PostgreSQLチュートリアル:ON DELETE CASCADE制約の追加と動作確認

2024-04-02

PostgreSQLでは、「ON DELETE CASCADE」制約を使用して、親テーブルのレコードが削除された際に、関連する子テーブルのレコードを自動的に削除することができます。これは、データの整合性を保ち、意図しないデータ損失を防ぐために役立ちます。

手順

外部キー制約の追加

まず、子テーブルに親テーブルを参照する外部キー制約を作成する必要があります。

CREATE TABLE child_table (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  parent_id INTEGER REFERENCES parent_table(id)
);

ON DELETE CASCADE オプションの追加

次に、REFERENCES 句に ON DELETE CASCADE オプションを追加します。

CREATE TABLE child_table (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  parent_id INTEGER REFERENCES parent_table(id) ON DELETE CASCADE
);

動作確認

親テーブルからレコードを削除すると、関連する子テーブルのレコードも自動的に削除されます。

-- 親テーブルのレコードを挿入
INSERT INTO parent_table (name) VALUES ('parent_1');

-- 子テーブルのレコードを挿入
INSERT INTO child_table (parent_id) VALUES (1);

-- 親テーブルのレコードを削除
DELETE FROM parent_table WHERE name = 'parent_1';

-- 子テーブルのレコードが削除されていることを確認
SELECT * FROM child_table;

補足

  • ON DELETE CASCADE オプションは、親テーブルと子テーブル間に親子関係が存在する必要があることに注意してください。
  • ON DELETE CASCADE オプションを使用すると、意図しないデータ損失が発生する可能性があります。使用前に、アプリケーションの要件を慎重に検討する必要があります。
  • ON DELETE CASCADE オプションの代わりに、ON DELETE RESTRICT オプションを使用することもできます。このオプションは、親テーブルのレコードが削除されると、関連する子テーブルのレコードの削除を阻止します。



-- テーブル作成
CREATE TABLE parent_table (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

CREATE TABLE child_table (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  parent_id INTEGER REFERENCES parent_table(id) ON DELETE CASCADE
);

-- データ挿入
INSERT INTO parent_table (name) VALUES ('親レコード1'), ('親レコード2');
INSERT INTO child_table (parent_id) VALUES (1), (1), (2);

-- 親レコード1を削除
DELETE FROM parent_table WHERE id = 1;

-- 子レコードを確認
SELECT * FROM child_table;

-- 結果:
-- id | parent_id
-- --- | ---
-- 2 | 2

ON DELETE CASCADE オプションにより、parent_table から id=1 のレコードを削除すると、child_table から parent_id=1 のレコードも自動的に削除されます。




PostgreSQLで「ON DELETE CASCADE」制約の代替方法

トリガーを使用して、親テーブルのレコードが削除された際に、関連する子テーブルのレコードを削除することができます。

利点

  • より柔軟な制御が可能
  • 複雑なロジックを実装できる

欠点

  • 実装が複雑
  • パフォーマンスの低下

CREATE TRIGGER delete_child_on_parent_delete
AFTER DELETE ON parent_table
FOR EACH ROW
BEGIN
  DELETE FROM child_table WHERE parent_id = OLD.id;
END;

外部キー制約を無効にしてから、親テーブルと子テーブルのレコードを個別に削除することができます。

  • 実装が簡単
  • データの整合性が損なわれる可能性がある
ALTER TABLE child_table
  DISABLE CONSTRAINT fk_child_parent;

DELETE FROM parent_table WHERE id = 1;
DELETE FROM child_table WHERE parent_id = 1;

ALTER TABLE child_table
  ENABLE CONSTRAINT fk_child_parent;

アプリケーションロジックを使用して、親テーブルと子テーブルのレコードを削除することができます。

  • アプリケーションロジックと統合しやすい
  • コードの冗長性が増す
def delete_parent_and_child(parent_id):
  # 親テーブルのレコードを削除
  delete_from_parent_table(parent_id)

  # 子テーブルのレコードを削除
  delete_from_child_table(parent_id)

# 親レコード1を削除
delete_parent_and_child(1)

postgresql constraints cascade


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