PostgreSQLで「読み取り専用トランザクションでCREATE TABLEを実行できません」エラーを解決する方法
PostgreSQL エラー: "読み取り専用トランザクションで CREATE TABLE を実行できません" の詳細解説
このエラーは、PostgreSQLで読み取り専用トランザクション中に CREATE TABLE
ステートメントを実行しようとした場合に発生します。 読み取り専用トランザクションは、データの読み取りのみを許可し、データの変更は許可されないように設計されています。 CREATE TABLE
はデータ構造を変更する操作であるため、読み取り専用トランザクション内で実行することはできません。
解決策
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を実行する必要があります。
- 読み書きトランザクション内で CREATE TABLE を実行する:
BEGIN;
CREATE TABLE ...;
COMMIT;
SET TRANSACTION READ WRITE
を使用して、現在のトランザクションを読み書きトランザクションに変更してからCREATE TABLE
を実行する:
SET TRANSACTION READ WRITE;
CREATE TABLE ...;
CREATE TABLE
を読み取り専用トランザクションの外で実行する:
CREATE TABLE ...;
補足
- PostgreSQL では、デフォルトのトランザクション隔离レベルは
READ COMMITTED
です。 このレベルでは、トランザクション開始後にコミットされた変更のみが見えるため、読み取り専用トランザクションで実行しても問題ありません。
例
以下の例は、読み取り専用トランザクション内で CREATE TABLE
を実行しようとすると発生するエラーを示しています。
BEGIN;
-- 読み取り専用トランザクションを開始
SELECT * FROM mytable;
-- データの読み取りは許可されています
CREATE TABLE newtable (id serial, name varchar(255));
-- CREATE TABLE は許可されていません
COMMIT;
-- トランザクションはコミットされません
この例を修正するには、CREATE TABLE
ステートメントをトランザクションの外に移動するか、トランザクションを読み書きトランザクションに変更する必要があります。
-- CREATE TABLE はトランザクションの外で実行する
CREATE TABLE newtable (id serial, name varchar(255));
BEGIN;
-- 読み書きトランザクションを開始
SELECT * FROM mytable;
INSERT INTO newtable (name) VALUES ('John Doe');
COMMIT;
-- トランザクションはコミットされます
PostgreSQLにおける読み取り専用トランザクションとCREATE TABLEに関するサンプルコード
この例では、デフォルトの読み取りコミットされた隔离レベルでトランザクションを開始し、CREATE TABLE
ステートメントを実行しようとします。これはエラーが発生する原因となります。
BEGIN; -- 読み取りコミットされた隔离レベルでトランザクションを開始
SELECT * FROM customers; -- データの読み取りは許可されています
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL,
total_amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
); -- エラーが発生: cannot execute CREATE TABLE in a read-only transaction
COMMIT; -- トランザクションはコミットされない
この例では、明示的に読み書きトランザクション隔离レベルを設定し、CREATE TABLE
ステートメントを実行します。エラーは発生しません。
BEGIN;
SET TRANSACTION ISOLATION LEVEL READ WRITE; -- 読み書きトランザクションに隔离レベルを設定
SELECT * FROM customers; -- データの読み取りは許可されています
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL,
total_amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
); -- エラーは発生しません
COMMIT; -- トランザクションはコミットされます
この例では、CREATE TABLE
ステートメントをトランザクションの外で実行します。エラーは発生しません。
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL,
total_amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
);
BEGIN;
-- 読み取り書き込みトランザクションを開始
SELECT * FROM customers;
INSERT INTO orders (customer_id, order_date, total_amount) VALUES (1, '2024-05-18', 100.00);
COMMIT; -- トランザクションはコミットされます
これらの例は、読み取り専用トランザクションとCREATE TABLE
ステートメントの動作を理解するのに役立ちます。 適切な隔离レベルを設定し、トランザクション境界を意識することで、PostgreSQLでエラーを防ぐことができます。
一時テーブルを使用する
一時テーブルは、現在のセッションのみ存在する特殊な種類のテーブルです。 読み取り専用トランザクション内で作成および使用できます。 トランザクションがコミットされると、一時テーブルは自動的に削除されます。
BEGIN;
CREATE TEMPORARY TABLE newtable (id serial, name varchar(255));
-- ...一時テーブルに対して操作を実行
COMMIT;
CREATE TABLE を関数内にカプセル化する
CREATE TABLE
ステートメントを関数内にカプセル化し、その関数を読み書きトランザクション内で呼び出すことができます。 関数はトランザクション境界を管理するため、読み取り専用トランザクション内で安全に実行できます。
CREATE FUNCTION create_orders_table()
RETURNS VOID
AS $$
BEGIN;
CREATE TABLE orders (
order_id serial PRIMARY KEY,
customer_id INT REFERENCES customers(customer_id),
order_date DATE NOT NULL,
total_amount DECIMAL(10,2) NOT NULL
);
END; $$ LANGUAGE plpgsql;
BEGIN;
SELECT * FROM customers;
CALL create_orders_table();
INSERT INTO orders (customer_id, order_date, total_amount) VALUES (1, '2024-05-18', 100.00);
COMMIT;
MATERIALIZED VIEW を使用する
マテリアライズドビューは、ベーステーブルに基づいて永続的に保存される集計された結果セットです。 読み取り専用トランザクション内で作成および使用できます。 マテリアライズドビューは、CREATE TABLE
ステートメントよりも軽量で、読み取り操作のパフォーマンスを向上させることができます。
CREATE MATERIALIZED VIEW orders_view AS
SELECT o.order_id, o.customer_id, o.order_date, o.total_amount
FROM orders o
JOIN customers c ON o.customer_id = c.customer_id;
BEGIN;
SELECT * FROM customers;
-- マテリアライズドビューに対してクエリを実行
COMMIT;
これらの代替方法は、状況に応じてそれぞれ利点と欠点があります。 最適な方法は、具体的な要件と制約によって異なります。
- PostgreSQL のバージョンによっては、これらの代替方法が利用できない場合があります。 使用する前に、ドキュメントで確認してください。
- 複雑な操作の場合は、一時テーブルやマテリアライズドビューよりも、読み書きトランザクションを使用する方が適切な場合があります。
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