PostgreSQLで賢くビューを活用!非マテリアライズドビューとインデックスでパフォーマンスとストレージを両立

2024-07-27

PostgreSQL における非マテリアライズドビューのインデックス

PostgreSQLでは、マテリアライズドビューだけでなく、非マテリアライズドビューにもインデックスを作成することができます。

マテリアライズドビューは、基底となるテーブルのデータを永続的に保持する特殊なタイプのビューです。一方、非マテリアライズドビューは、基底となるテーブルのデータを永続的に保持せず、クエリ実行時にその都度生成されます。

非マテリアライズドビューにインデックスを作成する利点

非マテリアライズドビューにインデックスを作成することで、以下の利点を得ることができます。

  • 柔軟性の向上: 非マテリアライズドビューは、必要に応じて作成、削除、変更することができます。インデックスも同様に、ビューの変更に合わせて作成、削除、変更することができます。
  • データサイズの削減: マテリアライズドビュー全体をではなく、必要なデータのみを含むインデックスを作成することで、ストレージスペースを節約することができます。
  • クエリのパフォーマンス向上: インデックスは、クエリの実行時に必要な行を迅速に特定するのに役立ち、特に複雑なクエリや集計クエリのパフォーマンスを向上させることができます。

以下の例では、orders テーブルに基づいて order_summary という非マテリアライズドビューを作成し、そのビューにインデックスを作成する方法を示します。

CREATE VIEW order_summary AS
SELECT
    order_id,
    customer_id,
    SUM(quantity) AS total_quantity,
    SUM(price * quantity) AS total_price
FROM orders
GROUP BY order_id, customer_id;

CREATE INDEX idx_order_summary_order_id ON order_summary (order_id);

この例では、order_summary ビューは、order_idcustomer_id 列に基づいて注文をグループ化し、合計数量と合計金額を計算します。idx_order_summary_order_id インデックスは、order_id 列に基づいてビューを高速にクエリできるようにします。

注意事項

  • インデックスはビューのパフォーマンスに影響を与える可能性があります: 複雑なインデックスは、ビューのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があるため、注意して作成する必要があります。
  • インデックスはビューの更新時に自動的に更新されない: 基底となるテーブルが更新されると、ビューのインデックスを手動で更新する必要があります。
  • インデックスはビューのみに適用されます: インデックスは、基底となるテーブルではなく、ビューにのみ適用されます。



CREATE TABLE orders (
    order_id INT PRIMARY KEY,
    customer_id INT,
    order_date DATE,
    quantity INT,
    price NUMERIC(10,2)
);

CREATE VIEW order_summary AS
SELECT
    order_id,
    customer_id,
    SUM(quantity) AS total_quantity,
    SUM(price * quantity) AS total_price
FROM orders
GROUP BY order_id, customer_id;

CREATE INDEX idx_order_summary_order_id ON order_summary (order_id);

-- サンプルクエリ
SELECT * FROM order_summary WHERE order_id = 12345;
  1. orders テーブルの作成: 注文に関する情報を格納するテーブルを作成します。このテーブルには、order_idcustomer_idorder_datequantityprice の列が含まれます。
  2. order_summary ビューの作成: orders テーブルに基づいて、注文を order_idcustomer_id でグループ化し、合計数量と合計金額を計算するビューを作成します。
  3. idx_order_summary_order_id インデックスの作成: order_summary ビューの order_id 列に基づいてインデックスを作成します。このインデックスにより、order_id でビューを高速にクエリすることができます。
  4. サンプルクエリの実行: order_id が 12345 である注文に関する情報を order_summary ビューから取得するクエリを実行します。



集計テーブルは、集計結果を永続的に保存する特殊なタイプのテーブルです。非マテリアライズドビューと同様に、集計テーブルは基底となるテーブルのデータを永続的に保持せず、クエリ実行時にその都度生成されます。

集計テーブルの利点は以下の通りです。

  • データサイズの削減: 集計テーブルは、基底となるテーブルよりも少ない列を保存しているため、ストレージスペースを節約することができます。
  • クエリのパフォーマンスが向上する: 集計テーブルは、集計済みの結果を保存しているため、複雑な集計クエリのパフォーマンスを大幅に向上させることができます。

ただし、集計テーブルには以下の欠点もあります。

  • 更新の遅延: 基底となるテーブルが更新されると、集計テーブルは手動で更新する必要があります。
  • 柔軟性が低い: 集計テーブルは、事前に定義された集計のみを保存します。必要な集計が事前に定義されていない場合は、使用できません。

マテリアライズドビューを使用する

マテリアライズドビューは、基底となるテーブルのデータを永続的に保持する特殊なタイプのビューです。非マテリアライズドビューとは異なり、マテリアライズドビューはクエリ実行時に生成されません。

マテリアライズドビューの利点は以下の通りです。

  • 柔軟性が高い: マテリアライズドビューは、必要に応じて作成、削除、変更することができます。
  • クエリのパフォーマンスが向上する: マテリアライズドビューは、基底となるテーブルと同じデータを含んでいるため、基底となるテーブルを直接クエリするよりもパフォーマンスが向上する場合があります。

ただし、マテリアライズドビューには以下の欠点もあります。

  • 更新のオーバーヘッド: 基底となるテーブルが更新されると、マテリアライズドビューを更新する必要があります。この更新処理には時間がかかり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • ストレージスペースを消費する: マテリアライズドビューは、基底となるテーブルと同じデータを含んでいるため、ストレージスペースを消費します。

パーティショニングを使用する

パーティショニングは、データを論理的に分割し、異なるストレージに格納する手法です。パーティショニングを使用すると、非マテリアライズドビューのインデックスと同じ利点を享受することができます。

パーティショニングの利点は以下の通りです。

  • ストレージスペースを削減: パーティショニングを使用すると、使用されていないデータを圧縮したり削除したりすることで、ストレージスペースを節約することができます。
  • クエリのパフォーマンスが向上する: パーティショニングを使用すると、クエリに必要なデータのみをスキャンすることで、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。

ただし、パーティショニングには以下の欠点もあります。

  • パフォーマンスのオーバーヘッド: パーティショニングされたデータにアクセスすると、パフォーマンスのオーバーヘッドが発生する可能性があります。
  • 複雑性が増す: パーティショニングは、データの管理とクエリをより複雑にする可能性があります。

最適な方法の選択

非マテリアライズドビューのインデックスの代替手段として最適な方法は、個々のニーズによって異なります。

  • ストレージスペースを節約 する必要がある場合は、パーティショニング が最適な選択肢となる可能性があります。
  • 柔軟性とクエリのパフォーマンスのバランス が必要な場合は、マテリアライズドビュー が最適な選択肢となる可能性があります。
  • クエリのパフォーマンスが最も重要 であり、データの更新頻度が低い場合は、集計テーブル が最適な選択肢となる可能性があります。

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