ストアドプロシージャの存在確認と作成のコード例解説

2024-09-03

Stored Procedureの存在確認と作成

前提:

  • SQL Serverを使用している。
  • T-SQL (Transact-SQL)で記述されたストアドプロシージャを扱う。

手順:

  1. システムストアドプロシージャ sp_helptext を使用する:

    • このプロシージャは、指定されたオブジェクトのテキスト定義を取得します。
    • 存在しないオブジェクトを指定すると、エラーメッセージが返されます。
    DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';
    
    BEGIN TRY
        EXEC sp_helptext @procName;
        PRINT 'Stored procedure already exists.';
    END TRY
    BEGIN CATCH
        IF ERROR_MESSAGE() LIKE '%Invalid object name%'
            BEGIN
                -- ストアドプロシージャが存在しない場合、ここで作成する
                PRINT 'Creating stored procedure...';
                -- ストアドプロシージャの作成コードをここに記述
            END
    END CATCH
    
  2. OBJECT_ID 関数を使用:

    • この関数は、指定されたオブジェクトのオブジェクトIDを返します。
    • 存在しないオブジェクトの場合、NULL を返します。
    DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';
    
    IF OBJECT_ID(@procName) IS NOT NULL
        BEGIN
            PRINT 'Stored procedure already exists.';
        END
    ELSE
        BEGIN
            -- ストアドプロシージャが存在しない場合、ここで作成する
            PRINT 'Creating stored procedure...';
            -- ストアドプロシージャの作成コードをここに記述
        END
    
  • ストアドプロシージャ名の比較は、大文字小文字を区別します。
  • 複数のデータベースを使用している場合は、データベース名を指定する必要があります。
  • ストアドプロシージャの作成コードは、それぞれの要件に合わせて記述してください。

例:

DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'MyNewProcedure';

IF OBJECT_ID(@procName) IS NOT NULL
    BEGIN
        PRINT 'Stored procedure already exists.';
    END
ELSE
    BEGIN
        PRINT 'Creating stored procedure...';
        EXEC sp_executesql N'
            CREATE PROCEDURE ' + @procName + N'
            AS
            BEGIN
                -- ストアドプロシージャの処理をここに記述
            END
        ';
    END



ストアドプロシージャの存在確認と作成のコード例解説

コード例1: sp_helptext を使用する例

DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';

BEGIN TRY
    EXEC sp_helptext @procName;
    PRINT 'Stored procedure already exists.';
END TRY
BEGIN CATCH
    IF ERROR_MESSAGE() LIKE '%Invalid object name%'
        BEGIN
            -- ストアドプロシージャが存在しない場合、ここで作成する
            PRINT 'Creating stored procedure...';
            -- ストアドプロシージャの作成コードをここに記述
        END
END CATCH
  • DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';: 確認したいストアドプロシージャ名を@procName変数に格納します。
  • BEGIN TRY ... END TRY: sp_helptextの実行を試みます。
  • EXEC sp_helptext @procName;: 指定したストアドプロシージャのテキスト定義を取得しようとします。存在すれば正常に実行され、END TRYに進みます。
  • BEGIN CATCH ... END CATCH: sp_helptextの実行中にエラーが発生した場合、このブロックに処理が移ります。
  • IF ERROR_MESSAGE() LIKE '%Invalid object name%': エラーメッセージが"Invalid object name"を含む場合、ストアドプロシージャが存在しないと判断します。
  • PRINT 'Creating stored procedure...': ストアドプロシージャを作成する旨を表示します。
  • -- ストアドプロシージャの作成コードをここに記述: 実際にストアドプロシージャを作成するSQL文を記述する箇所です。

コード例2: OBJECT_ID 関数を使用する例

DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';

IF OBJECT_ID(@procName) IS NOT NULL
    BEGIN
        PRINT 'Stored procedure already exists.';
    END
ELSE
    BEGIN
        -- ストアドプロシージャが存在しない場合、ここで作成する
        PRINT 'Creating stored procedure...';
        -- ストアドプロシージャの作成コードをここに記述
    END
  • OBJECT_ID(@procName): 指定したストアドプロシージャのオブジェクトIDを取得します。存在しない場合はNULLを返します。
  • IF OBJECT_ID(@procName) IS NOT NULL: オブジェクトIDがNULLでない(つまり、ストアドプロシージャが存在する)場合、THENブロックの処理を実行します。
  • ELSE: オブジェクトIDがNULLの場合(つまり、ストアドプロシージャが存在しない)場合、ELSEブロックの処理を実行します。

両者の違いと選択

  • sp_helptext: ストアドプロシージャのテキスト定義を取得するため、より詳細な情報を得ることができます。ただし、エラー処理が少し複雑になります。
  • OBJECT_ID: オブジェクトIDのみを取得するため、シンプルで高速です。存在確認だけに特化したい場合に適しています。

どちらを使用するかは、以下の点などを考慮して決定します。

  • パフォーマンス: シンプルな存在確認であればOBJECT_IDの方が高速です。
  • エラー処理: sp_helptextはエラー処理が少し複雑ですが、より詳細なエラー情報を取得できます。
  • 動的SQL: sp_executesqlを使用して、ストアドプロシージャ名を動的に指定することができます。
  • スキーマ: 複数のスキーマを使用している場合は、スキーマ名を指定する必要があります。
  • ケースセンシティブ: ストアドプロシージャ名は、データベースの設定によっては大小文字を区別する場合があります。

どちらのコード例も、ストアドプロシージャの存在確認と作成を行うための基本的なパターンです。実際の開発では、プロジェクトの要件や環境に合わせて適宜修正してください。

ポイント:

  • 存在確認: sp_helptextまたはOBJECT_IDを使用して、ストアドプロシージャが存在するか確認する。
  • 作成: 存在しない場合、CREATE PROCEDURE文を使用してストアドプロシージャを作成する。
  • エラー処理: TRY...CATCHブロックを使用して、エラー発生時の処理を記述する。



システムビュー INFORMATION_SCHEMA.ROUTINES を利用する

  • 特徴:
    • 柔軟な条件で検索が可能。
DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';

IF EXISTS (
    SELECT *
    FROM INFORMATION_SCHEMA.ROUTINES
    WHERE ROUTINE_NAME = @procName
      AND ROUTINE_TYPE = 'PROCEDURE'
)
BEGIN
    PRINT 'Stored procedure already exists.';
END
ELSE
BEGIN
    -- ストアドプロシージャを作成
END
  • メリット:
  • デメリット:

動的SQLとsp_executesql を利用する

  • 特徴:
    • ストアドプロシージャ名を動的に生成し、実行できる。
    • 複雑な条件での検索や、複数のデータベースオブジェクトの処理に適している。
DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';
DECLARE @sql NVARCHAR(MAX);

SET @sql = N'IF EXISTS (SELECT * FROM sys.procedures WHERE name = ''' + @procName + ''')
            BEGIN
                PRINT ''Stored procedure already exists.'';
            END
            ELSE
            BEGIN
                -- ストアドプロシージャを作成
            END';

EXEC sp_executesql @sql;
  • メリット:
  • デメリット:

XML DML を利用する

  • 特徴:
    • XML形式でメタデータを操作できる。
    • 複雑な構造のデータを扱う場合に有効。
DECLARE @procName NVARCHAR(128) = 'YourStoredProcedureName';

DECLARE @xml XML;
SET @xml = (SELECT * FROM sys.procedures WHERE name = @procName FOR XML AUTO);

IF @xml.exist('//row') = 1
BEGIN
    PRINT 'Stored procedure already exists.';
END
ELSE
BEGIN
    -- ストアドプロシージャを作成
END
  • メリット:
  • デメリット:
    • 複雑な処理になりがち。

選択のポイント

  • シンプルさ: OBJECT_ID関数はシンプルで高速。
  • 柔軟性: INFORMATION_SCHEMA.ROUTINESや動的SQLは、より柔軟な検索が可能。
  • パフォーマンス: 処理速度を重視する場合は、インデックスを作成したり、クエリを最適化する必要がある。
  • セキュリティ: 動的SQLを使用する場合は、SQLインジェクション対策を徹底する。

どの方法を選択するかは、以下の要素によって異なります。

  • 目的: ストアドプロシージャの存在確認のみか、詳細なメタデータの取得もしたいか。
  • パフォーマンス: 処理速度が重要か。
  • 複雑さ: 処理が複雑か、シンプルか。
  • 環境: 使用しているSQL Serverのバージョンや設定。

sql sql-server t-sql



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