ON UPDATE CASCADE 以外の方法: ON UPDATE SET NULL とトリガー

2024-04-02

SQL 外部キー ON UPDATE CASCADE の詳細解説

SQL の外部キー制約における ON UPDATE CASCADE は、親テーブルの参照値更新に伴い、子テーブルの関連する値を自動的に更新する機能です。データの整合性を維持する上で役立ちますが、誤った更新にも繋がるため、適切な状況で利用することが重要です。

ON UPDATE CASCADE の動作

例:

  • 親テーブル Customers (顧客情報)
    • カラム: customer_id (主キー)

親テーブルの値更新

Customers テーブルで customer_id 1 の顧客名を "山田太郎" から "佐藤花子" に変更した場合、ON UPDATE CASCADE が設定されていれば、Orders テーブルで customer_id 1 の注文情報も自動的に "佐藤花子" に更新されます。

子テーブルの参照値制約

Orders テーブルに customer_id 2 の注文情報が存在し、Customers テーブルに customer_id 2 の顧客情報が存在しない場合、ON UPDATE CASCADE はエラーとなり、親テーブルの更新は実行されません。

顧客情報更新時の自動反映

顧客情報の変更を反映するため、全ての注文情報も自動的に更新したい場合に有効です。

データ整合性の維持

親テーブルと子テーブルの関連性を常に一致させることで、データの整合性を維持できます。

誤更新の可能性

意図せず子テーブルのデータが更新される可能性があるため、設定には注意が必要です。

複雑なデータ構造の場合、予期せぬ更新が発生する可能性があります。

ON UPDATE SET NULL

子テーブルの関連値を NULL に設定します。

トリガーによる制御

更新処理をトリガーで制御し、複雑なロジックにも対応できます。

結論




-- テーブル作成

CREATE TABLE Customers (
  customer_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL
);

CREATE TABLE Orders (
  order_id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
  customer_id INT NOT NULL,
  FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES Customers (customer_id) ON UPDATE CASCADE
);

-- データ挿入

INSERT INTO Customers (name) VALUES ('山田太郎');
INSERT INTO Orders (customer_id) VALUES (1);

-- 親テーブルの値更新

UPDATE Customers SET name = '佐藤花子' WHERE customer_id = 1;

-- 子テーブルの値確認

SELECT * FROM Orders;

-- 結果

order_id | customer_id | name
------- | -------- | --------
1       | 1        | 佐藤花子
  1. CustomersOrders テーブルを作成します。
  2. Orders テーブルの customer_id カラムに ON UPDATE CASCADE を設定します。
  3. Customers テーブルの顧客名を更新します。
  4. Orders テーブルを確認すると、顧客名が自動的に更新されていることを確認できます。

注意事項

  • 上記コードはあくまでサンプルです。実際の運用環境に合わせて変更してください。



ON UPDATE CASCADE 以外の方法

子テーブルの関連値を NULL に設定します。親テーブルの値更新によって子テーブルの関連性が不明確になる場合に有効です。

ALTER TABLE Orders
  ALTER COLUMN customer_id
  SET DEFAULT NULL
  REFERENCES Customers (customer_id)
  ON UPDATE SET NULL;
CREATE TRIGGER update_order_customer
BEFORE UPDATE ON Customers
FOR EACH ROW
BEGIN
  IF NEW.name != OLD.name THEN
    UPDATE Orders
    SET customer_id = NULL
    WHERE customer_id = OLD.customer_id;
  END IF;
END;

アプリケーション側で更新処理を制御することで、より柔軟な対応が可能です。

状況に応じた方法選択

上記の各方法にはそれぞれメリットとデメリットがあります。状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。


sql foreign-keys


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