PostgreSQLでレコードを一意に識別する方法:複合主キーが最強とは限らない
PostgreSQLにおける複合主キー:複数列でレコードを一意に識別する方法
PostgreSQLでは、複数の列を組み合わせた複合主キーを使用して、テーブル内のレコードを一意に識別することができます。これは、単一列の主キーでは不十分な場合に役立ちます。
例
例えば、顧客テーブルがあるとします。このテーブルには、顧客ID、名前、住所などの情報が含まれています。顧客IDを主キーとして使用することはできますが、複数の顧客が同じ名前を持つ可能性があるため、これは最善の方法ではありません。
そこで、顧客IDと名前を組み合わせた複合主キーを使用することができます。これにより、各顧客を一意に識別することができます。
複合主キーを定義するには、CREATE TABLEステートメントを使用します。構文は以下の通りです。
CREATE TABLE table_name (
column1 data_type,
column2 data_type,
...,
PRIMARY KEY (column1, column2, ...)
);
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
address VARCHAR(255)
);
この例では、customer_id
とname
列を組み合わせた複合主キーが定義されています。
複合主キーを使用する利点は次のとおりです。
- 複数の列に基づいてレコードを効率的に検索できます。
- データの整合性を保ちやすくなります。
- 複数の列でレコードを結合しやすくなります。
複合主キーの注意点
複合主キーを使用する際には、次の点に注意する必要があります。
- 使用する列は、一意でNULL値であってはいけません。
- 複数の列で構成されるため、インデックスを作成する際には注意が必要です。
複合主キーは、PostgreSQLでレコードを一意に識別するための強力なツールです。複数の列に基づいてレコードを検索したり、データの整合性を保ったりする必要がある場合は、複合主キーの使用を検討してください。
PostgreSQLにおける複合主キー:サンプルコード
この例では、顧客IDと名前を組み合わせた複合主キーを持つ顧客テーブルを作成します。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT NOT NULL,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
address VARCHAR(255),
PRIMARY KEY (customer_id, name)
);
例2:注文テーブル
CREATE TABLE orders (
order_id INT NOT NULL,
product_id INT NOT NULL,
quantity INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL,
PRIMARY KEY (order_id, product_id)
);
CREATE TABLE students (
student_id INT NOT NULL,
course_id INT NOT NULL,
grade INT NOT NULL,
PRIMARY KEY (student_id, course_id)
);
これらの例は、複合主キーがどのように使用できるかを示すほんの一例です。複合主キーは、さまざまな状況で使用することができます。
複合主キーの使用方法に関するヒント
- 複数の列に基づいてレコードを頻繁に検索または結合する必要がある場合は、複合主キーを使用します。
- データの整合性を保ちたい場合は、複合主キーを使用します。
- 複合主キーを使用すると、テーブルの更新と削除が複雑になる場合があります。
PostgreSQLにおける複合主キーの代替方法
サロゲートキーは、人工的に生成された一意の列です。この列は、テーブル内の他の列とは関係ありませんが、各レコードを一意に識別するために使用されます。
利点
- インデックスの作成と管理が簡単です。
欠点
- データベースの意味がわかりにくくなります。
- アプリケーションでサロゲートキーを生成するロジックを実装する必要があります。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
address VARCHAR(255)
);
この例では、customer_id
列がサロゲートキーとして使用されています。
部分主キーと外部キーを使用して、複数の列でレコードを識別することができます。部分主キーは、テーブル内の複数の列で構成される主キーです。外部キーは、別のテーブルの主キーを参照する列です。
- 複合主キーよりも複雑です。
- インデックスの作成と管理が複雑になる場合があります。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(255) NOT NULL,
address VARCHAR(255)
);
CREATE TABLE orders (
order_id INT PRIMARY KEY,
customer_id INT NOT NULL REFERENCES customers(customer_id),
product_id INT NOT NULL,
quantity INT NOT NULL,
order_date DATE NOT NULL
);
この例では、customers
テーブルのcustomer_id
列が部分主キーとして使用されています。orders
テーブルのcustomer_id
列は、customers
テーブルのcustomer_id
列を参照する外部キーです。
一意性制約を使用して、列の値が重複しないようにすることができます。ただし、一意性制約は、NULL値を許可する点に注意する必要があります。
- シンプルな方法で列の値の一意性を保証できます。
- 複合主キーほど強力ではありません。
- NULL値を許可するため、データの整合性を保ちにくい場合があります。
CREATE TABLE customers (
customer_id INT NOT NULL,
name VARCHAR(255) NOT NULL UNIQUE,
address VARCHAR(255)
);
この例では、customers
テーブルのname
列に一意性制約が設定されています。
複合主キーは、PostgreSQLでレコードを一意に識別する最も一般的な方法ですが、必ずしも最良の方法とは限りません。状況に応じて、サロゲートキー、部分主キーと外部キー、一意性制約などの代替方法を検討する必要があります。
postgresql database-design primary-key