MariaDB データベースにおける最適なクエリ選択: LEFT JOIN vs NOT EXISTS SELECT
MariaDB: LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT のパフォーマンス比較
このブログ記事では、MariaDBにおける LEFT JOIN
と NOT EXISTS SELECT
のパフォーマンスを比較します。どちらのクエリも、テーブル間の関連性を表現するために使用されますが、パフォーマンス面で違いがあります。
LEFT JOIN
は、左側テーブルのすべての行を返し、右側テーブルと一致する行があれば追加情報を結合します。一致する行がない場合、右側テーブルの列は NULL
値で表示されます。
NOT EXISTS SELECT
は、左側テーブルの各行に対して、右側テーブルで一致する行が存在しないかどうかを調べます。一致する行が存在しない場合のみ、左側テーブルの行を返します。
パフォーマンス比較
どちらのクエリが高速かは、状況によって異なります。一般的に、以下の傾向があります。
- データ量が少ない場合: どちらのクエリもほぼ同じパフォーマンスになります。
- 左側テーブルのデータ量が多い場合:
LEFT JOIN
の方が高速になる可能性があります。これは、NOT EXISTS SELECT
が、右側テーブルのすべての行に対して左側テーブルの各行を比較する必要があるためです。
その他の考慮事項
- インデックス: 両方のクエリで、関連する列にインデックスが作成されていると、パフォーマンスが向上します。
- クエリプラン: データベースは、クエリの実行計画を策定します。この計画は、クエリのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。
- データベースの設定: データベースの設定によっては、一方のクエリがもう一方よりも有利になる場合があります。
どちらのクエリを使用するかは、状況によって異なります。パフォーマンスが重要な場合は、クエリを分析し、どちらが最適かを判断する必要があります。
補足
このブログ記事は、MariaDB 10.5 でのテスト結果に基づいています。他のバージョンでは、結果が異なる場合があります。
また、このブログ記事は、パフォーマンスに関する一般的なガイドラインを提供するものであり、特定の状況に適用されることを保証するものではありません。
MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT の比較:サンプルコード
顧客テーブル (customers) と注文テーブル (orders) があり、各顧客の注文数を表示するクエリを作成する必要があるとします。
テーブル構造
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL
);
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY,
customer_id INT NOT NULL,
FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);
クエリ
LEFT JOIN を使用する場合
SELECT c.customer_id, c.name, COUNT(o.order_id) AS order_count
FROM customers AS c
LEFT JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
GROUP BY c.customer_id, c.name;
NOT EXISTS SELECT を使用する場合
SELECT c.customer_id, c.name, 0 AS order_count
FROM customers AS c
WHERE NOT EXISTS (
SELECT 1
FROM orders AS o
WHERE o.customer_id = c.customer_id
);
説明
LEFT JOIN
を使用して、customers
テーブルとorders
テーブルを結合します。customer_id
列で結合します。COUNT(o.order_id)
を使用して、各顧客の注文数を集計します。GROUP BY
を使用して、顧客 ID と名前ごとに結果をグループ化します。
NOT EXISTS
サブクエリを使用して、orders
テーブルに一致する行がない顧客のみを選択します。- サブクエリは、
customer_id
列で一致する行を検索します。 - 一致する行がない場合、
order_count
に 0 を設定します。
- 左側テーブルのデータ量が多い場合:
LEFT JOIN
の方が高速になる可能性があります。
MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT の比較:その他の方法
SELECT c.customer_id, c.name, (
SELECT COUNT(*)
FROM orders AS o
WHERE o.customer_id = c.customer_id
) AS order_count
FROM customers AS c;
この方法は、customers
テーブルの各行に対して、orders
テーブルに対するサブクエリを実行します。サブクエリは、一致する注文の数をカウントします。
この方法は、LEFT JOIN
や NOT EXISTS SELECT
よりも一般的に遅くなります。これは、サブクエリが各行に対して個別に実行されるためです。
EXISTS を使用する方法
SELECT c.customer_id, c.name
FROM customers AS c
WHERE EXISTS (
SELECT 1
FROM orders AS o
WHERE o.customer_id = c.customer_id
);
この方法は、EXISTS
サブクエリを使用して、orders
テーブルに一致する行がある顧客のみを選択します。サブクエリは、customer_id
列で一致する行を検索します。
この方法は、NOT EXISTS SELECT
と同等の性能になります。
ウィンドウ関数を使用した方法
SELECT c.customer_id, c.name, COUNT(o.order_id) OVER (PARTITION BY c.customer_id) AS order_count
FROM customers AS c
LEFT JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;
この方法は、ウィンドウ関数 COUNT
を使用して、各顧客の注文数を集計します。PARTITION BY
句を使用して、集計を顧客 ID ごとに行います。
この方法は、データ量が多い場合に高速になる可能性があります。これは、ウィンドウ関数がインデックスを利用できるためです。
MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT のパフォーマンス比較について説明しました。どちらのクエリを使用するかは、状況によって異なります。パフォーマンスが重要な場合は、クエリを分析し、最適な方法を選択する必要があります。
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