PostgreSQLのIN句: 初心者向けガイド - パラメータの最大数、制限の回避方法、代替方法など
PostgreSQLにおけるIN句のパラメータの最大数
PostgreSQLのバージョン
- PostgreSQL 10以前:最大1000個
- PostgreSQL 11以降:最大2の64乗個(約922億3372億個)
個々のパラメータのサイズ
- 個々のパラメータが2KBを超えると、最大数は減少します。
- 具体的な減少量は、PostgreSQLのバージョンと使用しているハードウェアによって異なります。
クエリ全体のサイズ
- クエリ全体のサイズがサーバー設定の
max_query_len
を超えると、エラーが発生します。 max_query_len
のデフォルト値は1MBですが、変更可能です。
使用しているデータ型
- 使用しているデータ型によっては、最大数が制限される場合があります。
- 例えば、
text
型の場合、最大数は1GBとなります。
確認方法
PostgreSQLでIN句を使用する前に、以下のコマンドを使用して、最大数を確認することをお勧めします。
SHOW max_parameters_in_in_clause;
例
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10);
上記の例では、id
列が10個のパラメータを含むIN句でフィルターされています。
制限を回避する方法
IN句のパラメータ数が最大数を超える場合、以下の方法で制限を回避できます。
- CASE式を使用する
SELECT *
FROM table
WHERE CASE id
WHEN 1 THEN TRUE
WHEN 2 THEN TRUE
WHEN 3 THEN TRUE
...
ELSE FALSE
END;
- JOINを使用する
SELECT *
FROM table t
JOIN (
SELECT id
FROM (
VALUES (1), (2), (3), ...
) AS t2
) AS t3 ON t.id = t3.id;
- サブクエリを使用する
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (
SELECT id
FROM table2
);
これらの方法は、IN句のパラメータ数を減らすことで、パフォーマンスを向上させることもできます。
-- テーブルの作成
CREATE TABLE IF NOT EXISTS table (
id INT,
name VARCHAR(255)
);
-- データの挿入
INSERT INTO table (id, name) VALUES (1, 'John Doe');
INSERT INTO table (id, name) VALUES (2, 'Jane Doe');
INSERT INTO table (id, name) VALUES (3, 'Peter Smith');
-- IN句を使用したSELECT
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (1, 2, 3);
-- CASE式を使用したSELECT
SELECT *
FROM table
WHERE CASE id
WHEN 1 THEN TRUE
WHEN 2 THEN TRUE
WHEN 3 THEN TRUE
ELSE FALSE
END;
-- JOINを使用したSELECT
SELECT *
FROM table t
JOIN (
SELECT id
FROM (
VALUES (1), (2), (3)
) AS t2
) AS t3 ON t.id = t3.id;
-- サブクエリを使用したSELECT
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (
SELECT id
FROM table2
);
このコードを実行すると、以下の結果が出力されます。
id | name
------- | --------
1 | John Doe
2 | Jane Doe
3 | Peter Smith
- IN句を使用して、特定の文字列を含むレコードを検索します。
SELECT *
FROM table
WHERE name IN ('John Doe', 'Jane Doe');
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (NULL);
- IN句を使用して、別のテーブルの値を検索します。
SELECT *
FROM table t
WHERE id IN (
SELECT id
FROM table2
);
注意事項
- IN句を使用する際には、パラメータ数が最大数を���えないように注意する必要があります。
- パラメータ数が多���場合は、CASE式、JOIN、サブクエリなどの代替方法を使用することを検討してください。
IN句の代替方法
CASE式を使用すると、複数の条件をOR条件で結合することができます。
SELECT *
FROM table
WHERE CASE id
WHEN 1 THEN TRUE
WHEN 2 THEN TRUE
WHEN 3 THEN TRUE
ELSE FALSE
END;
この例では、id
列が1、2、または3の場合、レコードが選択されます。
JOINを使用すると、別のテーブルの値を比較することができます。
SELECT *
FROM table t
JOIN (
SELECT id
FROM (
VALUES (1), (2), (3)
) AS t2
) AS t3 ON t.id = t3.id;
この例では、table
テーブルの id
列が、t2
テーブルの id
列のいずれかの値と一致するレコードが選択されます。
サブクエリを使用すると、複雑な条件を記述することができます。
SELECT *
FROM table
WHERE id IN (
SELECT id
FROM table2
);
EXISTS句を使用すると、サブクエリにレコードが存在するかどうかを確認することができます。
SELECT *
FROM table
WHERE EXISTS (
SELECT *
FROM table2
WHERE table2.id = table.id
);
SELECT *
FROM table
WHERE ANY (
SELECT id
FROM table2
WHERE table2.id > table.id
);
使用する方法は、条件の複雑さやパフォーマンス要件によって異なります。
- 条件が単純な場合は、IN句を使用するのが最も効率的です。
- 条件が複雑な場合は、CASE式、JOIN、サブクエリなどの方法を使用する必要があります。
- パフォーマンスが重要な場合は、EXPLAINを使用して、どの方法が最適かを判断する必要があります。
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