MySQL/MariaDBで圧縮データのトラブルシューティング:UNCOMPRESS関数とBLOB型

2024-06-25

MySQL/MariaDB の UNCOMPRESS() 関数は、COMPRESS() 関数で圧縮されたバイナリ文字列を解凍して元の文字列に戻すものです。しかし、MariaDB 10 では、UNCOMPRESS() 関数の戻り値が以前のバージョンのように文字列型ではなく、BLOB 型になる場合があります。

詳細

MariaDB 9 以前では、UNCOMPRESS() 関数は常に文字列型を返していました。しかし、MariaDB 10 では、以下の条件下で BLOB 型を返すようになりました。

  • 圧縮データが不正で解凍できない場合
  • 圧縮データが COMPRESS() 関数で圧縮されていない場合

この変更は、UNCOMPRESS() 関数の動作をより一貫性のあるものにするために行われました。以前のバージョンの動作は、圧縮データが不正であっても文字列型を返していたため、アプリケーションで予期しない動作を引き起こす可能性がありました。

BLOB 型の処理

UNCOMPRESS() 関数が BLOB 型を返す場合、アプリケーション側で適切に処理する必要があります。BLOB 型はバイナリデータを表す型なので、文字列として扱うには、まず文字エンコーディングを使用してデコードする必要があります。

SELECT UNCOMPRESS(compressed_data);

このクエリは、compressed_data 列に格納されている圧縮データを解凍し、結果を BLOB 型で返します。BLOB 型を文字列に変換するには、次のように CONVERT() 関数を使用する必要があります。

SELECT CONVERT(UNCOMPRESS(compressed_data) USING utf8);

このクエリは、compressed_data 列に格納されている圧縮データを解凍し、結果を UTF-8 エンコーディングの文字列に変換します。

注意事項

  • UNCOMPRESS() 関数は、MariaDB が zlib などの圧縮ライブラリとコンパイルされている場合にのみ使用できます。
  • UNCOMPRESS() 関数は、圧縮データが不正な場合や、COMPRESS() 関数で圧縮されていない場合に NULL を返します。

MariaDB 10 では、UNCOMPRESS() 関数の戻り値が BLOB 型になる場合があります。アプリケーション側で適切に処理するように注意してください。




    -- テーブルの作成
    CREATE TABLE data (
      id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
      compressed_data BLOB NOT NULL
    );
    
    -- データの挿入
    INSERT INTO data (compressed_data)
    VALUES (COMPRESS('This is some data to compress'));
    
    -- 圧縮データの解凍と文字列への変換
    SELECT CONVERT(UNCOMPRESS(compressed_data) USING utf8) AS decompressed_data
    FROM data;
    

    このコードは、次の結果を出力します。

    decompressed_data
    --------------
    This is some data to compress
    

    説明

    1. 最初の部分では、data という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、id 列と compressed_data 列があります。id 列はプライマリ キーであり、自動的にインクリメントされます。compressed_data 列は BLOB 型で、圧縮データを格納します。
    2. 2 番目の部分では、COMPRESS() 関数を使用して "This is some data to compress" という文字列を圧縮し、compressed_data 列に挿入します。
    3. 3 番目の部分では、UNCOMPRESS() 関数を使用して圧縮データを解凍し、CONVERT() 関数を使用して結果を UTF-8 エンコーディングの文字列に変換します。

    このコードは、基本的な例です。実際のアプリケーションでは、独自の要件に合わせてコードを調整する必要があります。

    • 特定の文字エンコーディングを使用して圧縮データを解凍するには、次のように CONVERT() 関数の USING オプションを使用します。
    SELECT CONVERT(UNCOMPRESS(compressed_data) USING latin1);
    
    • UNCOMPRESS() 関数の戻り値が BLOB 型かどうかを確認するには、次のように IS_BLOB() 関数を使用します。
    SELECT IS_BLOB(UNCOMPRESS(compressed_data));
    
    • 上記のコードは、MySQL 5.7.14 または MariaDB 10.3.11 でテストされています。他のバージョンでは動作が異なる場合があります。
    • 圧縮データが不正な場合や、COMPRESS() 関数で圧縮されていない場合は、UNCOMPRESS() 関数は NULL を返します。



      UNCOMPRESS() 関数以外の方法

      HEX() 関数と LOAD_FILE() 関数を使用する

      この方法は、圧縮データを 16 進数文字列に変換してから、LOAD_FILE() 関数を使用してファイルから読み込むことで、圧縮データを解凍します。

      SELECT
        CONVERT(
          LOAD_FILE(HEX(UNCOMPRESS(compressed_data))),
          USING utf8
        ) AS decompressed_data
      FROM data;
      

      ユーザー定義関数 (UDF) を使用する

      この方法は、圧縮データを解凍する独自の UDF を作成することで、圧縮データを解凍します。UDF は、C 言語または Python などの言語で記述できます。

      外部ライブラリを使用する

      この方法は、zlib などの外部ライブラリを使用して圧縮データを解凍します。外部ライブラリは、MySQL/MariaDB に組み込まれていないため、別途インストールする必要があります。

      それぞれの方法の比較

      方法メリットデメリット
      UNCOMPRESS() 関数シンプルで使いやすい圧縮データが不正な場合や、COMPRESS() 関数で圧縮されていない場合に NULL を返す
      HEX() 関数と LOAD_FILE() 関数圧縮データが不正であっても NULL を返さない複雑で、パフォーマンスが低下する可能性がある
      ユーザー定義関数 (UDF)柔軟性が高い開発とメンテナンスが複雑
      外部ライブラリ高速で効率的インストールと設定が必要

      どの方法を使用するかは、要件と状況によって異なります。シンプルな方法が必要な場合は、UNCOMPRESS() 関数を使用するのがおすすめです。圧縮データが不正な場合や、COMPRESS() 関数で圧縮されていない場合に NULL を返さない方法が必要な場合は、HEX() 関数と LOAD_FILE() 関数を使用するのがおすすめです。柔軟性と制御が必要な場合は、ユーザー定義関数 (UDF) を使用するのがおすすめです。高速で効率的な方法が必要な場合は、外部ライブラリを使用するのがおすすめです。


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