MariaDB データベースにおける最適なクエリ選択: LEFT JOIN vs NOT EXISTS SELECT

2024-04-18

MariaDB: LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT のパフォーマンス比較

このブログ記事では、MariaDBにおける LEFT JOINNOT EXISTS SELECT のパフォーマンスを比較します。どちらのクエリも、テーブル間の関連性を表現するために使用されますが、パフォーマンス面で違いがあります。

LEFT JOIN は、左側テーブルのすべての行を返し、右側テーブルと一致する行があれば追加情報を結合します。一致する行がない場合、右側テーブルの列は NULL 値で表示されます。

NOT EXISTS SELECT は、左側テーブルの各行に対して、右側テーブルで一致する行が存在しないかどうかを調べます。一致する行が存在しない場合のみ、左側テーブルの行を返します。

パフォーマンス比較

どちらのクエリが高速かは、状況によって異なります。一般的に、以下の傾向があります。

  • データ量が少ない場合: どちらのクエリもほぼ同じパフォーマンスになります。
  • 左側テーブルのデータ量が多い場合: LEFT JOIN の方が高速になる可能性があります。これは、NOT EXISTS SELECT が、右側テーブルのすべての行に対して左側テーブルの各行を比較する必要があるためです。

その他の考慮事項

  • インデックス: 両方のクエリで、関連する列にインデックスが作成されていると、パフォーマンスが向上します。
  • クエリプラン: データベースは、クエリの実行計画を策定します。この計画は、クエリのパフォーマンスに大きな影響を与える可能性があります。
  • データベースの設定: データベースの設定によっては、一方のクエリがもう一方よりも有利になる場合があります。

どちらのクエリを使用するかは、状況によって異なります。パフォーマンスが重要な場合は、クエリを分析し、どちらが最適かを判断する必要があります。

補足

このブログ記事は、MariaDB 10.5 でのテスト結果に基づいています。他のバージョンでは、結果が異なる場合があります。

また、このブログ記事は、パフォーマンスに関する一般的なガイドラインを提供するものであり、特定の状況に適用されることを保証するものではありません。




MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT の比較:サンプルコード

顧客テーブル (customers) と注文テーブル (orders) があり、各顧客の注文数を表示するクエリを作成する必要があるとします。

テーブル構造

CREATE TABLE customers (
  customer_id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(255) NOT NULL
);

CREATE TABLE orders (
  order_id INT PRIMARY KEY,
  customer_id INT NOT NULL,
  FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES customers(customer_id)
);

クエリ

LEFT JOIN を使用する場合

SELECT c.customer_id, c.name, COUNT(o.order_id) AS order_count
FROM customers AS c
LEFT JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
GROUP BY c.customer_id, c.name;

NOT EXISTS SELECT を使用する場合

SELECT c.customer_id, c.name, 0 AS order_count
FROM customers AS c
WHERE NOT EXISTS (
  SELECT 1
  FROM orders AS o
  WHERE o.customer_id = c.customer_id
);

説明

  • LEFT JOIN を使用して、customers テーブルと orders テーブルを結合します。
  • customer_id 列で結合します。
  • COUNT(o.order_id) を使用して、各顧客の注文数を集計します。
  • GROUP BY を使用して、顧客 ID と名前ごとに結果をグループ化します。
  • NOT EXISTS サブクエリを使用して、orders テーブルに一致する行がない顧客のみを選択します。
  • サブクエリは、customer_id 列で一致する行を検索します。
  • 一致する行がない場合、order_count に 0 を設定します。
  • 左側テーブルのデータ量が多い場合: LEFT JOIN の方が高速になる可能性があります。



MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT の比較:その他の方法

SELECT c.customer_id, c.name, (
  SELECT COUNT(*)
  FROM orders AS o
  WHERE o.customer_id = c.customer_id
) AS order_count
FROM customers AS c;

この方法は、customers テーブルの各行に対して、orders テーブルに対するサブクエリを実行します。サブクエリは、一致する注文の数をカウントします。

この方法は、LEFT JOINNOT EXISTS SELECTよりも一般的に遅くなります。これは、サブクエリが各行に対して個別に実行されるためです。

EXISTS を使用する方法

SELECT c.customer_id, c.name
FROM customers AS c
WHERE EXISTS (
  SELECT 1
  FROM orders AS o
  WHERE o.customer_id = c.customer_id
);

この方法は、EXISTS サブクエリを使用して、orders テーブルに一致する行がある顧客のみを選択します。サブクエリは、customer_id 列で一致する行を検索します。

この方法は、NOT EXISTS SELECT と同等の性能になります。

ウィンドウ関数を使用した方法

SELECT c.customer_id, c.name, COUNT(o.order_id) OVER (PARTITION BY c.customer_id) AS order_count
FROM customers AS c
LEFT JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id;

この方法は、ウィンドウ関数 COUNT を使用して、各顧客の注文数を集計します。PARTITION BY 句を使用して、集計を顧客 ID ごとに行います。

この方法は、データ量が多い場合に高速になる可能性があります。これは、ウィンドウ関数がインデックスを利用できるためです。

MariaDBにおける LEFT JOIN と NOT EXISTS SELECT のパフォーマンス比較について説明しました。どちらのクエリを使用するかは、状況によって異なります。パフォーマンスが重要な場合は、クエリを分析し、最適な方法を選択する必要があります。


mariadb


"mysql.sock" を使った PHP/MySQL 接続の落とし穴:トラブルシューティングガイド

高負荷下で PHP から MySQL/MariaDB への接続が "mysql. sock" を使用して行われる場合、接続エラーが発生することがあります。この問題の原因と解決策について、以下の内容で解説します。問題の症状以下のエラーメッセージが表示されることがあります。...


MariaDBで非対称鍵暗号化を使用してデータを保護する

対称鍵暗号化は、同じ鍵を使ってデータを暗号化と復号化するため、鍵管理が重要になります。一方、非対称鍵暗号化は、暗号化と復号化に異なる鍵ペアを使用するため、鍵管理が容易になります。MariaDBは、非対称鍵暗号化を使用して、データベース全体、テーブル、列、または個々のセルを暗号化することができます。...


【超便利】MySQL/MariaDBでDATETIME情報のタイムゾーンを一括変換!UPDATE、SELECT、ストアドプロシージャの使い分け

方法 1: UPDATE ステートメントを使用するUPDATE ステートメントを使用して、DATETIME エントリーのタイムゾーンを直接変更できます。この方法は、単一の列のタイムゾーンを変更する場合に便利です。例:この例では、my_table テーブルの my_datetime_column 列のすべてのエントリーが、現在のセッションのタイムゾーンから America/Los_Angeles タイムゾーンに変換されます。...


MySQL 10.4.24-MariaDBでカンマとIをREGEXP_REPLACEで削除する

文字列からすべての","と"I"を削除したい。解決策:MariaDB 10. 4.24の REGEXP_REPLACE 関数を使用して、文字列からすべての","と"I"を削除できます。手順:次のクエリを実行します。説明:REGEXP_REPLACE 関数は、3つの引数を取ります。 最初の引数は、処理対象の文字列です。 2番目の引数は、削除する文字のパターンを指定する正規表現です。...


【初心者向け】MariaDB Prepared StatementでSELECT文にヒットする行がないことを検知する

mysql_stmt_num_rows() 関数は、SELECT文によって返される行数を取得します。この関数は、stmt_execute() 関数を呼び出した後に使用できます。以下の例では、mysql_stmt_num_rows() 関数を使用して、SELECT文にヒットする行がないことを検知しています。...


SQL SQL SQL Amazon で見る



MySQL LEFT JOIN vs INNER JOINのパフォーマンス徹底比較:高速化の秘訣とは?

MySQLでテーブルを結合する場合、INNER JOINとLEFT JOINがよく使われますが、パフォーマンス面では大きな違いがあります。本記事では、LEFT JOINがINNER JOINよりも高速になる理由を、実際のクエリ例を用いて分かりやすく解説します。