テーブル値関数の威力を引き出す!SQL Serverで変数を操るテクニック
SQL Serverでテーブル値関数の変数を宣言する
SQL Serverにおいて、テーブル値関数は、1行以上のデータを返すことができる特殊な種類の関数です。これは、複数の行を返すクエリ結果を、あたかも単一のテーブルであるかのように扱えるようにするため、非常に便利です。
テーブル値関数内で変数を宣言することは、関数の処理をより柔軟かつ効率的に行うために役立ちます。このチュートリアルでは、SQL Serverでテーブル値関数の変数を宣言する方法について、分かりやすく説明します。
変数の宣言
テーブル値関数内で変数を宣言するには、DECLARE
ステートメントを使用します。このステートメントには、変数名、データ型、およびオプションで初期値を指定する必要があります。
DECLARE @variable_name data_type [= initial_value];
例
次の例では、CustomerID
列とOrderDate
列を持つテーブルを返すテーブル値関数を作成します。この関数は、@CustomerID
という名前の入力パラメータを受け取り、指定された顧客のすべての注文を返します。
CREATE FUNCTION dbo.GetOrdersForCustomer (@CustomerID INT)
RETURNS TABLE AS
BEGIN
DECLARE @customerOrders TABLE (
CustomerID INT,
OrderDate DATETIME
);
INSERT INTO @customerOrders
SELECT CustomerID, OrderDate
FROM Orders
WHERE CustomerID = @CustomerID;
RETURN @customerOrders;
END;
この例では、@customerOrders
という名前のテーブル変数を宣言しています。この変数は、CustomerID
列とOrderDate
列を持つテーブル型です。変数は、INSERT
ステートメントを使用して、Orders
テーブルからデータで初期化されます。
変数のスコープ
テーブル値関数内で宣言された変数は、その関数内でのみ使用できます。関数の外部からは参照できません。
変数の使用
テーブル値関数内で宣言された変数は、関数の処理の中で自由に使用できます。例えば、変数を使用して、クエリ結果をフィルタリングしたり、新しいデータ行を生成したりすることができます。
次の例は、GetOrdersForCustomer
関数を変更して、指定された日付以降に注文された注文のみを返します。
CREATE FUNCTION dbo.GetOrdersForCustomer (@CustomerID INT, @OrderDate DATETIME)
RETURNS TABLE AS
BEGIN
DECLARE @customerOrders TABLE (
CustomerID INT,
OrderDate DATETIME
);
INSERT INTO @customerOrders
SELECT CustomerID, OrderDate
FROM Orders
WHERE CustomerID = @CustomerID
AND OrderDate >= @OrderDate;
RETURN @customerOrders;
END;
この例では、@OrderDate
という名前の新しい入力パラメータが追加されています。このパラメータは、関数が使用する日付を指定するために使用されます。
関数の処理の中で、@OrderDate
パラメータを使用してWHERE
句をフィルタリングすることで、指定された日付以降に注文された注文のみが@customerOrders
テーブルに挿入されます。
SQL Serverでテーブル値関数の変数を宣言することは、関数の処理をより柔軟かつ効率的に行うために役立ちます。変数を使用して、クエリ結果をフィルタリングしたり、新しいデータ行を生成したりすることができます。
@CustomerID
: 関数でフィルタリングする顧客ID@OrderDate
: 関数でフィルタリングする注文日
この関数は、CustomerID
とOrderDate
が一致する注文を含むテーブルを返します。
CREATE FUNCTION dbo.GetOrdersForCustomerAndOrderDate (@CustomerID INT, @OrderDate DATETIME)
RETURNS TABLE AS
BEGIN
DECLARE @customerOrders TABLE (
CustomerID INT,
OrderDate DATETIME,
OrderID INT
);
INSERT INTO @customerOrders
SELECT CustomerID, OrderDate, OrderID
FROM Orders
WHERE CustomerID = @CustomerID
AND OrderDate >= @OrderDate;
RETURN @customerOrders;
END;
使用方法
この関数は次のように使用できます。
SELECT *
FROM dbo.GetOrdersForCustomerAndOrderDate(123, '2023-01-01');
このクエリは、CustomerID
が123で、OrderDate
が2023年1月1日以降のすべての注文を返します。
説明
この関数は、次の手順で処理を実行します。
@customerOrders
という名前のテーブル変数を宣言します。この変数は、CustomerID
、OrderDate
、およびOrderID
の3つの列を持つテーブル型です。CustomerID
とOrderDate
が一致する注文を@customerOrders
テーブルに挿入します。@customerOrders
テーブルを返します。
利点
テーブル値関数を使用する利点は次のとおりです。
- 再利用性: 複雑なクエリをカプセル化して、他のクエリで使用することができます。
- 可読性: コードをより読みやすく、理解しやすくすることができます。
- 保守性: コードをより保守しやすくすることができます。
これが最も一般的で推奨される方法です。この方法では、変数名、データ型、およびオプションで初期値を指定できます。
DECLARE @variable_name data_type [= initial_value];
CREATE FUNCTION dbo.GetOrdersForCustomer (@CustomerID INT)
RETURNS TABLE AS
BEGIN
DECLARE @customerOrders TABLE (
CustomerID INT,
OrderDate DATETIME
);
INSERT INTO @customerOrders
SELECT CustomerID, OrderDate
FROM Orders
WHERE CustomerID = @CustomerID;
RETURN @customerOrders;
END;
SELECTステートメントのINTO句を使用する
この方法は、DECLARE
ステートメントよりも簡潔ですが、変数に初期値を指定することはできません。
SELECT *
INTO @variable_name
FROM query;
CREATE FUNCTION dbo.GetOrdersForCustomer (@CustomerID INT)
RETURNS TABLE AS
BEGIN
SELECT CustomerID, OrderDate
INTO @customerOrders
FROM Orders
WHERE CustomerID = @CustomerID;
RETURN @customerOrders;
END;
どちらの方法を選択すべきか?
一般的に、DECLARE
ステートメントを使用することをお勧めします。これは、変数に関するより多くの制御と可読性を提供するためです。ただし、SELECT
ステートメントのINTO
句を使用すると、コードが簡潔になる場合があります。
- 変数は、テーブル値関数内でのみ使用できます。関数の外部からは参照できません。
- 変数のデータ型は、関数の戻り値のテーブル型の列のデータ型と一致する必要があります。
- 変数は、関数の実行中にのみ存在します。関数が返されると、変数は破棄されます。
sql-server function user-defined-functions