カスケードとトリガー、ストアドプロシージャ、アプリケーションコードの比較

2024-07-27

SQL Serverでカスケードを使用するタイミングと理由

カスケードを使用するタイミング

カスケードは、以下の状況で特に役立ちます。

  • 親子関係が明確に定義されている場合
  • データの整合性を維持することが重要な場合
  • 複雑なトリガーやストアドプロシージャを作成せずに、参照整合性を維持したい場合

カスケードを使用する理由

カスケードを使用する主な理由は以下の3つです。

  • データの整合性を保証する
  • 開発時間を短縮する
  • コードの複雑さを軽減する

カスケードの種類

SQL Serverでは、以下の2種類のカスケードがあります。

  • ON DELETE CASCADE

ON DELETE CASCADEは、親テーブルのレコードが削除されると、関連する子テーブルのレコードも自動的に削除されることを指定します。

例:

CREATE TABLE dbo.Parents (
    Id INT PRIMARY KEY,
    Name VARCHAR(50)
);

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id)
    ON DELETE CASCADE
);

上記の例では、dbo.Parentsテーブルのレコードが削除されると、dbo.Childrenテーブルの関連するレコードも自動的に削除されます。

CREATE TABLE dbo.Parents (
    Id INT PRIMARY KEY,
    Name VARCHAR(50)
);

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id)
    ON UPDATE CASCADE
);

カスケードを使用する際の注意点

カスケードを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • データ損失のリスクがある
  • 意図しない更新や削除が発生する可能性がある
  • パフォーマンスの問題が発生する可能性がある
  • データの整合性を維持するために本当にカスケードが必要かどうか
  • カスケードを使用した場合のリスク
  • カスケードを使用した場合のパフォーマンスへの影響



-- データベースを作成
CREATE DATABASE CascadingExample;

-- テーブルを作成
USE CascadingExample;

CREATE TABLE dbo.Parents (
    Id INT PRIMARY KEY,
    Name VARCHAR(50)
);

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id)
    ON DELETE CASCADE
);

-- データを挿入
INSERT INTO dbo.Parents (Name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO dbo.Children (ParentId) VALUES (1);

-- 親テーブルのレコードを削除
DELETE FROM dbo.Parents WHERE Id = 1;

-- 子テーブルのレコードを確認
SELECT * FROM dbo.Children;

-- 結果: 空のテーブル
-- データベースを作成
CREATE DATABASE CascadingExample;

-- テーブルを作成
USE CascadingExample;

CREATE TABLE dbo.Parents (
    Id INT PRIMARY KEY,
    Name VARCHAR(50)
);

CREATE TABLE dbo.Children (
    Id INT PRIMARY KEY,
    ParentId INT FOREIGN KEY REFERENCES dbo.Parents(Id)
    ON UPDATE CASCADE
);

-- データを挿入
INSERT INTO dbo.Parents (Name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO dbo.Children (ParentId) VALUES (1);

-- 親テーブルのレコードを更新
UPDATE dbo.Parents SET Name = 'Jane Doe' WHERE Id = 1;

-- 子テーブルのレコードを確認
SELECT * FROM dbo.Children;

-- 結果: ParentId = 1
  • ON DELETE CASCADEON UPDATE CASCADEを同時に使用
  • 複数のテーブルにカスケードを設定



SQL Serverで参照整合性を維持する他の方法

トリガーを使用する

トリガーは、データベース内のデータが変更されたときに実行されるコードです。トリガーを使用して、親テーブルのレコードが変更または削除されたときに、関連する子テーブルのレコードを自動的に更新または削除することができます。

CREATE TRIGGER tr_DeleteChild
ON dbo.Parents
AFTER DELETE
AS
BEGIN
    DELETE FROM dbo.Children
    WHERE ParentId = DELETED.Id;
END;

上記の例では、Parentsテーブルのレコードが削除されると、tr_DeleteChildトリガーが実行され、関連するChildrenテーブルのレコードも削除されます。

ストアドプロシージャを使用する

ストアドプロシージャは、データベース内で実行できる一連のSQLステートメントです。ストアドプロシージャを使用して、親テーブルのレコードが変更または削除されたときに、関連する子テーブルのレコードを自動的に更新または削除することができます。

CREATE PROCEDURE sp_DeleteParent
@ParentId INT
AS
BEGIN
    DELETE FROM dbo.Children
    WHERE ParentId = @ParentId;

    DELETE FROM dbo.Parents
    WHERE Id = @ParentId;
END;

上記の例では、sp_DeleteParentストアドプロシージャは、Parentsテーブルのレコードを削除し、関連するChildrenテーブルのレコードも削除します。

アプリケーションコードを使用する

アプリケーションコードを使用して、親テーブルのレコードが変更または削除されたときに、関連する子テーブルのレコードを自動的に更新または削除することができます。

// C#

public void DeleteParent(int parentId)
{
    using (var connection = new SqlConnection("..."))
    {
        connection.Open();

        var cmd = new SqlCommand("DELETE FROM dbo.Children WHERE ParentId = @ParentId", connection);
        cmd.Parameters.AddWithValue("@ParentId", parentId);
        cmd.ExecuteNonQuery();

        cmd.CommandText = "DELETE FROM dbo.Parents WHERE Id = @ParentId";
        cmd.ExecuteNonQuery();
    }
}

どの方法を使用するか

どの方法を使用するかは、要件と環境によって異なります。

  • カスケードは、最も簡単で効率的な方法ですが、データ損失のリスクがあります。
  • トリガーは、より柔軟な方法ですが、複雑になる可能性があります。
  • ストアドプロシージャは、トリガーよりも効率的で、コードの再利用性も高くなります。
  • アプリケーションコードは、最も柔軟な方法ですが、開発コストが高くなります。

sql-server database-design foreign-keys



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