PostgreSQLにおけるAUTO_INCREMENTに相当するデータ型

PostgreSQLにおけるAUTO_INCREMENTに相当するデータ型

MySQLのAUTO_INCREMENTは、PostgreSQLではいくつかのデータ型で実現できます。それぞれのデータ型には、わずかな違いと利点・欠点があります。

データ型

• SERIAL - 最も一般的で、自動的に1から始まる整数値を生成します。
• BIGSERIAL - SERIALと同様ですが、より大きな値を格納できます。
• INT - SERIALと同様ですが、シーケンス名を指定できます。

詳細

SERIAL

• シンプルで使いやすい
• 主に主キーとして使用
• シーケンス名はデフォルトで_id

• SERIALと同様だが、最大値が2147483647から9223372036854775807へ増加

SMALLSERIAL

• SERIALと同様だが、最大値が32767から2147483647へ減少

INT

• シーケンス名を自由に指定可能
• 複数列で構成される主キーの一部として使用可能

例

-- SERIAL
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- BIGSERIAL
CREATE TABLE orders (
  id BIGSERIAL PRIMARY KEY,
  total_price NUMERIC(10,2)
);

-- SMALLSERIAL
CREATE TABLE products (
  id SMALLSERIAL PRIMARY KEY,
  quantity INT
);

-- INT with custom sequence name
CREATE TABLE posts (
  id INT PRIMARY KEY DEFAULT nextval('post_id_seq'),
  title VARCHAR(255)
);

注意点

• SERIAL, BIGSERIAL, SMALLSERIALは、変更できないデフォルトのシーケンスを使用します。
• INTを使用する場合は、シーケンスを事前に作成する必要があります。
• シーケンス名は、テーブル名と一意である必要があります。

-- テーブル作成
CREATE TABLE users (
  id SERIAL PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO users (name) VALUES ('Jane Doe');

-- データ確認
SELECT * FROM users;

-- 結果
-- id | name
-- -- | --
-- 1  | John Doe
-- 2  | Jane Doe

-- テーブル作成
CREATE TABLE orders (
  id BIGSERIAL PRIMARY KEY,
  total_price NUMERIC(10,2)
);

-- データ挿入
INSERT INTO orders (total_price) VALUES (100.00);
INSERT INTO orders (total_price) VALUES (200.00);

-- データ確認
SELECT * FROM orders;

-- 結果
-- id | total_price
-- -- | --
-- 1  | 100.00
-- 2  | 200.00

-- テーブル作成
CREATE TABLE products (
  id SMALLSERIAL PRIMARY KEY,
  quantity INT
);

-- データ挿入
INSERT INTO products (quantity) VALUES (10);
INSERT INTO products (quantity) VALUES (20);

-- データ確認
SELECT * FROM products;

-- 結果
-- id | quantity
-- -- | --
-- 1  | 10
-- 2  | 20

INT with custom sequence name

-- シーケンス作成
CREATE SEQUENCE post_id_seq;

-- テーブル作成
CREATE TABLE posts (
  id INT PRIMARY KEY DEFAULT nextval('post_id_seq'),
  title VARCHAR(255)
);

-- データ挿入
INSERT INTO posts (title) VALUES ('My first post');
INSERT INTO posts (title) VALUES ('My second post');

-- データ確認
SELECT * FROM posts;

-- 結果
-- id | title
-- -- | --
-- 1  | My first post
-- 2  | My second post

実行方法

1. PostgreSQLサーバーを起動します。
2. psqlコマンドラインクライアントを起動します。
3. 上記のサンプルコードをpsqlクライアントに貼り付けて実行します。

PostgreSQLにおけるAUTO_INCREMENTに相当するデータ型のその他の方法

DEFAULT キーワードを使用して、挿入時に自動的に生成される値を指定できます。

CREATE TABLE users (
  id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255),
  created_at TIMESTAMP DEFAULT CURRENT_TIMESTAMP
);

上記の例では、created_at列は挿入時に自動的に現在の日時が挿入されます。

トリガーを使用して、挿入時に自動的に値を生成できます。

CREATE TRIGGER generate_id BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
  NEW.id = nextval('users_id_seq');
END;

上記の例では、usersテーブルに挿入される前に、users_id_seqシーケンスの次の値がid列に自動的に挿入されます。

外部キーを使用して、別のテーブルの値を自動的に生成できます。

CREATE TABLE orders (
  id INT PRIMARY KEY,
  user_id INT REFERENCES users (id)
);

上記の例では、ordersテーブルのuser_id列は、usersテーブルのid列を参照します。ordersテーブルに新しい行を挿入すると、user_id列は自動的にusersテーブルの既存のIDに設定されます。

これらの方法は、AUTO_INCREMENTの代替手段として使用できますが、いくつかの制限があります。

• DEFAULT キーワードは、単純な値のみを生成できます。
• トリガーは、より複雑なロジックを実装できますが、コード量が増えてしまいます。
• 外部キーは、別のテーブルに依存するため、データ構造が複雑になります。