PostgreSQLでJSONデータ型を使用して要素が外部キーである配列を作成する方法
PostgreSQLにおける要素が外部キーである配列
外部キー制約
まず、外部キー制約について説明します。外部キー制約は、あるテーブルの列の値が、別のテーブルの列の値と一致することを保証する制約です。
CREATE TABLE parent (
id integer PRIMARY KEY,
name text
);
CREATE TABLE child (
id integer PRIMARY KEY,
parent_id integer REFERENCES parent(id)
);
上記の例では、child
テーブルのparent_id
列はparent
テーブルのid
列を参照する外部キー制約を持っています。つまり、child
テーブルに存在するparent_id
は、必ずparent
テーブルのid
に存在する必要があります。
配列型
PostgreSQLでは、様々なデータ型を配列として格納できます。
CREATE TABLE person (
id integer PRIMARY KEY,
name text,
tags text[]
);
上記の例では、person
テーブルのtags
列は、文字列型の配列として定義されています。つまり、1人の人物に対して複数のタグを格納することができます。
要素が外部キーである配列
上記の2つの概念を組み合わせることで、要素が外部キーである配列を作成できます。
CREATE TABLE child (
id integer PRIMARY KEY,
parent_ids integer[] REFERENCES parent(id)
);
上記の例では、child
テーブルのparent_ids
列は、parent
テーブルのid
列を参照する外部キー制約を持つ配列として定義されています。つまり、1人の子供が複数の親を持つことを許可しています。
利点
要素が外部キーである配列を使用することで、以下の利点を得ることができます。
- データの冗長性を削減できます。
- 複数の関連テーブルを効率的に結合できます。
欠点
要素が外部キーである配列を使用する際には、以下の欠点に注意する必要があります。
- 外部キー制約の更新や削除が複雑になる場合があります。
- インデックスを作成するのが困難になる場合があります。
-- テーブル作成
CREATE TABLE parent (
id integer PRIMARY KEY,
name text
);
CREATE TABLE child (
id integer PRIMARY KEY,
parent_ids integer[] REFERENCES parent(id)
);
-- データ挿入
INSERT INTO parent (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO parent (name) VALUES ('Jane Doe');
INSERT INTO child (parent_ids) VALUES (ARRAY[1, 2]);
-- データ取得
SELECT * FROM child;
-- 結果
-- id | parent_ids
-- --- | ---
-- 1 | {1, 2}
-- 結合
SELECT c.id, c.parent_ids, p.name
FROM child c
JOIN parent p ON p.id IN (c.parent_ids);
-- 結果
-- id | parent_ids | name
-- --- | --- | ---
-- 1 | {1, 2} | John Doe
-- 1 | {1, 2} | Jane Doe
説明
parent
テーブルは、親を表すテーブルです。child
テーブルは、子供を表すテーブルです。child
テーブルのparent_ids
列は、parent
テーブルのid
列を参照する外部キー制約を持つ配列です。- 次に、
parent
テーブルに2つのデータと、child
テーブルに1つのデータを追加します。 - 最後に、
child
テーブルとparent
テーブルを結合して、子供と親の名前を取得します。
要素が外部キーである配列を実現する他の方法
結合テーブル
最も一般的な方法は、結合テーブルを使用する方法です。
-- テーブル作成
CREATE TABLE parent (
id integer PRIMARY KEY,
name text
);
CREATE TABLE child (
id integer PRIMARY KEY,
name text
);
CREATE TABLE child_parent (
child_id integer REFERENCES child(id),
parent_id integer REFERENCES parent(id)
);
-- データ挿入
INSERT INTO parent (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO parent (name) VALUES ('Jane Doe');
INSERT INTO child (name) VALUES ('John Doe Jr.');
INSERT INTO child_parent (child_id, parent_id) VALUES (1, 1);
INSERT INTO child_parent (child_id, parent_id) VALUES (1, 2);
-- データ取得
SELECT c.name, p.name
FROM child c
JOIN child_parent cp ON cp.child_id = c.id
JOIN parent p ON cp.parent_id = p.id;
-- 結果
-- name | name
-- --- | ---
-- John Doe Jr. | John Doe
-- John Doe Jr. | Jane Doe
上記の例では、child
テーブルとparent
テーブルの間の多対多関係を表現するために、child_parent
という結合テーブルを作成しています。
結合テーブルを使用する方法は、以下の利点があります。
- 柔軟性が高い
- 複雑な関係を表現できる
- データ量が大きくなる
- クエリが複雑になる
JSON
PostgreSQL 9.2以降では、JSONデータ型を使用することができます。
-- テーブル作成
CREATE TABLE child (
id integer PRIMARY KEY,
name text,
parents jsonb
);
-- データ挿入
INSERT INTO child (name, parents) VALUES ('John Doe Jr.', '{"parents": [{"id": 1, "name": "John Doe"}, {"id": 2, "name": "Jane Doe"}]}');
-- データ取得
SELECT c.name, p.name
FROM child c
CROSS JOIN jsonb_array_elements(c.parents -> 'parents') p;
-- 結果
-- name | name
-- --- | ---
-- John Doe Jr. | John Doe
-- John Doe Jr. | Jane Doe
上記の例では、parents
列にJSON形式で親の情報格納しています。
- データ量が少なくて済む
- クエリがシンプルになる
- 複雑な関係を表現するのが難しい
postgresql foreign-keys foreign-collection