PostgreSQLで外部キー制約を持つ行の削除を厳格に制御!ON DELETE RESTRICTとON DELETE SET NULL

2024-04-24

PostgreSQLで外部キーを持つ行を削除する方法

カスケード削除を使用する

最も簡単な方法は、CASCADE オプションを使用して外部キー制約を作成することです。これにより、親テーブルの行が削除されると、参照している子テーブルの行も自動的に削除されます。

CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id)
);

CREATE TABLE customers (
  customer_id serial PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

上記の例では、orders テーブルの customer_id 列は、customers テーブルの customer_id 列を参照する外部キー制約です。 CASCADE オプションが指定されているため、customers テーブルから顧客レコードを削除すると、それに関連するすべての注文レコードも自動的に削除されます。

利点:

  • シンプルで使いやすい
  • 参照整合性を自動的に維持する

予期せぬ削除が発生する可能性があるため、注意が必要です。

DELETE 構文を使用して、外部キーを持つ行を明示的に削除することもできます。ただし、この方法を使用する場合は、参照整合性エラーが発生しないように、子テーブルから親テーブルへの参照を先に削除する必要があります。

DELETE FROM orders
WHERE customer_id = 123;

DELETE FROM customers
WHERE customer_id = 123;

上記の例では、orders テーブルから顧客 ID 123 に関連するすべての注文レコードが最初に削除されます。その後、customers テーブルから顧客 ID 123 のレコードが削除されます。この順序で削除しないと、customers テーブルを削除しようとしたときに参照整合性エラーが発生します。

  • 削除する行をより細かく制御できます。
  • CASCADE を使用する場合よりも複雑
  • 参照整合性エラーを手動で処理する必要がある

ON DELETE RESTRICT または ON DELETE SET NULL を使用する

CASCADE 以外のオプションとして、ON DELETE RESTRICT または ON DELETE SET NULL を使用して外部キー制約を作成することもできます。

  • ON DELETE RESTRICT:親テーブルの行が削除されると、参照している子テーブルの行の削除を禁止します。
CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id) ON DELETE RESTRICT
);
  • 参照整合性をより厳密に制御できます。
  • アプリケーションロジックでエラー処理を行う必要がある

適切な方法を選択する

  • シンプルで使いやすい方法は、CASCADE を使用する方法です。
  • 削除する行をより細かく制御したい場合は、DELETE 構文を使用する方法が適しています。
  • 参照整合性をより厳密に制御したい場合は、ON DELETE RESTRICTまたはON DELETE SET NULL` を使用する 方法が適しています。

その他の注意事項

  • 外部キー制約を削除する前に、その制約に依存しているデータがないことを確認してください。
  • TRUNCATE 構文を使用すると、テーブル内のすべての行が削除されますが、外部キー制約は考慮されません。



PostgreSQLにおける外部キー制約のサンプルコード

カスケード削除を使用する

-- customersテーブルを作成
CREATE TABLE customers (
  customer_id serial PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- ordersテーブルを作成。customer_id列は、customersテーブルのcustomer_id列を参照する外部キー制約を持つ
CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id)
);

-- 顧客を追加
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Taro Yamada');
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Hanako Sato');

-- 顧客Taro Yamadaの注文を追加
INSERT INTO orders (customer_id) VALUES (1);

-- 顧客Taro Yamadaを削除すると、関連する注文も自動的に削除される
DELETE FROM customers WHERE customer_id = 1;

-- 顧客Taro Yamadaが削除されたことを確認
SELECT * FROM customers;
-- 結果: 空のテーブル

-- 顧客Hanako Satoの注文を確認
SELECT * FROM orders;
-- 結果: order_id 1 のレコードのみ

DELETE 構文を使用する

-- customersテーブルを作成
CREATE TABLE customers (
  customer_id serial PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- ordersテーブルを作成。customer_id列は、customersテーブルのcustomer_id列を参照する外部キー制約を持つ
CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id)
);

-- 顧客を追加
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Taro Yamada');
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Hanako Sato');

-- 顧客Taro Yamadaの注文を追加
INSERT INTO orders (customer_id) VALUES (1);

-- 子テーブル(orders)から親テーブル(customers)への参照を削除
DELETE FROM orders WHERE customer_id = 1;

-- 親テーブル(customers)から顧客Taro Yamadaを削除
DELETE FROM customers WHERE customer_id = 1;

-- 顧客Taro Yamadaが削除されたことを確認
SELECT * FROM customers;
-- 結果: 空のテーブル

-- 顧客Hanako Satoの注文を確認
SELECT * FROM orders;
-- 結果: order_id 1 のレコードのみ

ON DELETE RESTRICT または ON DELETE SET NULL を使用する

ON DELETE RESTRICT

-- customersテーブルを作成
CREATE TABLE customers (
  customer_id serial PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- ordersテーブルを作成。customer_id列は、customersテーブルのcustomer_id列を参照する外部キー制約を持つ
CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id) ON DELETE RESTRICT
);

-- 顧客を追加
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Taro Yamada');
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Hanako Sato');

-- 顧客Taro Yamadaの注文を追加
INSERT INTO orders (customer_id) VALUES (1);

-- 顧客Taro Yamadaを削除しようとすると、参照エラーが発生
DELETE FROM customers WHERE customer_id = 1;
-- エラー: 違反: DELETE FROM "customers" WHERE "customer_id" = 1 は、"orders" の "customer_id" 列に参照を持つため実行できません

-- 顧客Hanako Satoの注文を確認
SELECT * FROM orders;
-- 結果: order_id 1 のレコードのみ
-- customersテーブルを作成
CREATE TABLE customers (
  customer_id serial PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- ordersテーブルを作成。customer_id列は、customersテーブルのcustomer_id列を参照する外部キー制約を持つ
CREATE TABLE orders (
  order_id serial PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id) ON DELETE SET NULL
);

-- 顧客を追加
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Taro Yamada');
INSERT INTO customers (name) VALUES ('Hanako Sato');

-- 顧客Taro Yamadaの注文を追加
INSERT INTO orders (customer_id) VALUES (1);

-- 顧客Taro Yamadaを削除
DELETE FROM customers WHERE customer_id = 1;

-- 顧客Taro Yamadaが削除されたことを確認
SELECT * FROM customers;
-- 結果: 空のテーブル

-- 顧客Hanako Satoの注文を確認
SELECT *



PostgreSQLで外部キーを持つ行を削除するその他の方法

トリガーを使用して、親テーブルの行が削除されたときに子テーブルの対応する行を自動的に削除できます。

CREATE OR REPLACE FUNCTION delete_order_on_customer_delete()
RETURNS TRIGGER AS $$
BEGIN
  DELETE FROM orders WHERE customer_id = OLD.customer_id;
  RETURN NEW;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;

CREATE TRIGGER delete_order_before_customer_delete
BEFORE DELETE ON customers
FOR EACH ROW
EXECUTE PROCEDURE delete_order_on_customer_delete();

上記の例では、delete_order_on_customer_delete というトリガーが作成されます。このトリガーは、customers テーブルから行が削除される前に実行されます。トリガーは、DELETE 構文を使用して、削除される顧客に関連するすべての注文を削除します。

  • 複雑な削除ロジックをカプセル化できる
  • トリガーのデバッグとトラブルシューティングが複雑になる可能性がある

非同期処理を使用する

ジョブキューなどの非同期処理システムを使用して、親テーブルの行が削除された後に子テーブルの対応する行を削除することもできます。

import psycopg2

def delete_orders_for_customer(customer_id):
  # PostgreSQLに接続
  conn = psycopg2.connect("dbname=mydatabase user=myuser password=mypassword")
  cur = conn.cursor()

  # 削除する注文をすべて取得
  cur.execute("SELECT order_id FROM orders WHERE customer_id = %s", (customer_id,))
  order_ids = cur.fetchall()

  # 各注文を削除
  for order_id in order_ids:
    cur.execute("DELETE FROM orders WHERE order_id = %s", (order_id,))

  # コミットして変更を保存
  conn.commit()
  conn.close()

# 顧客123を削除
delete_customer(123)

# 非同期ジョブとしてdelete_orders_for_customerを実行
# ...

上記の例では、delete_orders_for_customer という関数が作成されます。この関数は、顧客 ID に基づいてすべての注文を削除します。この関数は、非同期ジョブとして実行できます。

  • 長時間実行される可能性のある削除処理をスケーリングできる
  • 複雑なシステムアーキテクチャが必要になる
  • 複雑な削除ロジックをカプセル化したい場合は、トリガーを使用する方法が適しています。
  • 長時間実行される可能性のある削除処理をスケーリングしたい場合は、非同期処理を使用する方法が適しています。

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