Entity Framework と接続プーリング:パフォーマンスとスケーラビリティを向上させる秘訣

2024-04-02

Entity Framework は、.NET 開発者向けに ADO.NET を抽象化するオブジェクト関係マッパー (ORM) フレームワークです。データベースとの接続を管理する機能も提供しますが、パフォーマンスを向上させるために、接続プーリングと併用することを強く推奨されています。

接続プーリングは、データベースへの接続を事前に作成し、プールと呼ばれるリポジトリに保存しておく技術です。アプリケーションが必要に応じて接続をプールから取得し、使用後はプールに戻します。この技術により、以下のメリットを得られます。

  • パフォーマンスの向上: 接続の作成には時間がかかるため、接続プーリングを使用することで、接続のオーバーヘッドを減らし、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
  • スケーラビリティの向上: 接続プーリングを使用することで、複数のアプリケーションが同じデータベースに接続しても、接続数を制限することができます。
  • リソースの節約: 接続プーリングを使用することで、データベースサーバーの負荷を軽減し、リソースを節約することができます。

Entity Framework は、ADO.NET 接続プーリングとシームレスに統合できます。接続文字列に Pooling=true オプションを指定するだけで、接続プーリングが有効になります。

var connectionString = "Data Source=localhost;Initial Catalog=MyDatabase;Integrated Security=True;Pooling=true";

var context = new MyDbContext(connectionString);

接続プーリングには、以下の設定項目があります。

  • MinPoolSize: プールに保持される最小接続数
  • ConnectionTimeout: 接続の取得にタイムアウトするまでの時間
  • EnlistTimeout: 接続がトランザクションに参加するまでの時間

これらの設定項目は、接続文字列または DbContext クラスのコンストラクタで指定できます。

Entity Framework と接続プーリングを併用することで、データベースアプリケーションのパフォーマンスとスケーラビリティを大幅に向上させることができます。接続プーリングの設定項目を理解し、適切に設定することで、アプリケーションの効率をさらに向上させることができます。

補足

  • 接続プーリングは、データベースの種類やアプリケーションの要件によって、最適な設定が異なります。
  • 接続プーリングを使用する場合は、接続のタイムアウトや破棄などの設定も考慮する必要があります。



using System;
using System.Data.SqlClient;
using Microsoft.EntityFrameworkCore;

namespace MyApplication
{
    public class MyDbContext : DbContext
    {
        public MyDbContext(string connectionString) : base(connectionString)
        {
        }

        public DbSet<MyEntity> MyEntities { get; set; }
    }

    public class MyEntity
    {
        public int Id { get; set; }
        public string Name { get; set; }
    }

    class Program
    {
        static void Main(string[] args)
        {
            var connectionString = "Data Source=localhost;Initial Catalog=MyDatabase;Integrated Security=True;Pooling=true";

            using (var context = new MyDbContext(connectionString))
            {
                // クエリを実行
                var query = context.MyEntities.Where(e => e.Name == "John Doe");

                foreach (var entity in query)
                {
                    Console.WriteLine(entity.Name);
                }
            }
        }
    }
}

このコードでは、MyDbContext クラスが DbContext クラスから派生し、MyEntities という名前の DbSet を定義しています。MyEntity クラスは、データベースのエンティティを表す POCO クラスです。

Main メソッドでは、MyDbContext クラスのインスタンスを作成し、Pooling=true オプションを指定して接続文字列を渡しています。次に、Where 句を使用してクエリを実行し、結果をループ処理しています。

このサンプルコードは、Entity Framework と接続プーリングの基本的な使用方法を示しています。詳細については、上記のドキュメントを参照してください。

  • このサンプルコードでは、using ステートメントを使用して、MyDbContext インスタンスを確実に破棄しています。
  • 接続文字列は、実際の環境に合わせて変更する必要があります。



接続プーリングを使用するその他の方法

ADO.NET 接続プーリングを使用する

Entity Framework は ADO.NET 接続プーリングとシームレスに統合できます。そのため、ADO.NET 接続プーリングの機能を直接使用することもできます。

var connectionString = "Data Source=localhost;Initial Catalog=MyDatabase;Integrated Security=True;Pooling=true";

var connection = new SqlConnection(connectionString);
connection.Open();

// クエリを実行

connection.Close();

このコードでは、SqlConnection クラスを使用して、データベースへの接続を作成しています。Pooling=true オプションを指定することで、接続プーリングが有効になります。

Entity Framework Core の DbContext Pooling を使用する

Entity Framework Core 6.0 以降では、DbContext プール機能が提供されています。この機能を使用すると、DbContext インスタンスをプールして再利用することができます。

var optionsBuilder = new DbContextOptionsBuilder<MyDbContext>();
optionsBuilder.UseSqlServer(connectionString);
optionsBuilder.UseDbContextPool(new DbContextPoolOptions());

var context = new MyDbContext(optionsBuilder.Options);

// クエリを実行

context.Dispose();

このコードでは、DbContextPoolOptions クラスを使用して、DbContext プールを設定しています。


.net database entity-framework


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