Liquibase、MySQLイベント通知、バージョン管理... あなたのプロジェクトに最適なDB スキーマ変更追跡ツールは?
PHP、MySQL、データベースにおける「DB スキーマ変更追跡メカニズム」の解説
データベーススキーマは、時間の経過とともに変更されることがよくあります。新しい機能を追加したり、既存の機能を改善したり、パフォーマンスを向上させたりするために、テーブルの追加、削除、変更が必要になる場合があります。このようなスキーマ変更を追跡することは、データベースの整合性と開発者の生産性を維持するために重要です。
メカニズム
DB スキーマ変更を追跡するために、いくつかのメカニズムを使用できます。
- バージョン管理システム (VCS): Git や Mercurial などの VCS を使用して、スキーマファイルを追跡できます。これにより、過去のスキーマ状態に簡単に復元したり、変更履歴を追跡したりできます。
- スキーマバージョン管理ツール: Liquibase や Flyway などのツールは、スキーマファイルのバージョン管理と自動適用を支援します。これらのツールは、データベースの現在の状態と比較してスキーマファイルの変更を検出し、必要な変更を自動的に適用します。
- データベースメタデータ: MySQL などのデータベースは、スキーマに関するメタデータを提供します。このメタデータを使用して、現在のスキーマ状態を記述するスキーマダンプを作成できます。スキーマダンプを定期的に作成してバージョン管理システムに保存することで、スキーマ変更を追跡できます。
- イベント通知: MySQL などのデータベースは、スキーマ変更が発生したときにイベントを発行できます。これらのイベントをリスニングすることで、変更を追跡し、必要なアクションを実行できます。
メリット
DB スキーマ変更を追跡する主なメリットは次のとおりです。
- 整合性: スキーマ変更を追跡することで、データベースの整合性を維持できます。すべての開発者が常に最新のバージョンのスキーマを使用していることを確認できます。
- 生産性: スキーマ変更を追跡することで、開発者の生産性を向上させることができます。開発者は、スキーマ変更の履歴を簡単に参照して、問題をデバッグしたり、以前のバージョンのスキーマに復元したりできます。
- コラボレーション: スキーマ変更を追跡することで、開発者のコラボレーションを向上させることができます。開発者は、他の開発者が行った変更を簡単に参照して、自分の変更と競合していないことを確認できます。
選択
使用するメカニズムは、プロジェクトのニーズによって異なります。 VCS は、シンプルなプロジェクトに適しています。スキーマバージョン管理ツールは、より複雑なプロジェクトに適しています。データベースメタデータは、スキーマダンプを作成するための簡単な方法を提供します。イベント通知は、スキーマ変更が発生したときにリアルタイムで通知を受ける必要がある場合に適しています。
例
以下は、PHP、MySQL、データベースにおける「DB スキーマ変更追跡メカニズム」の例です。
- Liquibase を使用したスキーマ変更の追跡:
<?php
use Liquibase\autoload\Autoloader;
// Autoloader を初期化
Autoloader::initialize(__DIR__);
// データベース接続を設定
$db = new PDO('mysql:host=localhost;dbname=test', 'username', 'password');
// Liquibase インスタンスを作成
$liquibase = new Liquibase($db, 'path/to/database-changelog.xml');
// 未実行の変更を更新
$liquibase->update();
- MySQL イベント通知を使用したスキーマ変更の追跡:
<?php
// MySQLi インスタンスを作成
$mysqli = new mysqli('localhost', 'username', 'password', 'test');
// CREATE TABLE イベントをリスニング
$mysqli->query('SET GLOBAL innodb_slave_rows_behind_safety_factor = 0');
$mysqli->query('SET GLOBAL innodb_slave_transaction_per_batch = 1');
// スキーマ変更が発生したときに実行するコールバック関数を登録
$mysqli->set_event_listener('QUERY', function ($event) {
if ($event->type === 'SCHEMA') {
// スキーマ変更の詳細を処理
$sql = $event->sql;
}
});
// イベントループを実行
while (true) {
$mysqli->poll();
}
DB スキーマ変更を追跡することは、データベースの整合性と開発者の生産性を維持するために重要です。上記のメカニズムのいずれかを使用して、プロジェクトのニーズに合った方法でスキーマ変更を追跡できます。
Liquibase を使用したスキーマ変更の追跡 - サンプルコード
前提条件
このコードを実行するには、次のものが必要です。
- PHP 7.0 以降
- MySQL 5.5 以降
- Liquibase 3.9 以降
手順
- Liquibase をインストールします。
curl -sSL https://downloads.liquibase.com/liquibase-3.9.1/liquibase-3.9.1.zip | unzip -d liquibase
- 次のコマンドを実行して、Liquibase コマンドラインツールを初期化します。
./liquibase/bin/liquibase init
database-changelog.xml
という名前のファイルを作成し、次の内容を追加します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<databaseChangeLog xmlns="http://www.liquibase.org/xml/ns/dbchangelog"
xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://www.liquibase.org/xml/ns/dbchangelog http://www.liquibase.org/xml/ns/dbchangelog/version.3.9.xsd">
<changeSet id="create_users_table" author="bard">
<createTable tableName="users">
<column name="id" type="int" primaryKey="true" autoIncrement="true"/>
<column name="username" type="varchar(255)" unique="true"/>
<column name="password" type="varchar(255)"/>
<column name="created_at" type="datetime" defaultValue="CURRENT_TIMESTAMP"/>
<column name="updated_at" type="datetime" defaultValue="CURRENT_TIMESTAMP ON UPDATE CURRENT_TIMESTAMP"/>
</createTable>
</changeSet>
</databaseChangeLog>
- 次のコマンドを実行して、スキーマ変更をデータベースに適用します。
./liquibase/bin/liquibase update
このコードを実行すると、users
という名前のテーブルがデータベースに作成されます。このテーブルには、id
、username
、password
、created_at
、updated_at
という 5 つの列があります。
説明
databaseChangeLog.xml
ファイルは、データベーススキーマの変更を記述する XML ファイルです。changeSet
要素は、スキーマ変更を表します。createTable
要素は、新しいテーブルを作成します。column
要素は、テーブルの列を表します。
この例は、Liquibase を使用してスキーマ変更を追跡する方法を示すほんの一例です。 Liquibase について詳しくは、https://www.liquibase.com/community を参照してください。
MySQL イベント通知を使用したスキーマ変更の追跡 - サンプルコード
この例では、MySQL イベント通知を使用してデータベーススキーマの変更を追跡する方法を示します。
- 次のコードを
index.php
という名前のファイルに保存します。
<?php
// MySQLi インスタンスを作成
$mysqli = new mysqli('localhost', 'username', 'password', 'test');
// CREATE TABLE イベントをリスニング
$mysqli->query('SET GLOBAL innodb_slave_rows_behind_safety_factor = 0');
$mysqli->query('SET GLOBAL innodb_slave_transaction_per_batch = 1');
// スキーマ変更が発生したときに実行するコールバック関数を登録
$mysqli->set_event_listener('QUERY', function ($event) {
if ($event->type === 'SCHEMA') {
// スキーマ変更の詳細を処理
$sql = $event->sql;
echo "スキーマ変更が検出されました: " . $sql . "\n";
}
});
// イベントループを実行
while (true) {
$mysqli->poll();
}
- 次のコマンドを実行して、
index.php
ファイルを実行します。
php index.php
- データベーススキーマを変更します。たとえば、次の SQL クエリを実行して
users
テーブルに新しい列を追加できます。
ALTER TABLE
その他の DB スキーマ変更追跡方法
バージョン管理システム (VCS)
- シンプルで使いやすい
- 変更履歴を簡単に参照できる
- 過去のバージョンに簡単に復元できる
- 手動でスキーマファイルの更新が必要
- スキーマ変更の自動化が難しい
例:
git init
git add database-schema.sql
git commit -m "Create users table"
- スキーマダンプの作成と保存に時間がかかる
- スキーマダンプの読み取りと解析が複雑になる場合がある
mysqldump --no-data test > database-dump.sql
git add database-dump.sql
git commit -m "Create users table"
- 設定と使用が複雑になる場合がある
- 商用ツールの場合が多い
flyway migrate
CI/CD パイプラインを使用して、スキーマ変更を自動的にテストしてデプロイできます。これにより、スキーマ変更によるエラーを減らし、リリースプロセスを効率化できます。
- スキーマ変更の自動化とテストを統合できる
- リリースプロセスを効率化できる
- CI/CD パイプラインの設定と管理が複雑になる場合がある
- 専門知識が必要
version: 2.1
orbs:
node: circleci/node:16.x
jobs:
test:
executor: node
steps:
- checkout
- node: '16.x'
- run: |
npm install
npm test
- run: |
flyway migrate
DB スキーマ変更を追跡する方法はいくつかあります。使用する方法は、プロジェクトのニーズと要件によって異なります。
ヒント
- スキーマ変更を追跡する前に、バックアップを取るようにしてください。
- スキーマ変更をテストしてデプロイする前に、開発環境でテストしてください。
- スキーマ変更に関するドキュメントを保存してください。
php mysql database