MySQLで順位付けをマスター!Rank関数とその他の方法を徹底解説
MySQLにおけるRank関数:詳細解説
本記事では、RANK関数の仕組み、構文、具体的な使用方法、そしてDENSE_RANK関数との違いについて、分かりやすく解説します。
RANK関数とは?
RANK関数は、指定した列に基づいて行を順位付けし、それぞれの行に順位番号を割り当てる関数です。DENSE_RANK関数と異なり、同値の値を持つ行には連続した順位番号を割り当てます。
構文
RANK()
OVER (
ORDER BY order_expression
)
各要素の説明
RANK()
: 順位付けを行う関数OVER()
: ウィンドウ指定子。カッコ内に順位付けの基準となる列を指定します。ORDER BY order_expression
: 順位付けの基準となる列を指定します。昇順の場合はASC
、降順の場合はDESC
をキーワードとして使用できます。
例:社員の売上高に基づいて順位付け
社員テーブル employees
に、社員ID、名前、売上高の列があると仮定します。このテーブルにおける売上高の高い順に社員を順位付けするには、以下のクエリを使用します。
SELECT
employee_id,
name,
sales_amount,
RANK() OVER (ORDER BY sales_amount DESC) AS rank
FROM employees;
結果
employee_id | name | sales_amount | rank |
---|---|---|---|
1 | 田中一郎 | 1000000 | 1 |
2 | 佐藤二郎 | 800000 | 2 |
3 | 鈴木三郎 | 800000 | 2 |
4 | 高橋四郎 | 600000 | 4 |
5 | 山田五郎 | 500000 | 5 |
ポイント
- 同値の売上高を持つ社員 (鈴木さんと佐藤さん) には、連続した順位番号 (2) が割り当てられます。
ORDER BY
句で降順にソートしているので、売上高の高い順に順位付けされています。
DENSE_RANK関数との違い
DENSE_RANK関数もRANK関数と同様に順位付けを行う関数ですが、同値の値を持つ行には連続ではなく、次の順位番号を割り当てます。
つまり、DENSE_RANK関数を使用すると、同値の行がスキップされ、順位番号に間隔が生じることになります。
例:社員の売上高に基づいて順位付け (DENSE_RANK関数の場合)
SELECT
employee_id,
name,
sales_amount,
DENSE_RANK() OVER (ORDER BY sales_amount DESC) AS rank
FROM employees;
employee_id | name | sales_amount | rank |
---|---|---|---|
1 | 田中一郎 | 1000000 | 1 |
2 | 佐藤二郎 | 800000 | 2 |
3 | 鈴木三郎 | 800000 | 3 |
4 | 高橋四郎 | 600000 | 4 |
5 | 山田五郎 | 500000 | 5 |
比較
順位付け関数 | 同値の値を持つ行への処理 | 結果 |
---|---|---|
RANK関数 | 連続した順位番号を割り当てる | 2, 2 |
DENSE_RANK関数 | 次の順位番号を割り当てる | 2, 3 |
RANK関数とDENSE_RANK関数は、どちらもデータセット内の行を順位付けするために使用できる強力な関数です。
- RANK関数: 同値の値を持つ行には連続した順位番号を割り当てます。
それぞれの特性を理解し、状況に応じて
RANK関数を使ったサンプルコード
employee_id | name | department | salary |
---|---|---|---|
1 | 田中一郎 | 営業部 | 350000 |
2 | 佐藤二郎 | 開発部 | 400000 |
3 | 鈴木三郎 | 企画部 | 350000 |
4 | 高橋四郎 | 営業部 | 420000 |
5 | 山田五郎 | 開発部 | 380000 |
部門ごとの給与順位
各部門における給与の高い順に社員を順位付けするには、以下のクエリを使用します。
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
employee_id | name | department | salary | rank |
---|---|---|---|---|
4 | 高橋四郎 | 営業部 | 420000 | 1 |
1 | 田中一郎 | 営業部 | 350000 | 2 |
2 | 佐藤二郎 | 開発部 | 400000 | 1 |
5 | 山田五郎 | 開発部 | 380000 | 2 |
3 | 鈴木三郎 | 企画部 | 350000 | 1 |
説明
PARTITION BY department
句で、部門ごとに順位付けを分割しています。ORDER BY salary DESC
句で、各部門内の給与を降順にソートしています。
同点時の順位付け
同点の値を持つ行にどのように順位を割り当てるかを制御するには、DENSE_RANK()
関数を使用します。
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
DENSE_RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
employee_id | name | department | salary | rank |
---|---|---|---|---|
4 | 高橋四郎 | 営業部 | 420000 | 1 |
1 | 田中一郎 | 営業部 | 350000 | 2 |
2 | 佐藤二郎 | 開発部 | 400000 | 1 |
5 | 山田五郎 | 開発部 | 380000 | 2 |
3 | 鈴木三郎 | 企画部 | 350000 | 1 |
- 特定の条件に合致する行の順位付け
- 複数列に基づいて順位付け
- カスタムウィンドウを使用した順位付け
RANK関数とDENSE_RANK関数を組み合わせることで、様々な複雑な順位付け要件に対応することができます。
RANK関数以外の方法
以下に、代表的な方法とそれぞれの利点・欠点をご紹介します。
サブクエリを使用して、個別に順位を算出する方法です。
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
(
SELECT COUNT(*)
FROM employees AS e2
WHERE e2.department = e.department
AND e2.salary >= e.salary
) AS rank
FROM employees AS e;
利点
- 柔軟性が高い。複雑な順位付け要件にも対応できる。
欠点
- 処理速度が遅くなる場合がある。
ROW_NUMBER関数は、行の番号を割り当てる関数です。
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
ROW_NUMBER() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC) AS rank
FROM employees;
- シンプルでわかりやすい。
- 処理速度が速い。
- 同点の値を持つ行には、連続した番号が割り当てられない。
- RANK関数と比べて機能が少ない。
カスタム変数を使用する
ループ処理の中で、カスタム変数を使用して順位を管理する方法です。
SET @rank = 0;
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
@rank := @rank + 1 AS rank
FROM employees
ORDER BY department, salary DESC;
- 非常にシンプルな方法。
- 可読性が低い。
- コーディングが煩雑になる場合がある。
ウィンドウフレームを使用して、特定の範囲内の行のみを対象に順位付けする方法です。
SELECT
employee_id,
name,
department,
salary,
RANK() OVER (PARTITION BY department ORDER BY salary DESC)
ROWS BETWEEN PRECEDING 2 FOLLOWING 2
AS rank
FROM employees;
- 特定の範囲内の行のみを順位付けできる。
- 複雑な構文を使用する必要がある。
- 理解するのが難しい場合がある。
複雑な要件の場合はサブクエリが適している場合もありますが、処理速度が遅くなる可能性があります。一方、ROW_NUMBER関数はシンプルで処理速度も速いですが、同点の値を持つ行には連続した番号が割り当てられません。
それぞれの方法の利点と欠点を理解した上で、適切な方法を選択することが重要です。
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