PostgreSQL権限徹底解説:pg_user_grantable_rolesビューとpsqlコマンドを駆使してアクセス権限を詳細に把握

2024-06-27

以下では、PostgreSQL におけるユーザーのアクセス権限を確認する方法を、2 つの方法に分けて説明します。

pg_user_grantable_roles ビューは、特定のユーザーに付与されているロールと、そのロールを通じて付与される権限に関する情報を提供します。このビューを使用するには、以下の SQL クエリを実行します。

SELECT 
  grantor, 
  role_name, 
  admin_option
FROM pg_user_grantable_roles
WHERE grantee = 'ユーザ名';

このクエリは、指定されたユーザー (ユーザ名) に付与されているすべてのロール (role_name) と、そのロールに対して WITH ADMIN オプション (admin_option) が付与されているかどうかを表示します。

psql コマンドを使用すれば、より詳細なアクセス権限情報を確認することができます。以下のコマンドを実行することで、特定のユーザー (ユーザ名) に付与されているすべての権限を確認できます。

psql -U postgres -c "GRANT * TO 'ユーザ名';"

このコマンドを実行すると、ユーザ名 に付与されているすべての特権が表示されます。表示される情報には、以下のようなものがあります。

  • 所有者
  • オブジェクトの種類 (例: テーブル、ビュー、シーケンス)
  • オブジェクト名
  • 権限の種類 (例: SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE)

補足

  • 上記の方法で確認できるのは、直接付与された権限のみです。ロールを通じて間接的に付与された権限を確認するには、より高度なクエリが必要となります。

以下の例では、alice というユーザーのアクセス権限を確認する方法を示します。

pg_user_grantable_roles ビューを使用する場合:

SELECT 
  grantor, 
  role_name, 
  admin_option
FROM pg_user_grantable_roles
WHERE grantee = 'alice';

このクエリを実行すると、以下のような結果が表示される可能性があります。

grantor | role_name       | admin_option
-------+-----------------+--------------
alice   | app_readonly     | f
alice   | data_entry_clerk | f

この結果から、alice ユーザーには、app_readonly ロールと data_entry_clerk ロールが割り当てられていることがわかります。また、これらのロールはいずれも WITH ADMIN オプションなしで付与されていることがわかります。

psql コマンドを使用する場合:

psql -U postgres -c "GRANT * TO 'alice';"
GRANT SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE ON TABLE public.customers TO alice;
GRANT SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE ON TABLE public.orders TO alice;

この結果から、alice ユーザーには、public.customers テーブルと public.orders テーブルに対して、すべての特権が付与されていることがわかります。

この例はあくまでも一例であり、実際の結果はユーザーに付与されている権限によって異なります。

データ辞書は、データベース内のすべてのオブジェクトとその属性に関する情報を定義したものです。PostgreSQL では、システムカタログと呼ばれる特別なスキーマにデータ辞書が格納されています。

データ辞書を使用すれば、データベース内のオブジェクトとその属性に関する情報を簡単に参照することができます。これは、データベースの構造を理解したり、特定のオブジェクトに関する情報を見つけたりするのに役立ちます。

データ辞書に含まれる情報

データ辞表には、以下のような情報が含まれます。

  • テーブル名
  • カラム名
  • データ型
  • 制約
  • インデックス
  • ビュー
  • シノニム
  • ユーザー
  • ロール
  • 関数

データ辞書へのアクセス

データ辞表には、様々な方法でアクセスすることができます。以下に、一般的な方法をいくつか示します。

  • pgAdmin などのツールを使用する
  • SQL クエリを実行する

以下の例では、public.customers テーブルのデータ辞書を psql コマンドを使用して表示する方法を示します




PostgreSQLにおけるユーザーのアクセス権限を確認するサンプルコード

pg_user_grantable_rolesビューを使用する

SELECT 
  grantor, 
  role_name, 
  admin_option
FROM pg_user_grantable_roles
WHERE grantee = 'alice';

このコードは、alice ユーザーに付与されているすべてのロールと、そのロールを通じて付与される権限を表示します。

psqlコマンドを使用する

psql -U postgres -c "GRANT * TO 'alice';"
  • 上記のコードはあくまでも例であり、実際の状況に合わせて変更する必要があります。

データ辞書にアクセスするサンプルコード

以下に、データ辞書にアクセスするサンプルコードを示します。

psqlコマンドを使用する

SELECT * FROM pg_catalog.pg_class;

このコードは、データベース内のすべてのテーブルを表示します。

SELECT * FROM pg_catalog.pg_attribute
WHERE attrelid = (SELECT oid FROM pg_catalog.pg_class WHERE relname = 'public.customers');

このコードは、public.customers テーブルのすべてのカラムを表示します。

pgAdminを使用する

pgAdminは、PostgreSQLデータベースを管理するためのグラフィカルツールです。pgAdminを使用してデータ辞書にアクセスするには、以下の手順を実行します。

  1. pgAdminでデータベースに接続します。
  2. ナビゲーションツリーで「システムカタログ」を展開します。
  3. データ辞表を表示したいオブジェクトを選択します。



    PostgreSQL におけるユーザーのアクセス権限を確認するその他の方法

    システムカタログビューを使用する

    PostgreSQL には、システムカタログと呼ばれる特別なスキーマがあり、データベース内のすべてのオブジェクトとその属性に関する情報が格納されています。この情報を利用して、特定のユーザーに付与されているアクセス権限を確認することができます。

    使用できるシステムカタログビューには、以下のようなものがあります。

    • pg_user: ユーザーに関する情報
    • pg_group: グループに関する情報
    • pg_user_grants: ユーザーに付与された特権に関する情報

    これらのビューを組み合わせて使用することで、複雑なアクセス権限構造を理解することができます。

    SELECT 
      t.relname, 
      p.grantor, 
      p.privilege_type
    FROM pg_class t
    JOIN pg_user_grants p ON p.grantee = 'alice'
    AND p.objid = t.oid
    AND p.objtype = 'r';
    

    拡張モジュールを使用する

    PostgreSQL には、ユーザーのアクセス権限を管理するための拡張モジュールがいくつか用意されています。これらのモジュールを使用すると、GUI インターフェースを使用してアクセス権限を簡単に確認したり、複雑なアクセス権限付与タスクを自動化したりすることができます。

    代表的な拡張モジュールには、以下のようなものがあります。

    • pg_tools
    • adminer

    これらのモジュールは、PostgreSQL の公式リポジトリからインストールできます。

    カスタムツールを使用する

    独自のツールを作成して、PostgreSQL ユーザーのアクセス権限を確認することもできます。この方法には、高度な知識とプログラミングスキルが必要となりますが、特定のニーズに合わせたツールを作成することができます。

    import psycopg2
    
    def get_user_database_privileges(username):
        conn = psycopg2.connect(dbname="postgres")
        cur = conn.cursor()
    
        cur.execute("""
            SELECT datname
            FROM pg_database
            WHERE datdba = %s OR datdba = (SELECT oid FROM pg_user WHERE usename = %s);
        """, (username, username))
    
        databases = []
        for row in cur:
            databases.append(row[0])
    
        conn.close()
    
        return databases
    
    if __name__ == "__main__":
        username = "alice"
        databases = get_user_database_privileges(username)
        print(databases)
    

    注意事項

    • PostgreSQL のアクセス権限は複雑な場合があります。必要に応じて、データベース管理者やセキュリティ専門家に相談してください。

    postgresql privileges data-dictionary


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