MariaDBで非対称鍵暗号化を使用してデータを保護する

2024-05-27

MariaDB の非対称鍵暗号化

対称鍵暗号化は、同じ鍵を使ってデータを暗号化と復号化するため、鍵管理が重要になります。一方、非対称鍵暗号化は、暗号化と復号化に異なる鍵ペアを使用するため、鍵管理が容易になります。

MariaDBは、非対称鍵暗号化を使用して、データベース全体、テーブル、列、または個々のセルを暗号化することができます。

MariaDBで非対称鍵暗号化を使用する利点

  • データの機密性を向上させる
  • データ漏洩のリスクを軽減する
  • コンプライアンス要件を満たす

MariaDBで非対称鍵暗号化を使用するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 鍵ペアを生成する
  2. 鍵ペアをMariaDBに登録する
  3. 暗号化するデータまたはオブジェクトを指定する

次のコマンドを使用して、鍵ペアを生成できます。

openssl genrsa -out private_key.pem 2048
openssl rsa -in private_key.pem -out public_key.pem -pubout

生成された鍵ペアをMariaDBに登録するには、次のコマンドを実行します。

mysql -u root -p
CREATE KEY public_key USING RSA PUBLIC KEY '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
MIIBIjANBgkqhkiG9w0BAQEFAASCAwL...
-----END PUBLIC KEY-----'

暗号化するデータまたはオブジェクトを指定するには、次のクエリを使用します。

ALTER TABLE my_table
ENCRYPT my_column USING PUBLIC KEY '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
MIIBIjANBgkqhkiG9w0BAQEFAASCAwL...
-----END PUBLIC KEY-----';

注意事項

  • 非対称鍵暗号化を使用するには、MariaDB 10.2以降が必要です。
  • 鍵ペアは安全な場所に保管する必要があります。
  • 暗号化されたデータは、復号化キーがないと復号化できません。

プログラミング例

MariaDBで非対称鍵暗号化を使用する基本的な方法を次のコード例に示します。

import mysql.connector

# データベースへの接続
db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="root",
    password="password",
    database="my_database"
)

# 鍵ペアの生成
import os
from cryptography.hazmat.backends import default_backend
from cryptography.hazmat.primitives.asymmetric import rsa

def generate_key_pair():
    key = rsa.generate_private_key(
        public_exponent=65537,
        key_size=2048,
        backend=default_backend()
    )
    private_key = key.private_key_pem_bytes(encoding=Encoding.PEM, encryption_algorithm=None)
    public_key = key.public_key_pem_bytes(encoding=Encoding.PEM)
    return private_key, public_key

private_key, public_key = generate_key_pair()

# 鍵ペアの登録
cursor = db.cursor()
cursor.execute("""
CREATE KEY public_key USING RSA PUBLIC KEY %s
""", (public_key,))
db.commit()

# データの暗号化
cursor.execute("""
ALTER TABLE my_table
ENCRYPT my_column USING PUBLIC KEY '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
%s
-----END PUBLIC KEY-----'
""", (public_key,))
db.commit()

# データの復号化
private_key_pem = private_key.decode('utf-8')
private_key = rsa.PrivateKey.from_private_key_pem(private_key_pem)

cursor.execute("""
SELECT my_column
FROM my_table
""")
row = cursor.fetchone()
encrypted_value = row[0]

decrypted_value = private_key.decrypt(
    encrypted_value,
    encoding=



サンプルコード: MariaDBで非対称鍵暗号化を使用する

ライブラリのインポート

import mysql.connector
from cryptography.hazmat.backends import default_backend
from cryptography.hazmat.primitives.asymmetric import rsa

データベースへの接続

db = mysql.connector.connect(
    host="localhost",
    user="root",
    password="password",
    database="my_database"
)
def generate_key_pair():
    key = rsa.generate_private_key(
        public_exponent=65537,
        key_size=2048,
        backend=default_backend()
    )
    private_key = key.private_key_pem_bytes(encoding=Encoding.PEM, encryption_algorithm=None)
    public_key = key.public_key_pem_bytes(encoding=Encoding.PEM)
    return private_key, public_key

private_key, public_key = generate_key_pair()
cursor = db.cursor()
cursor.execute("""
CREATE KEY public_key USING RSA PUBLIC KEY %s
""", (public_key,))
db.commit()

データの暗号化

cursor.execute("""
ALTER TABLE my_table
ENCRYPT my_column USING PUBLIC KEY '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
%s
-----END PUBLIC KEY-----'
""", (public_key,))
db.commit()
private_key_pem = private_key.decode('utf-8')
private_key = rsa.PrivateKey.from_private_key_pem(private_key_pem)

cursor.execute("""
SELECT my_column
FROM my_table
""")
row = cursor.fetchone()
encrypted_value = row[0]

decrypted_value = private_key.decrypt(
    encrypted_value,
    encoding=Encoding.UTF8,
    # ここで、復号化アルゴリズムを指定する必要があります。
    # 例:PKCS1_OAEP(mgf=SHA256, label=b'')
)

print(decrypted_value.decode('utf-8'))
  • このコードはあくまで例であり、実際の環境に合わせて変更する必要があります。
  • 復号化アルゴリズムは、暗号化に使用したものと同じである必要があります。

改善点

  • コードをより簡潔にするために、関数を使用しました。
  • コードの説明をより詳しくしました。
  • 復号化アルゴリズムを指定する必要があることを明記しました。
  • このサンプルコードは、MariaDBで非対称鍵暗号化を使用する基本的な方法を示しています。より高度な使用方法については、MariaDBのドキュメントを参照してください。



データベース全体を暗号化

この方法は、データベース内のすべてのデータを暗号化します。最も強力なセキュリティを提供しますが、パフォーマンスへの影響も大きくなります。

ALTER DATABASE my_database
ENCRYPTION = 'Y'
REQUIRE SSL = 'YES';

テーブルを暗号化

この方法は、個々のテーブルを暗号化します。データベース全体を暗号化するよりもパフォーマンスへの影響が少なく、機密性の高いデータのみを暗号化したい場合に適しています。

ALTER TABLE my_table
ENCRYPTION = 'Y'
REQUIRE SSL = 'YES';

列を暗号化

ALTER TABLE my_table
MODIFY my_column ENCRYPT BY '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
MIIBIjANBgkqhkiG9w0BAQEFAASCAwL...
-----END PUBLIC KEY-----';

個々のセルを暗号化

MariaDB 10.5以降では、個々のセルを暗号化することができます。これは、最もきめ細かな暗号化レベルであり、機密性の極めて高いデータのみを暗号化したい場合に適しています。

ALTER TABLE my_table
MODIFY my_column SET ENCRYPTION = 'Y',
ENCRYPTION_KEY = '-----BEGIN PUBLIC KEY-----
MIIBIjANBgkqhkiG9w0BAQEFAASCAwL...
-----END PUBLIC KEY-----';
  • 上記以外にも、MariaDBで非対称鍵暗号化を使用する方法はいくつかあります。

encryption mariadb


MariaDB/MySQLで「non-descript syntax error with update on duplicate key」エラーに遭遇?5つの解決策でエラーを回避

このエラーは、主に以下の2つの原因によって発生します。UPDATE文の構文エラー重複キーの処理方法の誤り本解説では、このエラーの詳細な原因と解決策について、分かりやすく解説します。UPDATE文の構文エラーは、主に以下の2つのパターンで発生します。...


PDOとMariaDBで始めるWebアプリケーション開発: 案件獲得に役立つスキル

PDO と MariaDB を組み合わせることで、以下のようなメリットが得られます。データベースへの統一的なアクセス: PDO は、MySQL だけでなく、MariaDB を含む様々なデータベースへの接続と操作を統一的に行うことができます。...


MariaDBで同一テーブルの複数結合を回避する方法:パフォーマンスとクエリ簡素化のためのガイド

サブクエリを使用する同一テーブルを複数回参照する必要がある場合は、サブクエリを活用することで、結合操作を1回にまとめることができます。サブクエリとは、別のクエリ内で使用されるクエリのことです。例:顧客テーブル customers と注文テーブル orders を結合し、各顧客の注文数を表示するクエリを以下に示します。...


MySQL/MariaDBの文字列照合順序を変更して文字化けを防ぐ:utf8mb4_general_ciからutf8mb4_binへの移行ガイド

MySQL/MariaDB でテーブルの列の文字列照合順序を utf8mb4_general_ci から utf8mb4_bin に変更すると、データ損失が発生する可能性があります。これは、両方の照合順序が異なる方法で文字列を比較するためです。...


MariaDB Server 10.6.7 で INSERT クエリがスタックする問題とその解決策

MariaDB Server 10. 6.7 を使用している場合、コンピュータがスリープ状態から復帰した後、INSERT クエリが実行されなくなる問題が発生することがあります。この問題は、数秒から数時間続く可能性があります。原因この問題は、MariaDB 10...


SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



InnoDB テーブルスペース暗号化と Data at Rest Encryption の違い: どちらを選ぶべき?

InnoDB テーブルスペース暗号化 は、InnoDB テーブルスペース内のデータを暗号化することで、データベースサーバーへの不正アクセスからデータを保護します。Data at Rest Encryption は、データベースファイル全体を暗号化することで、データベースサーバーの物理的な盗難や損失からデータを保護します。


データベースのセキュリティ対策に必須!MariaDB/MySQL テーブル暗号化のメリットと具体的な方法

MariaDBとMySQLでは、テーブル暗号化という機能を提供し、データベース内のデータを暗号化して安全性を強化することができます。この機能は、機密性の高いデータを扱うアプリケーションにとって非常に有用です。MariaDB/MySQLのテーブル暗号化は、AES (Advanced Encryption Standard) という暗号化アルゴリズムを用いて、テーブルデータを暗号化します。暗号化には、暗号鍵と呼ばれるパスワードのような情報が必要となります。この暗号鍵は、データベースサーバーとは別の場所に保管する必要があります。