「pg_dump」にパスワードを渡す方法 (Bash, PostgreSQL, Shell)

2024-09-15

日本語:

「pg_dump」はPostgreSQLデータベースのバックアップを作成するコマンドラインツールです。パスワードが必要なデータベースにバックアップを作成する場合、コマンドラインでパスワードを直接入力するか、環境変数またはファイルを介して渡すことができます。

方法1: コマンドラインでの直接入力

pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql

パスワードを要求されたら、プロンプトで直接入力します。

方法2: 環境変数「PGPASSWORD」の使用

export PGPASSWORD=your_password
pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql

環境変数「PGPASSWORD」にパスワードを設定し、コマンドを実行します。

方法3: ファイルからのパスワード読み込み

  1. パスワードをテキストファイルに保存します (例えば、password.txt)。
  2. ファイルのパーミッションを適切に設定します (読み取り権限のみ)。
  3. コマンドラインでファイルを読み込みます:
pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql -c password.txt

オプション「-c」を使用してパスワードファイルを指定します。

注意:

  • セキュリティ上の理由から、環境変数またはファイルにパスワードを保存する場合は、適切なアクセス制御とパーミッション設定を施してください。
  • パスワードを直接コマンドラインに入力する場合、ターミナルの履歴に記録される可能性があります。



pg_dumpにパスワードを渡す方法のコード例解説

pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql
  • 解説:
    • このコマンドを実行すると、パスワード入力を求められます。
    • プロンプトが表示されたら、データベースのパスワードを直接入力します。
  • 注意点:
export PGPASSWORD=your_password
pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql
  • 解説:
    • export PGPASSWORD=your_password で、環境変数PGPASSWORDにパスワードを設定します。
    • 次のコマンド実行時に、pg_dumpが自動的にこの環境変数からパスワードを取得します。
  • 注意点:
    • 環境変数はセッション中に保持されるため、スクリプト実行後もパスワードが設定された状態になります。
    • セキュリティ上、スクリプト終了後には unset PGPASSWORD で環境変数を削除することを推奨します。
pg_dump -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql -c password.txt
  • 解説:
    • -c password.txt オプションで、パスワードが記述されたファイル password.txt を指定します。
    • ファイルの内容は、1行にパスワードのみを記述します。
  • 注意点:
    • ファイルのパーミッションは、読み取り権限のみ付与してください。
    • ファイルの保存場所もセキュリティに配慮し、適切な場所に保存してください。

シェルスクリプトでの活用例

#!/bin/bash

# 変数の設定
HOST="your_host"
USER="your_user"
DATABASE="your_database"
PASSWORD_FILE="password.txt"
DUMP_FILE="dump.sql"

# バックアップ実行
pg_dump -h "$HOST" -U "$USER" -d "$DATABASE" -f "$DUMP_FILE" -c "$PASSWORD_FILE"
  • 解説:
    • シェルスクリプトで、各変数を設定し、pg_dump コマンドを実行しています。
    • ファイルからのパスワード読み込みの例ですが、他の方法も同様に組み込むことができます。
  • psqlコマンド:
  • セキュリティ:
    • パスワードの取り扱いはセキュリティ上非常に重要です。
    • 環境変数やファイルへの保存、コマンドラインでの直接入力など、それぞれにメリットとデメリットがあります。
    • 状況に合わせて適切な方法を選択し、セキュリティ対策を徹底してください。



psqlコマンドの利用

pg_dumpの代わりに、対話型のSQLシェルであるpsqlを利用してバックアップを作成することも可能です。

psql -h your_host -U your_user -d your_database -c "\COPY (SELECT * FROM your_table) TO 'dump.sql'"
  • メリット:
    • より柔軟なSQL操作が可能。
    • 特定のテーブルやデータを抽出したい場合に有効。
  • デメリット:

pg_dumpallコマンドの利用

データベース全体をバックアップしたい場合は、pg_dumpallコマンドを使用します。

pg_dumpall -h your_host -U your_user -d your_database -f dump.sql
  • メリット:
    • データベース全体を一度にバックアップできる。
    • 拡張やロールなどのデータベースオブジェクトもバックアップできる。
  • デメリット:

sshトンネルの利用

リモートのPostgreSQLサーバーに接続する際に、sshトンネルを利用することで、パスワードを暗号化して転送することができます。

ssh -L 5433:localhost:5432 your_user@your_host -N
pg_dump -h localhost -U your_user -d your_database -f dump.sql
  • メリット:
    • パスワードが平文でネットワークを転送されない。
    • sshの認証方式(鍵認証など)を利用できる。
  • デメリット:
    • 設定がやや複雑になる。

.pgpassファイルの利用

.pgpassファイルにパスワードを保存し、pg_dumpが自動的に読み込むように設定することもできます。

# .pgpassファイルの内容
host	user	password	database
your_host	your_user	your_password	your_database
  • メリット:
  • デメリット:
    • ファイルのパーミッション設定に注意が必要。
    • セキュリティリスクが高いため、慎重に利用する必要がある。
  • スクリプト言語の利用:
  • パスワードマネージャーの利用:

選択基準

  • セキュリティ: sshトンネル、.pgpassファイルの利用は、パスワードの漏洩リスクを低減できます。
  • 柔軟性: psqlコマンドは、より柔軟なSQL操作が可能です。
  • 簡便性: コマンドラインでの直接入力は、最もシンプルですが、セキュリティリスクが高いです。
  • 環境: ネットワーク環境、システム設定、セキュリティポリシーによって、最適な方法が異なります。

どの方法を選択するかは、セキュリティ要件、システム環境、運用状況などを総合的に考慮して決定する必要があります。

注意点

  • パスワードの取り扱い: パスワードは極めて重要な情報です。漏洩すると、不正アクセスやデータの改ざんに繋がる可能性があります。
  • パーミッション: ファイルのパーミッション設定を誤ると、意図しないユーザーにパスワードが漏洩する可能性があります。
  • 環境変数: 環境変数にパスワードを設定する場合は、スクリプト終了後に必ず削除するなど、適切な処理を行う必要があります。

bash postgresql shell



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