MySQLで順位付けをマスター!Rank関数とその他の方法を徹底解説

2024-05-23

MySQLにおけるRank関数:詳細解説

本記事では、RANK関数の仕組み、構文、具体的な使用方法、そしてDENSE_RANK関数との違いについて、分かりやすく解説します。

RANK関数とは?

RANK関数は、指定した列に基づいて行を順位付けし、それぞれの行に順位番号を割り当てる関数です。DENSE_RANK関数と異なり、同値の値を持つ行には連続した順位番号を割り当てます。

構文

RANK()
    OVER (
        ORDER BY order_expression
    )

各要素の説明

  • RANK(): 順位付けを行う関数
  • OVER(): ウィンドウ指定子。カッコ内に順位付けの基準となる列を指定します。
  • ORDER BY order_expression: 順位付けの基準となる列を指定します。昇順の場合はASC、降順の場合はDESCをキーワードとして使用できます。

例:社員の売上高に基づいて順位付け

社員テーブル employees に、社員ID、名前、売上高の列があると仮定します。このテーブルにおける売上高の高い順に社員を順位付けするには、以下のクエリを使用します。

SELECT
    employee_id,
    name,
    sales_amount,
    RANK() OVER (ORDER BY sales_amount DESC) AS rank
FROM employees;

結果

employee_idnamesales_amountrank
1田中一郎10000001
2佐藤二郎8000002
3鈴木三郎8000002
4高橋四郎6000004
5山田五郎5000005

ポイント

  • 同値の売上高を持つ社員 (鈴木さんと佐藤さん) には、連続した順位番号 (2) が割り当てられます。
  • ORDER BY 句で降順にソートしているので、売上高の高い順に順位付けされています。

DENSE_RANK関数との違い

DENSE_RANK関数RANK関数と同様に順位付けを行う関数ですが、同値の値を持つ行には連続ではなく、次の順位番号を割り当てます。

つまり、DENSE_RANK関数を使用すると、同値の行がスキップされ、順位番号に間隔が生じることになります。

例:社員の売上高に基づいて順位付け (DENSE_RANK関数の場合)

SELECT
    employee_id,
    name,
    sales_amount,
    DENSE_RANK() OVER (ORDER BY sales_amount DESC) AS rank
FROM employees;
employee_idnamesales_amountrank
1田中一郎10000001
2佐藤二郎8000002
3鈴木三郎8000003
4高橋四郎6000004
5山田五郎5000005

比較

順位付け関数同値の値を持つ行への処理結果
RANK関数連続した順位番号を割り当てる2, 2
DENSE_RANK関数次の順位番号を割り当てる2, 3

RANK関数DENSE_RANK関数は、どちらもデータセット内の行を順位付けするために使用できる強力な関数です。

  • RANK関数: 同値の値を持つ行には連続した順位番号を割り当てます。

それぞれの特性を理解し、状況に応じて




RANK関数を使ったサンプルコード

employee_idnamedepartmentsalary
1田中一郎営業部350000
2佐藤二郎開発部400000
3鈴木三郎企画部350000
4高橋四郎営業部420000
5山田五郎開発部380000

部門ごとの給与順位

各部門における給与の高い順に社員を順位付けするには、以下のクエリを使用します。

SELECT
    employee_id,
    name,
    department,
    salary,
    RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
employee_idnamedepartmentsalaryrank
4高橋四郎営業部4200001
1田中一郎営業部3500002
2佐藤二郎開発部4000001
5山田五郎開発部3800002
3鈴木三郎企画部3500001

説明

  • PARTITION BY department 句で、部門ごとに順位付けを分割しています。
  • ORDER BY salary DESC 句で、各部門内の給与を降順にソートしています。

同点時の順位付け

同点の値を持つ行にどのように順位を割り当てるかを制御するには、DENSE_RANK() 関数を使用します。

SELECT
    employee_id,
    name,
    department,
    salary,
    DENSE_RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
employee_idnamedepartmentsalaryrank
4高橋四郎営業部4200001
1田中一郎営業部3500002
2佐藤二郎開発部4000001
5山田五郎開発部3800002
3鈴木三郎企画部3500001
    • 特定の条件に合致する行の順位付け
    • 複数列に基づいて順位付け
    • カスタムウィンドウを使用した順位付け

    RANK関数DENSE_RANK関数を組み合わせることで、様々な複雑な順位付け要件に対応することができます。




    RANK関数以外の方法

    以下に、代表的な方法とそれぞれの利点・欠点をご紹介します。

    サブクエリを使用して、個別に順位を算出する方法です。

    SELECT
        employee_id,
        name,
        department,
        salary,
        (
            SELECT COUNT(*)
            FROM employees AS e2
            WHERE e2.department = e.department
                AND e2.salary >= e.salary
        ) AS rank
    FROM employees AS e;
    

    利点

    • 柔軟性が高い。複雑な順位付け要件にも対応できる。

    欠点

    • 処理速度が遅くなる場合がある。

    ROW_NUMBER関数は、行の番号を割り当てる関数です。

    SELECT
        employee_id,
        name,
        department,
        salary,
        ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
    FROM employees;
    
    • シンプルでわかりやすい。
    • 処理速度が速い。
    • 同点の値を持つ行には、連続した番号が割り当てられない。
    • RANK関数と比べて機能が少ない。

    カスタム変数を使用する

    ループ処理の中で、カスタム変数を使用して順位を管理する方法です。

    SET @rank = 0;
    
    SELECT
        employee_id,
        name,
        department,
        salary,
        @rank := @rank + 1 AS rank
    FROM employees
    ORDER BY department, salary DESC;
    
    • 非常にシンプルな方法。
    • 可読性が低い。
    • コーディングが煩雑になる場合がある。

    ウィンドウフレームを使用して、特定の範囲内の行のみを対象に順位付けする方法です。

    SELECT
        employee_id,
        name,
        department,
        salary,
        RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC)
            ROWS BETWEEN PRECEDING 2 FOLLOWING 2
        AS rank
    FROM employees;
    
    • 特定の範囲内の行のみを順位付けできる。
    • 複雑な構文を使用する必要がある。
    • 理解するのが難しい場合がある。

    複雑な要件の場合はサブクエリが適している場合もありますが、処理速度が遅くなる可能性があります。一方、ROW_NUMBER関数はシンプルで処理速度も速いですが、同点の値を持つ行には連続した番号が割り当てられません。

    それぞれの方法の利点と欠点を理解した上で、適切な方法を選択することが重要です。


    mysql sql rank


    SQL ServerでDATEADD関数を使ってDATETIME型から時間を削除する

    SQL ServerでDATETIME型から時間部分を取り除く方法はいくつかありますが、それぞれ利点と欠点があります。ここでは、最も一般的な方法3つと、それぞれの利点と欠点、そしてパフォーマンスへの影響について詳しく解説します。方法1:CONVERT関数とCHAR関数...


    SQL Server の例外処理:THROW と RAISERROR の徹底比較

    THROW キーワードを使用する同じ例外を再スローするには、THROW キーワードを使用します。 構文は以下の通りです。error_number は、再スローする例外のエラー番号です。message は、例外と共に再スローされるオプション メッセージです。...


    PostgreSQL管理を簡単にする!phpMyAdminのようなビジュアルインターフェース5選

    phpMyAdminは、MySQLデータベースを管理するためのウェブベースのオープンソースツールです。使いやすく、初心者でも簡単にデータベースを操作できます。PostgreSQLにもphpMyAdminのようなビジュアルインターフェースがいくつかあります。これらのツールは、データベースの構造を視覚化し、テーブルデータの閲覧、編集、挿入、削除を簡単に行うことができます。...


    MySQLで集計レポートを作成するためのチュートリアル:SUM IFとCOUNT IFをステップバイステップで解説

    SUM IF関数は、指定された条件を満たす行の特定の列の値を合計します。構文は以下の通りです。条件: 評価される論理式値_1: 条件が真の場合に返される値例: 特定のカテゴリの製品の売上合計を求めるこのクエリは、ordersテーブルからすべてのカテゴリの製品の売上を抽出し、category列の値が'電子機器'である行のamount列の値のみを合計します。...


    データベースのパフォーマンス向上とエラー回避の両立:MySQL/MariaDBにおける「ERROR 1071 (42000)」対策

    このエラーは、MySQLまたはMariaDBデータベースにおいて、インデックスの長さが最大許容値を超えた場合に発生します。MySQL/MariaDBのデフォルトの最大インデックス長は3072バイトですが、ストレージエンジンや文字セットの設定によって異なる場合があります。...