pgcrypto モジュールでパスワードをハッシュ化する:ステップバイステップガイド
PostgreSQL でパスワードをハッシュ化する:セキュリティを強化するための詳細ガイド
このリスクを回避するために、パスワードをハッシュ化する必要があります。ハッシュ化とは、パスワードを不可逆的な値に変換するプロセスです。たとえデータベースが侵害されても、ハッシュ値から元のパスワードを復元することはできません。
PostgreSQL には、パスワードを安全にハッシュ化するためのいくつかの方法があります。ここでは、最も一般的で推奨される 2 つの方法をご紹介します。
pgcrypto モジュールを使用する
PostgreSQL 9.1 以降には、pgcrypto モジュールが組み込まれています。このモジュールには、様々な暗号化関数とハッシュ関数が含まれています。パスワードのハッシュ化には、以下の手順で pbkdf2_sha256()
関数を使用することができます。
-- 1. ランダムなソルトを生成する
SELECT gen_salt('bf', 25);
-- 2. ソルトとパスワードを連結する
-- 例:パスワードが 'password' の場合
SELECT CONCAT(gen_salt('bf', 25), crypt('password', pg_result.value));
このコードは、まず gen_salt()
関数を使用して、ランダムなソルトを生成します。ソルトは、ハッシュ化プロセスに追加のランダム性を提供し、ブルートフォース攻撃をより困難にするために使用されます。
次に、crypt()
関数を使用して、パスワードとソルトを連結し、ハッシュ値を生成します。crypt()
関数は、デフォルトで PBKDF2 アルゴリズムと SHA-256 ハッシュ関数を使用します。
生成されたハッシュ値は、データベースにパスワードとして保存します。
scram-sha-256 認証を使用する
PostgreSQL 9.5 以降では、scram-sha-256 認証をサポートしています。これは、より安全で使いやすい認証メカニズムです。
scram-sha-256 認証を使用するには、以下の手順が必要です。
scram
モジュールをインストールする。- ユーザーを認証するための SQL 関数を作成する。
scram-sha-256 認証は、より複雑ですが、より高いレベルのセキュリティを提供します。
どちらの方法を選択すべきか?
一般的には、pgcrypto モジュールを使用する方が簡単です。しかし、scram-sha-256 認証は、より高いレベルのセキュリティを提供するため、特に高セキュリティが必要な環境では推奨されます。
- コンピュータにファイアウォールとアンチウイルスソフトウェアをインストールしてください。
- パスワードを他の人と共有しないでください。
- 定期的にパスワードを変更してください。
- 常に強力なパスワードを使用してください。パスワードは、少なくとも 12 文字の長さで、大文字、小文字、数字、および記号を含むようにしてください。
-- 1. ランダムなソルトを生成する
SELECT gen_salt('bf', 25);
-- 2. ソルトとパスワードを連結する
-- 例:パスワードが 'password' の場合
SELECT CONCAT(gen_salt('bf', 25), crypt('password', pg_result.value));
以下の例は、scram-sha-256 認証を使用してパスワードをハッシュ化する方法を示しています。
-- 1. scram モジュールをインストールする
CREATE EXTENSION scram;
-- 2. ユーザー名、パスワード、およびその他の認証データを格納するための新しいスキーマを作成する
CREATE SCHEMA scram_auth;
-- 3. scram_auth スキーマにテーブルを作成する
CREATE TABLE scram_auth.users (
user_id SERIAL PRIMARY KEY,
username VARCHAR(255) NOT NULL UNIQUE,
salt BYTEA NOT NULL,
iteration_count INTEGER NOT NULL,
stored_key BYTEA NOT NULL
);
-- 4. ユーザーを認証するための SQL 関数を作成する
CREATE OR REPLACE FUNCTION scram_auth.authenticate(
username VARCHAR(255),
password VARCHAR(255)
)
RETURNS BOOLEAN
AS $$
BEGIN
-- ユーザー情報を取得する
SELECT salt, iteration_count, stored_key
FROM scram_auth.users
WHERE username = $1;
IF NOT FOUND THEN
RETURN FALSE;
END IF;
-- スクランブル認証手順を実行する
IF scram_verify(
$1, $2,
pg_result.value::bytea,
pg_result.value::integer,
pg_result.value::bytea
) THEN
RETURN TRUE;
ELSE
RETURN FALSE;
END IF;
END $$ LANGUAGE plpgsql;
-- 5. ユーザーを登録する
INSERT INTO scram_auth.users (
username,
salt,
iteration_count,
stored_key
)
VALUES (
'johndoe',
(SELECT gen_salt('bf', 25)),
32768,
(SELECT scram_hash(
'johndoe',
'mypassword',
pg_result.value::bytea,
pg_result.value::integer
))
);
この例では、scram_auth
という名前の新しいスキーマを作成し、その中に users
という名前のテーブルを作成します。このテーブルには、ユーザー名、パスワード、ソルト、およびイテレーションカウントを格納する列が含まれています。
scram_auth.authenticate()
関数は、ユーザーを認証するために使用されます。この関数は、ユーザー名とパスワードを受け取り、データベースに保存されている値と比較します。値が一致すれば、認証は成功します。
MD5 は、古いハッシュ関数ですが、依然として広く使用されています。比較的処理速度が速いため、大規模なデータベースでの使用に適しています。
利点:
- 広く使用されている
- 処理速度が速い
欠点:
- 非推奨
- 衝突攻撃に対して脆弱である
SHA-1 ハッシュ関数
SHA-1 は、MD5 よりも安全なハッシュ関数です。しかし、MD5 よりも処理速度が遅いため、大規模なデータベースでの使用には適していない場合があります。
- MD5 よりも安全である
- MD5 よりも処理速度が遅い
SHA-256 は、現在最も広く使用されているハッシュ関数の一つです。MD5 や SHA-1 よりも安全で、処理速度も比較的速いため、ほとんどの用途に適しています。
- MD5 や SHA-1 よりも安全である
- MD5 や SHA-1 よりも新しいハッシュ関数であるため、一部の古いシステムではサポートされていない場合があります
Argon2id ハッシュ関数
Argon2id は、比較的新しいハッシュ関数ですが、非常に安全で、処理速度も比較的速いため、高セキュリティが必要な環境に適しています。
- 非常に安全である
security postgresql hash