PostgreSQL: INSERT ... SELECT構文を使ってバッチ挿入から複数行のデータを取得する
PostgreSQL でバッチ挿入から複数の SERIAL 値を返すプログラミング
RETURNING 句を使用する
最も一般的な方法は、INSERT
ステートメントに RETURNING
句を追加することです。この句を使用すると、挿入された行のすべての列値を返すことができます。 SERIAL 列の場合、生成された SERIAL 値も返されます。
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
RETURNING id, name, email;
この例では、mytable
テーブルに 2 行のデータが挿入されます。 RETURNING
句により、挿入された行の id
、name
、email
列の値が返されます。
利点:
- 複数の SERIAL 列の値を返すことができる
- シンプルで分かりやすい
欠点:
- INSERT ステートメントごとに
RETURNING
句を使用する必要がある - すべての列値を返すため、パフォーマンスが低下する可能性がある
WITH 句を使用する
WITH
句を使用すると、INSERT ステートメントの前に CTE (Common Table Expression) を定義することができます。 CTE は一時的なテーブルとして機能し、INSERT ステートメントで参照することができます。 SERIAL 列を含む CTE を定義することで、生成された SERIAL 値を抽出することができます。
WITH inserted_data AS (
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]')
RETURNING id, name, email
)
SELECT * FROM inserted_data;
この例では、inserted_data
という名前の CTE が定義されます。この CTE は、mytable
テーブルに 1 行のデータが挿入され、id
、name
、email
列の値が返されます。その後、この CTE は SELECT
ステートメントで参照され、挿入されたデータを取得します。
RETURNING
句を使用するよりもパフォーマンスが向上する可能性がある
WITH
句を使用する構文が少し複雑になる
トリガーを使用する
トリガーを使用すると、特定のイベントが発生したときに自動的にアクションを実行することができます。 INSERT ステートメントが実行されたときにトリガーを起動することで、生成された SERIAL 値を抽出することができます。
CREATE TRIGGER mytable_insert_trigger
AFTER INSERT ON mytable
FOR EACH ROW
BEGIN
INSERT INTO inserted_data_table (id)
VALUES (NEW.id);
END;
この例では、mytable_insert_trigger
という名前のトリガーが作成されます。このトリガーは、mytable
テーブルに挿入が行われたときに起動されます。トリガー内では、挿入された行の id
列の値を取得し、inserted_data_table
テーブルに挿入します。
- 複雑なバッチ挿入操作にも対応できる
- INSERT ステートメントを変更する必要がない
- トリガーが実行されるとパフォーマンスが低下する可能性がある
- トリガーのロジックを理解する必要がある
どの方法を選択すべきか
どの方法を選択するかは、要件やパフォーマンスの目標によって異なります。
- 複雑なバッチ挿入操作を行う場合は、トリガーを使用するのがおすすめです。
- パフォーマンスが重要であれば、
WITH
句を使用することを検討してください。 - シンプルで分かりやすい方法が必要な場合は、
RETURNING
句を使用するのがおすすめです。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255),
email VARCHAR(255)
);
-- バッチ挿入と SERIAL 値の取得
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]'),
('Peter Jones', '[email protected]');
-- 挿入されたデータの取得
SELECT * FROM mytable;
この例では、まず mytable
という名前のテーブルが作成されます。このテーブルには、id
(SERIAL 型の主キー)、name
(VARCHAR 型)、email
(VARCHAR 型) の 3 つの列があります。
次に、INSERT
ステートメントを使用して、3 行のデータが mytable
テーブルに挿入されます。 RETURNING
句を使用することで、挿入された行の id
、name
、email
列の値が返されます。
最後に、SELECT
ステートメントを使用して、mytable
テーブル内のすべてのデータを取得します。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255),
email VARCHAR(255)
);
-- バッチ挿入と SERIAL 値の取得
WITH inserted_data AS (
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]'),
('Peter Jones', '[email protected]')
RETURNING id, name, email
)
SELECT * FROM inserted_data;
この例は、1 番目の例とほぼ同じですが、WITH
句を使用して CTE (Common Table Expression) を定義しています。 CTE は一時的なテーブルとして機能し、INSERT ステートメントで参照することができます。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255),
email VARCHAR(255)
);
-- トリガーの作成
CREATE TRIGGER mytable_insert_trigger
AFTER INSERT ON mytable
FOR EACH ROW
BEGIN
INSERT INTO inserted_data_table (id)
VALUES (NEW.id);
END;
-- バッチ挿入
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]'),
('Peter Jones', '[email protected]');
-- 挿入されたデータの取得
SELECT * FROM inserted_data_table;
この例では、まず mytable
という名前のテーブルと、inserted_data_table
という名前のテーブルが作成されます。 mytable
テーブルは、1 番目の例と同じ構造です。 inserted_data_table
テーブルには、id
(SERIAL 型) の 1 つの列のみが含まれます。
INSERT ... SELECT
構文を使用すると、別のテーブルからデータを挿入することができます。この構文を組み合わせることで、別のテーブルに格納されているSERIAL値を挿入することができます。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE mytable (
id SERIAL PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255),
email VARCHAR(255)
);
CREATE TABLE serial_values_table (
id SERIAL
);
-- バッチ挿入
INSERT INTO mytable (name, email)
SELECT 'John Doe', '[email protected]'
UNION ALL
SELECT 'Jane Doe', '[email protected]'
UNION ALL
SELECT 'Peter Jones', '[email protected]';
-- 挿入されたデータの取得
SELECT * FROM mytable;
次に、INSERT ... SELECT
構文を使用して、serial_values_table
テーブルから id
値を mytable
テーブルに挿入します。
この方法の利点は、別のテーブルに格納されているSERIAL値を挿入できることです。欠点は、INSERT ... SELECT
構文が少し複雑であることです。
外部ストアドプロシージャを使用する
外部ストアドプロシージャを使用すると、PL/pgSQLなどのプログラミング言語で複雑な処理を実行することができます。この方法を使用すると、バッチ挿入から複数のSERIAL値を返す複雑なロジックを実装することができます。
CREATE LANGUAGE plpgsql;
CREATE FUNCTION insert_with_serial_values()
RETURNS TABLE AS $$
BEGIN
INSERT INTO mytable (name, email)
VALUES ('John Doe', '[email protected]'),
('Jane Doe', '[email protected]'),
('Peter Jones', '[email protected]');
-- 挿入された行のIDを取得
RETURN SELECT id FROM mytable;
END;
$$ LANGUAGE plpgsql;
-- バッチ挿入と SERIAL 値の取得
SELECT * FROM insert_with_serial_values();
この例では、まず plpgsql
という名前の言語が作成されます。次に、insert_with_serial_values
という名前の関数を作成します。この関数は、mytable
テーブルに3行のデータ挿入し、挿入された行のIDを返します。
最後に、insert_with_serial_values
関数を呼び出し、挿入されたデータを取得します。
この方法の利点は、複雑なロジックを実装できることです。欠点は、外部ストアドプロシージャを作成および管理する必要があることです。
- 複雑なロジックを実装する必要がある場合は、外部ストアドプロシージャを使用するのがおすすめです。
- 別のテーブルに格納されているSERIAL値を挿入する必要がある場合は、
INSERT ... SELECT
構文を使用するのがおすすめです。
注意事項
- バッチ挿入から複数のSERIAL値を返す操作は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。パフォーマンスが重要な場合は、適切な方法を選択し、コードを最適化する必要があります。
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