SQL で NULL を末尾にソートする方法(SQLite)
SQLiteでNULLを末尾にソートする方法
SQLiteでは、バージョン3.30.0以降でNULLS FIRST
とNULLS LAST
という句をORDER BY
句に追加することで、NULL値のソート順序を指定できるようになりました。この機能により、昇順ソート時にNULL値が最初に表示され、降順ソート時にNULL値が最後に表示されるようになります。
従来の方法
SQLiteのバージョン3.30.0以前では、NULL値のソート順序を制御するには、CASE式を使用する必要がありました。この方法は、次のように記述できます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY CASE WHEN your_column IS NULL THEN 1 ELSE 0 END, your_column;
このクエリは、your_column
列にNULL値がある場合は1、そうでない場合は0という値を生成し、その値とyour_column
列を基準に昇順ソートします。
NULLS FIRST/LAST句を使用する方法
SQLiteバージョン3.30.0以降では、NULLS FIRST/LAST句を使用することで、CASE式を使用せずにNULL値のソート順序を指定できます。この方法は、次のように記述できます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY your_column NULLS LAST;
このクエリは、your_column
列を降順ソートし、NULL値を末尾に表示します。
昇順ソートの場合は、次のように記述できます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY your_column NULLS FIRST;
補足
- NULLS FIRST/LAST句は、
ORDER BY
句の任意の位置に指定できます。 - NULLS FIRST/LAST句は、複数の列をソートする場合にも使用できます。
例
次の表は、name
列にNULL値を含むデータセットを示しています。
id | name |
---|---|
1 | Alice |
2 | Bob |
3 | Charlie |
4 | |
5 | David |
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY name NULLS FIRST;
このクエリは以下の結果を返します。
id | name |
---|---|
4 | |
1 | Alice |
2 | Bob |
3 | Charlie |
5 | David |
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY name NULLS LAST;
id | name |
---|---|
5 | David |
3 | Charlie |
2 | Bob |
1 | Alice |
4 |
NULL値を末尾にソートする
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY your_column NULLS LAST;
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY your_column NULLS FIRST;
複数の列をソートする
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY your_column1 NULLS LAST, your_column2;
CASE式を使用する
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY CASE WHEN your_column IS NULL THEN 1 ELSE 0 END, your_column;
id | name |
---|---|
1 | Alice |
2 | Bob |
3 | Charlie |
4 | |
5 | David |
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY name NULLS LAST;
id | name |
---|---|
5 | David |
3 | Charlie |
2 | Bob |
1 | Alice |
4 |
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY name NULLS FIRST;
id | name |
---|---|
4 | |
1 | Alice |
2 | Bob |
3 | Charlie |
5 | David |
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY age NULLS LAST, name;
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY CASE WHEN age IS NULL THEN 1 ELSE 0 END, age, name;
NULL のソート方法:代替方法と高度なテクニック
従来の ORDER BY NULLS FIRST/LAST
句に加えて、SQLite で NULL のソート順序を制御するための代替方法と高度なテクニックをいくつか紹介します。
COALESCE()
関数は、引数リストの最初の非 NULL 値を返します。これを ORDER BY
句で使用すると、NULL 値を末尾にソートできます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY COALESCE(your_column, 999999);
このクエリは、your_column
列に NULL 値がある場合は 999999 を返し、そうでない場合は your_column
列の値を返します。次に、この値を基準に降順ソートします。昇順ソートするには、ORDER BY COALESCE(your_column, -999999) ASC
のように、ASC
キーワードを追加します。
CASE 式を使用して、NULL 値を数値に変換してからソートできます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY CASE WHEN your_column IS NULL THEN 1000000 ELSE your_column END;
ウィンドウ関数を使用する
SQLite バージョン 3.31.0 以降では、ウィンドウ関数を使用して、より高度な方法で NULL のソート順序を制御できます。
SELECT *
FROM your_table
ORDER BY ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY your_column ORDER BY your_column NULLS LAST);
このクエリは、your_column
列ごとにパーティション分割し、各パーティション内で your_column
列を NULLS LAST でソートします。次に、各行に ROW_NUMBER()
関数によって割り当てられた行番号でソートします。
サブクエリを使用して、your_column
列の値と NULL 値のインジケーターを生成し、その結果を ORDER BY
句で使用できます。
SELECT *
FROM your_table t
ORDER BY (
SELECT CASE WHEN t.your_column IS NULL THEN 1 ELSE 0 END,
t.your_column
FROM your_table
ORDER BY your_column NULLS LAST
);
このクエリは、まず your_column
列に NULL 値がある場合は 1 を返し、そうでない場合は 0 を返すサブクエリを実行します。次に、この結果と your_column
列の値を ORDER BY
句で使用して、NULL 値を末尾にソートします。
高度なテクニック
上記の方法は、基本的なものから高度なものまで、さまざまな NULL ソートテクニックを示しています。最適な方法は、特定のデータセットと要件によって異なります。
- 大規模なデータセットを扱う場合は、
COALESCE()
関数や CASE 式を使用する方が、ウィンドウ関数を使用するよりも効率的である可能性があります。 - より複雑なソート順序が必要な場合は、サブクエリを使用すると柔軟性を高めることができます。
- パフォーマンスが重要な場合は、クエリの実行計画を分析して、最適な方法を選択することが重要です。
SQLite には、NULL のソート順序を制御するためのさまざまな方法があります。最適な方法は、特定の状況によって異なります。今回紹介した代替方法と高度なテクニックを理解することで、ニーズに合った効率的で効果的なソリューションを選択することができます。
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