時テーブルは自動的に削除されます。
- SELECT句で取得したデータを、一時テーブルにINSERTします。
- 一時テーブルに対してSELECT INTO句を実行して、変数に代入します。
- 最後に、一時テーブルをDROPします。
各方法の比較
方法 | 利点 | 欠点 |
---|---|---|
SELECT INTO 句 | シンプルでわかりやすい | 1行分のデータしか代入できない |
カーソル | 柔軟性が高い | 複雑 |
一時テーブル | 複数行のデータを代入できる | 一時テーブルの作成と削除が必要 |
- シンプルでわかりやすい方法を求める場合は、
SELECT INTO
句を使用します。 - 柔軟性が必要な場合は、カーソルを使用します。
- 複数行のデータを代入する場合は、一時テーブルを使用します。
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