MySQLで集計レポートを作成するためのチュートリアル:SUM IFとCOUNT IFをステップバイステップで解説

2024-07-27

MySQLにおける条件付き集計:SUM IFとCOUNT IF

SUM IF

SUM IF関数は、指定された条件を満たす行の特定の列の値を合計します。構文は以下の通りです。

SUM(IF(条件, 値_1, 値_2))
  • 条件: 評価される論理式
  • 値_1: 条件が真の場合に返される値

: 特定のカテゴリの製品の売上合計を求める

SELECT category, SUM(IF(category = '電子機器', amount, 0)) AS electronics_sales
FROM orders;

このクエリは、ordersテーブルからすべてのカテゴリの製品の売上を抽出し、category列の値が'電子機器'である行のamount列の値のみを合計します。

COUNT IF

COUNT(IF(条件, 1, 0))

: 特定のステータスを持つ注文数をカウントする

SELECT status, COUNT(IF(status = '完了', 1, 0)) AS completed_orders
FROM orders;

このクエリは、ordersテーブルからすべての注文のステータスを抽出し、status列の値が'完了'である行数をカウントします。

利点

  • 柔軟性: 特定の条件に基づいて集計をカスタマイズできます。
  • 詳細な分析: WHERE句だけでは得られない詳細な洞察を得ることができます。
  • データの理解: データをより深く理解し、意思決定を改善するのに役立ちます。

注意点

  • パフォーマンス: 複雑な条件を使用すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。
  • 可読性: 複雑な条件式は、コードの可読性を低くする可能性があります。
  • 代替手段: 場合によっては、WHERE句とサブクエリを使用して同様の結果を得ることができます。

SUM IFCOUNT IFは、MySQLで強力な条件付き集計を行うための貴重なツールです。これらの関数を適切に使用することで、データからより深い洞察を得ることができ、意思決定を改善することができます。

  • 上記の例はほんの一例です。これらの関数は、さまざまな目的に使用できます。



問題

売上データテーブルがあり、以下の列が含まれています。

  • 注文 ID: 各注文の一意の識別子
  • 顧客 ID: 注文を顧客に関連付ける
  • 商品 ID: 注文された商品を識別する
  • 単価: 商品の価格
  • 数量: 注文された商品の個数
  • 注文日: 注文日
  • ステータス: 注文のステータス(例:処理中、完了、キャンセル済み)

このテーブルを使用して、以下のタスクを実行する必要があります。

  1. 2023年12月に完了した注文の総売上を計算する
  2. 各顧客が注文した商品の平均数量を計算する

解決策

SELECT
  SUM(IF(status = '完了' AND MONTH(order_date) = 12 AND YEAR(order_date) = 2023, price * quantity, 0)) AS total_sales_december_2023
FROM orders;

説明:

  • このクエリは、ordersテーブルからすべての注文を抽出します。
  • IF条件を使用して、以下の条件を満たす行のみを処理します。
    • status列の値が'完了'である
    • order_date列の月の値が12である
  • IF条件が真の場合、price列とquantity列の値を乗算して、その行の売上を計算します。
  • IF条件が偽の場合、0を返します。
  • SUM関数を使用して、すべての行の売上を合計します。
  • 結果は、total_sales_december_2023という名前の列に格納されます。
SELECT
  customer_id,
  AVG(quantity) AS average_quantity_per_customer
FROM orders
GROUP BY customer_id;
  • GROUP BY句を使用して、customer_id列の値ごとにデータをグループ化します。
  • AVG関数を使用して、各グループ内のquantity列の値の平均を計算します。
  • 結果は、customer_idaverage_quantity_per_customerという2つの列を含むテーブルになります。

実行

これらのクエリをMySQLデータベースに対して実行すると、以下の結果が得られます。

total_sales_december_2023
--------------------------
10000.00
customer_id | average_quantity_per_customer
------------+------------------------------
1           | 2.5
2           | 3.0
3           | 1.0



MySQLにおける条件付き集計:代替方法

サブクエリ

サブクエリを使用して、条件付き集計を実行することができます。構文は以下の通りです。

SELECT column_name, aggregate_function(column_value)
FROM table_name
WHERE condition;
  • column_name: 集計する列名
  • aggregate_function: 使用する集計関数(例:SUM、COUNT、AVG)
  • table_name: 集計対象のテーブル名
  • condition: 集計対象となる行を指定する条件
SELECT category, SUM(amount) AS electronics_sales
FROM orders
WHERE category = '電子機器';

利点:

  • 柔軟性:複雑な条件を処理することができます。
  • 可読性:コードがわかりやすい場合がある。

欠点:

  • パフォーマンス:サブクエリは、SUM IFCOUNT IF関数よりも非効率的な場合があります。

CASE式

CASE式を使用して、条件に応じてさまざまな値を返すことができます。構文は以下の通りです。

CASE
  WHEN condition1 THEN value1
  WHEN condition2 THEN value2
  ...
  ELSE valueN
END
  • condition1: 評価される最初の論理式
  • value1: condition1が真の場合に返される値
  • condition2: condition1が偽の場合に評価される次の論理式
  • valueN: すべての条件が偽の場合に返される値
SELECT status, COUNT(*) AS completed_orders
FROM orders
GROUP BY status
HAVING status = '完了';
  • シンプル:簡単な条件付き集計に使用する場合に適しています。
  • 読みやすい:コードがわかりやすい。
  • 複雑な条件:複雑な条件を処理する場合には、CASE式は非効率的になる可能性があります。

ウィンドウ関数

MySQL 8以降では、ウィンドウ関数を使用して、条件付き集計を実行することができます。ウィンドウ関数は、現在の行だけでなく、行のグループ全体にわたって集計を実行することができます。

SELECT category, SUM(amount) OVER (PARTITION BY category) AS electronics_sales
FROM orders;
  • パフォーマンス:大きなデータセットに対して効率的です。
  • 複雑性:ウィンドウ関数は、習得するのが難しい場合があります。
  • 互換性:MySQL 8以降でのみ使用可能です。

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