MariaDB 10.1への復元が最初に失敗し、データベースを再作成後に再度復元すると成功する問題の解決策
MariaDB 5.5から10.1にアップグレードする場合、5.5で作成したダンプファイルを10.1に復元しようとすると、最初の復元が失敗し、データベースを削除して再作成してから再度復元すると成功することがあります。
原因
この問題は、MariaDB 10.1と5.5の互換性の違いが原因で発生します。具体的には、以下の要因が考えられます。
- 文字セット: MariaDB 10.1では、デフォルトの文字セットが
utf8mb4
に変更されていますが、5.5ではlatin1
だった可能性があります。 - テーブル形式: MariaDB 10.1では、新しいテーブル形式が導入されています。
- プラグイン: 5.5で使用していたプラグインが、10.1では非対応になっている可能性があります。
解決策
以下の方法で解決できます。
データベースを削除して再作成する
- MariaDBにログインします。
- 以下のコマンドを実行して、復元しようとしているデータベースを削除します。
DROP DATABASE database_name;
- 以下のコマンドを実行して、データベースを再作成します。
CREATE DATABASE database_name;
- 再作成したデータベースにダンプファイルを復元します。
--skip-old-authentication オプションを使用する
- 以下のコマンドを実行して、ダンプファイルを復元します。
mysql -u root -p database_name < dump.sql --skip-old-authentication
character_set_server 変数を設定する
- 以下のコマンドを実行して、
character_set_server
変数をlatin1
に設定します。
SET GLOBAL character_set_server = 'latin1';
- ダンプファイルを復元します。
プラグインを無効化する
5.5で使用していたプラグインが10.1で非対応の場合は、無効化する必要があります。具体的方法は、使用しているプラグインによって異なります。
注意事項
- データベースを削除して再作成する前に、必ずバックアップを取ってください。
--skip-old-authentication
オプションを使用すると、古い認証方式がスキップされますが、セキュリティ上のリスクがあることに注意してください。character_set_server
変数を設定すると、すべてのデータベースの文字セットが変更されます。
-- MariaDBにログイン
mysql -u root -p
-- データベースを削除
DROP DATABASE my_database;
-- データベースを再作成
CREATE DATABASE my_database;
-- ダンプファイルを復元
mysql -u root -p my_database < my_dump.sql
mysql -u root -p my_database < my_dump.sql --skip-old-authentication
-- MariaDBにログイン
mysql -u root -p
-- character_set_server 変数を設定
SET GLOBAL character_set_server = 'latin1';
-- ダンプファイルを復元
mysql -u root -p my_database < my_dump.sql
- 上記のコードはあくまで例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。
このオプションを使用すると、INSERT
ステートメントが複数行に分割され、1行あたりのサイズが制限されます。これは、大きなデータベースを復元する場合に役立ちます。
mysqldump --complete-insert -u root -p my_database > my_dump.sql
MariaDB 10.1のxtrabackupツールを使用する
Xtrabackupは、MariaDB 10.1以降で導入されたバックアップおよび復元ツールです。従来のmysqldumpよりも高速で効率的なバックアップと復元が可能で、オンラインバックアップにも対応しています。
xtrabackup --backup --compress --parallel=4 my_database
第三者製のバックアップツールを使用する
MariaDB 10.1を復元するための様々なサードパーティ製ツールが利用可能です。これらのツールは、GUIを提供したり、追加機能を提供したりするなど、様々な機能を提供しています。
専門家に依頼する
MariaDB 10.1への復元が困難な場合は、専門家に依頼することを検討してください。データベースの復元は複雑な作業であり、データ損失のリスクを伴います。専門家は、経験と知識を活用して、安全かつ効率的に復元作業を完了することができます。
どの方法を選択するべきか
どの方法を選択するかは、データベースのサイズ、複雑性、要件によって異なります。
- 小さなデータベースで、特別な要件がない場合は、
mysqldump
コマンドを使用するのが最も簡単です。 - 大きなデータベースや、オンラインバックアップが必要な場合は、Xtrabackupツールを使用するのがおすすめです。
- より高度な機能が必要な場合は、サードパーティ製のバックアップツールを検討してください。
- データベースが複雑で、自分で復元するのが難しい場合は、専門家に依頼することを検討してください。
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