SQL Serverでビューとストアドプロシージャを組み合わせる:パラメータ化による柔軟なデータアクセス

2024-05-15

SQL Server でビューにパラメータを渡すことができるのか?

ビューとストアドプロシージャの併用

最も一般的な方法は、ビューとストアドプロシージャを組み合わせる方法です。

  1. ビューを作成し、必要な列を定義します。
  2. ストアドプロシージャを作成し、ビューに渡すパラメータを定義します。
  3. ストアドプロシージャ内で、ビューをパラメータ値を使用してクエリします。
  4. アプリケーションからストアドプロシージャを呼び出し、パラメータ値を渡します。

この方法の利点は、次のとおりです。

  • パラメータ化による柔軟性と再利用性を提供します。
  • ビューのロジックをカプセル化し、複雑さを隠すことができます。
  • ストアドプロシージャでセキュリティチェックや監査ロジックを実装できます。

欠点としては、ストアドプロシージャとビューの両方を作成および管理する必要がある点が挙げられます。

仮想テーブル

SQL Server 2016以降では、仮想テーブルを使用してパラメータ化を実現できます。仮想テーブルは、基になるテーブルまたはビューからデータを動的に返す特殊な種類のテーブルです。

仮想テーブルを作成するには、次の構文を使用します。

CREATE TABLE [schema_name].[table_name]
WITH (
  PROVIDER_NAME = N'Microsoft.SQLServer.VirtualTableProvider',
  PROVIDER_OPTIONS = N'{ "ViewName": "schema_name.view_name", "Parameters": [{ "Name": "parameter_name", "DataType": "data_type" }] }'
)
AS SELECT * FROM [schema_name].[view_name]
WHERE [predicate];

この方法の利点は、ストアドプロシージャを作成する必要がないことです。欠点としては、仮想テーブルがすべてのバージョンの SQL Serverでサポートされているわけではない点が挙げられます。

ビューと動的 SQL の併用

動的 SQL を使用して、ビューにパラメータ値を埋め込むこともできます。これは、複雑なクエリや非定型的なクエリに適しています。

動的 SQL を使用する手順は次のとおりです。

  1. ビューの定義を作成します。

この方法の利点は、柔軟性と汎用性が高いことです。欠点としては、複雑でエラーが発生しやすい可能性がある点が挙げられます。

最適な方法は、要件によって異なります。

  • シンプルさと使いやすさを重視する場合は、ビューとストアドプロシージャの併用がおすすめです。
  • ストアドプロシージャのロジックを回避したい場合は、仮想テーブルがおすすめです。
  • 複雑なクエリや非定型的なクエリが必要な場合は、ビューと動的 SQL の併用がおすすめです。

上記に加えて、SQL Server 2022では、パラメータ化ビューと呼ばれる新しい機能が導入されました。パラメータ化ビューは、ビューに直接パラメータを渡すことができる新しいタイプのビューです。ただし、パラメータ化ビューは現在プレビュー版であり、すべてのバージョンの SQL Serverでサポートされているわけではありません。




SQL Serverでビューにパラメータを渡すサンプルコード

ビューの作成

CREATE VIEW dbo.CustomerOrders AS
SELECT
    c.CustomerID,
    c.CompanyName,
    o.OrderID,
    o.OrderDate,
    od.ProductID,
    p.ProductName,
    od.Quantity,
    od.UnitPrice
FROM
    Customers c
INNER JOIN
    Orders o ON c.CustomerID = o.CustomerID
INNER JOIN
    OrderDetails od ON o.OrderID = od.OrderID
INNER JOIN
    Products p ON od.ProductID = p.ProductID;
CREATE PROCEDURE dbo.GetCustomerOrders
    @CustomerID INT
AS
BEGIN
    SELECT *
    FROM dbo.CustomerOrders
    WHERE CustomerID = @CustomerID;
END;
CALL dbo.GetCustomerOrders(@CustomerID = 123);
CREATE TABLE dbo.CustomerOrdersVirtual
WITH (
  PROVIDER_NAME = N'Microsoft.SQLServer.VirtualTableProvider',
  PROVIDER_OPTIONS = N'{ "ViewName": "dbo.CustomerOrders", "Parameters": [{ "Name": "CustomerID", "DataType": "int" }] }'
)
AS SELECT *
FROM dbo.CustomerOrders
WHERE CustomerID = @CustomerID;
SELECT *
FROM dbo.CustomerOrdersVirtual
WHERE CustomerID = 123;
DECLARE @sql NVARCHAR(MAX);

SET @sql = N'
SELECT *
FROM dbo.CustomerOrders
WHERE CustomerID = @CustomerID;
';

EXEC sp_executesql @sql, N'@CustomerID INT', @CustomerID = 123;

このコード例はあくまでも参考であり、具体的な要件に合わせて調整する必要があることに注意してください。

パラメータ化ビューを使用する場合は、次のコードを使用できます。

CREATE PARAMETERIZED VIEW dbo.CustomerOrdersParameterized
(
    @CustomerID INT
)
AS
SELECT
    c.CustomerID,
    c.CompanyName,
    o.OrderID,
    o.OrderDate,
    od.ProductID,
    p.ProductName,
    od.Quantity,
    od.UnitPrice
FROM
    Customers c
INNER JOIN
    Orders o ON c.CustomerID = o.CustomerID
INNER JOIN
    OrderDetails od ON o.OrderID = od.OrderID
INNER JOIN
    Products p ON od.ProductID = p.ProductID
WHERE
    c.CustomerID = @CustomerID;

このビューをクエリするには、次のコードを使用します。

SELECT *
FROM dbo.CustomerOrdersParameterized(@CustomerID = 123);



SQL Server でビューにパラメータを渡すその他の方法

ビューのフィルター条件にパラメータを使用する

ビューを作成する際に、WHERE 句にパラメータを使用することができます。これにより、ビューを呼び出すときに、結果をフィルタリングすることができます。

CREATE VIEW dbo.CustomerOrdersFiltered
AS
SELECT
    c.CustomerID,
    c.CompanyName,
    o.OrderID,
    o.OrderDate,
    od.ProductID,
    p.ProductName,
    od.Quantity,
    od.UnitPrice
FROM
    Customers c
INNER JOIN
    Orders o ON c.CustomerID = o.CustomerID
INNER JOIN
    OrderDetails od ON o.OrderID = od.OrderID
INNER JOIN
    Products p ON od.ProductID = p.ProductID
WHERE
    c.CustomerID = @CustomerID;
SELECT *
FROM dbo.CustomerOrdersFiltered(@CustomerID = 123);

ビューの定義内に一時テーブルを作成し、そのテーブルにパラメータ値を挿入してから、ビューをクエリすることができます。

CREATE VIEW dbo.CustomerOrdersWithTempTable
AS
WITH temp_orders AS (
    SELECT
        o.OrderID,
        o.OrderDate,
        od.ProductID,
        p.ProductName,
        od.Quantity,
        od.UnitPrice
    FROM
        Orders o
    INNER JOIN
        OrderDetails od ON o.OrderID = od.OrderID
    INNER JOIN
        Products p ON od.ProductID = p.ProductID
    WHERE
        o.CustomerID = @CustomerID
)
SELECT
    c.CustomerID,
    c.CompanyName,
    temp_orders.OrderID,
    temp_orders.OrderDate,
    temp_orders.ProductID,
    temp_orders.ProductName,
    temp_orders.Quantity,
    temp_orders.UnitPrice
FROM
    Customers c
INNER JOIN
    temp_orders ON c.CustomerID = temp_orders.CustomerID;
SELECT *
FROM dbo.CustomerOrdersWithTempTable(@CustomerID = 123);

ビューの定義にクロスアプライを使用する

ビューの定義内にCROSS APPLY を使用して、パラメータ値に基づいてテーブルを結合することができます。

CREATE VIEW dbo.CustomerOrdersWithCrossApply
AS
SELECT
    c.CustomerID,
    c.CompanyName,
    o.OrderID,
    o.OrderDate,
    od.ProductID,
    p.ProductName,
    od.Quantity,
    od.UnitPrice
FROM
    Customers c
CROSS APPLY
    (
        SELECT
            o.OrderID,
            o.OrderDate,
            od.ProductID,
            p.ProductName,
            od.Quantity,
            od.UnitPrice
        FROM
            Orders o
        INNER JOIN
            OrderDetails od ON o.OrderID = od.OrderID
        INNER JOIN
            Products p ON od.ProductID = p.ProductID
        WHERE
            o.CustomerID = c.CustomerID
    ) AS od;
SELECT *
FROM dbo.CustomerOrdersWithCrossApply;

これらの方法は、より複雑なシナリオで役立つ場合があります。ただし、一般的には、前述の方法はよりシンプルで効率的です。

最適な方法の選択

  • パラメータ値に基づいて結果をフィルタリングする必要がある場合は、ビューのフィルター条件にパラメータを使用します。
  • ビューの定義内に一時テーブルを使用する必要がある場合は、パフォーマンスを向上させるために使用できます。

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