【超解説】 Rails で多態性アソシエーションを使いこなす:外部キー制約、STI、その他の方法

2024-06-15

Ruby on Rails における多態性アソシエーションと外部キー制約

外部キー制約は、データベースで関連レコード間の整合性を維持するために使用される制約です。多態性アソシエーションでは、関連レコードがどのモデルに属しているのかを明確に特定できないため、外部キー制約を設定することができません。

例:

Comment モデルと Post モデル、Article モデルを想定します。Comment モデルは、Post または Article のいずれかに関連付けられます。

class Comment < ApplicationRecord
  belongs_to :commentable, polymorphic: true
end

class Post < ApplicationRecord
  has_many :comments, as: :commentable
end

class Article < ApplicationRecord
  has_many :comments, as: :commentable
end

この場合、Comment モデルの commentable_id カラムには、関連する Post または Article の ID が格納されます。しかし、commentable_type カラムには、関連するモデルの種類のみが格納されます。

問題点:

  • commentable_type カラムだけでは、関連するモデルを特定できません。
  • 外部キー制約を設定できないため、データベースの整合性を維持できない可能性があります。

解決策:

多態性アソシエーションで外部キー制約を使用するには、**STI(Single Table Inheritance)**と呼ばれる手法を使用する必要があります。STI は、複数のモデルを単一のデータベーステーブルに格納する手法です。これにより、各レコードに type カラムを追加し、関連するモデルを明確に特定することができます。

STI を使用する例:

class Commentable < ApplicationRecord
  self.inheritance_column = :type
end

class Post < Commentable
end

class Article < Commentable
end

class Comment < ApplicationRecord
  belongs_to :commentable
end

STI を使用することで、外部キー制約を設定することができます。

  • 多態性アソシエーションでは、外部キー制約を設定できない場合があります。
  • STI を使用することで、多態性アソシエーションで外部キー制約を使用できます。



Ruby on Rails で STI を使用した多態性アソシエーションと外部キー制約:サンプルコード

モデル

class Commentable < ApplicationRecord
  self.inheritance_column = :type
end

class Post < Commentable
  validates :title, presence: true
  validates :body, presence: true
end

class Article < Commentable
  validates :title, presence: true
  validates :body, presence: true
end

class Comment < ApplicationRecord
  belongs_to :commentable

  validates :body, presence: true
end

マイグレーション

rails generate migration create_commentables
rails migrate

create_commentables マイグレーションは次のようになります。

class CreateCommentables < ActiveRecord::Migration[6.1]
  def up
    create_table :commentables do |t|
      t.string :type, null: false
      t.string :title
      t.text :body
      t.timestamps
    end
  end

  def down
    drop_table :commentables
  end
end

使い方

post = Post.create(title: "My First Post", body: "This is my first post.")
comment = post.comments.create(body: "Great post!")

article = Article.create(title: "My First Article", body: "This is my first article.")
another_comment = article.comments.create(body: "Interesting article!")

puts comment.commentable.title #=> "My First Post"
puts another_comment.commentable.title #=> "My First Article"

このコードは、以下のことを示しています。

  • PostArticle モデルは、Commentable モデルから継承しています。
  • Comment モデルは、Post または Article のいずれかに関連付けられます。
  • STI により、Commentable テーブルには type カラムが追加されます。
  • 外部キー制約により、Comment レコードは常に有効な Commentable レコードに関連付けられます。

この例は、多態性アソシエーションと STI を使用して、Rails で外部キー制約を設定する方法を示す基本的なものです。実際のアプリケーションでは、より複雑なモデルとアソシエーションを使用する可能性があります。




Ruby on Rails で多態性アソシエーションと外部キー制約を実現するその他の方法

has_many :through アソシエーションは、中間テーブルを使用して多対多関係を定義する方法です。この方法では、外部キー制約を定義するために中間テーブルにカラムを追加することができます。

class Tag < ApplicationRecord
  has_many :taggings
  has_many :posts, through: :taggings
end

class Post < ApplicationRecord
  has_many :taggings
  has_many :tags, through: :taggings
end

class Tagging < ApplicationRecord
  belongs_to :tag
  belongs_to :post
end

この例では、Tagging という中間テーブルが使用されています。このテーブルには、tag_idpost_id という 2 つのカラムがあり、それぞれ関連する TagPost の ID を格納します。

カスタムバリデーションを使用して、関連レコードが存在するかどうかを確認することができます。

class Comment < ApplicationRecord
  belongs_to :commentable

  validate :commentable_must_be_present

  private

  def commentable_must_be_present
    errors.add(:commentable, "must be present") unless commentable.present?
  end
end

この例では、commentable_must_be_present というカスタムバリデーションメソッドが定義されています。このメソッドは、commentable アソシエーションが nil でないことを確認します。

belongs_to アソシエーションと optional: true オプションを使用して、関連レコードがなくても有効なレコードを作成できるようにすることができます。ただし、この方法では外部キー制約を定義することはできません。

class Comment < ApplicationRecord
  belongs_to :commentable, optional: true
end

この例では、commentable アソシエーションに optional: true オプションが設定されています。これにより、Comment レコードは commentable レコードに関連付けられていなくても作成することができます。


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