PostgreSQLエラー「サブクエリが式として使用されたときに複数の行が返されました」の原因と解決策
PostgreSQLエラー「サブクエリが式として使用されたときに複数の行が返されました」の原因と解決策
このエラーの最も一般的な原因は以下の2つです。
- サブクエリが複数の列を選択している: サブクエリが1つ以上の列を選択している場合、このエラーが発生する可能性があります。式で使用するには、サブクエリは単一の列のみを選択する必要があります。
- 間違った比較演算子を使用している: サブクエリを式で使用している場合は、
=
または!=
などの等価比較演算子を使用する必要があります。不等号(<
、<=
、>
、>=
)を使用すると、このエラーが発生する可能性があります。
このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を実行する必要があります。
- サブクエリが単一の値を返すように修正する: サブクエリが複数の列を選択している場合は、必要な列のみを選択するように修正する必要があります。サブクエリが不等号を使用している場合は、等価比較演算子に置き換える必要があります。
- CASE式を使用する: サブクエリが複数の行を返す必要がある場合は、CASE式を使用して、サブクエリの結果に基づいて値を割り当てることができます。
以下の例は、CASE式を使用してサブクエリ結果を処理する方法を示しています。
SELECT
customer_id,
CASE
WHEN (SELECT COUNT(*) FROM orders WHERE customer_id = c.customer_id) > 10 THEN 'VIP'
ELSE '普通'
END AS customer_level
FROM customers AS c;
この例では、customers
テーブルから顧客IDと顧客レベルを選択します。顧客レベルは、orders
テーブルからその顧客の注文数を示すサブクエリを使用して決定されます。注文数が10を超える場合は、顧客レベルは「VIP」に設定されます。それ以外の場合は、「普通」に設定されます。
PostgreSQLにおけるサブクエリを使用したサンプルコード
例1: 顧客とその注文を表示する
この例では、customers
テーブルとorders
テーブルから顧客とその注文情報を取得します。各顧客の注文数は、サブクエリを使用して算出されます。
SELECT
customers.customer_name,
orders.order_id,
(SELECT COUNT(*) FROM orders WHERE orders.customer_id = customers.customer_id) AS order_count
FROM customers
JOIN orders ON customers.customer_id = orders.customer_id;
例2: 特定の価格帯の製品を表示する
この例では、products
テーブルから、価格が10ドルから20ドルの範囲にある製品を表示します。サブクエリを使用して、価格範囲を指定します。
SELECT *
FROM products
WHERE price >= (SELECT MIN(price) FROM products WHERE price BETWEEN 10 AND 20)
AND price <= (SELECT MAX(price) FROM products WHERE price BETWEEN 10 AND 20);
例3: 従業員の平均給与を計算する
この例では、employees
テーブルから従業員の平均給与を計算します。サブクエリを使用して、平均給与を算出します。
SELECT AVG(salary)
FROM employees;
例4: 在庫切れの製品を特定する
この例では、products
テーブルとinventory
テーブルを使用して、在庫切れの製品を特定します。サブクエリを使用して、各製品の在庫量を確認します。
SELECT products.product_name
FROM products
WHERE NOT EXISTS (
SELECT * FROM inventory
WHERE inventory.product_id = products.product_id
AND inventory.quantity > 0
);
これらの例は、PostgreSQLでサブクエリがどのように使用できるかを示すほんの一例です。サブクエリは、複雑なデータ処理を実行するための強力なツールです。
結合を使用する:
サブクエリが別のテーブルからデータを JOIN する必要がある場合は、結合を使用してクエリを書き換えることができます。これにより、サブクエリを排除して、エラーを回避できます。
例:
元のクエリ:
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id IN (
SELECT customer_id
FROM orders
WHERE order_amount > 100
);
書き換え後のクエリ:
SELECT c.*
FROM customers AS c
JOIN orders AS o ON c.customer_id = o.customer_id
WHERE o.order_amount > 100;
EXISTS 句を使用する:
SELECT *
FROM customers
WHERE EXISTS (
SELECT *
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id
AND order_amount > 100
);
SELECT c.*
FROM customers AS c
WHERE EXISTS (
SELECT 1
FROM orders AS o
WHERE o.customer_id = c.customer_id
AND o.order_amount > 100
LIMIT 1
);
ウィンドウ関数を使用する:
SELECT c.*,
(
SELECT COUNT(*)
FROM orders
WHERE customer_id = c.customer_id
) AS order_count
FROM customers AS c;
SELECT c.*,
COUNT(*) OVER (PARTITION BY c.customer_id) AS order_count
FROM customers AS c;
CTE (共通表式表現) を使用する:
複雑なサブクエリをより小さな、より管理しやすい部分クエリに分割する必要がある場合は、CTEを使用してクエリを書き換えることができます。これにより、コードの可読性と保守性を向上させることができます。
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id IN (
SELECT customer_id
FROM orders
WHERE order_amount > 100
);
WITH high_orders AS (
SELECT customer_id
FROM orders
WHERE order_amount > 100
)
SELECT *
FROM customers
WHERE customer_id IN (
SELECT customer_id
FROM high_orders
);
これらの代替方法は、状況に応じてそれぞれ利点と欠点があります。最適な解決方法は、特定のクエリとデータセットによって異なります。
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