ON DUPLICATE KEY IGNORE と INSERT IGNORE の違いを分かりやすく解説
MySQLのON DUPLICATE KEY IGNOREについて
ON DUPLICATE KEY IGNORE
は、MySQLのINSERT
ステートメントで使用されるオプションです。このオプションを指定すると、重複するキーを持つ行が挿入された場合、その行は無視され、エラーが発生しません。
動作
ON DUPLICATE KEY IGNORE
を指定したINSERT
ステートメントが実行されると、以下の処理が行われます。
- 挿入しようとしている行のキーが、テーブル内にすでに存在するかどうかをチェックします。
- キーが存在する場合、その行は無視されます。
例
INSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe') ON DUPLICATE KEY IGNORE;
この例では、users
テーブルにid
が1の行がすでに存在する場合、その行は無視され、エラーは発生しません。
注意事項
ON DUPLICATE KEY IGNORE
を使用すると、重複するキーを持つ行が挿入されないため、データの整合性が損なわれる可能性があります。ON DUPLICATE KEY IGNORE
は、INSERT
ステートメントでのみ使用できます。UPDATE
ステートメントでは使用できません。
補足
ON DUPLICATE KEY IGNORE
とINSERT IGNORE
の違い
ON DUPLICATE KEY IGNORE
: 重複するキーを持つ行は無視され、エラーは発生しません。INSERT IGNORE
: 重複するキーを持つ行は無視され、エラーも発生しません。ただし、AUTO_INCREMENT
列の値は増加します。
- データの整合性が重要である場合は、
ON DUPLICATE KEY IGNORE
を使用するべきです。 - データの整合性よりもパフォーマンスが重要である場合は、
INSERT IGNORE
を使用するべきです。
INSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'John Doe') ON DUPLICATE KEY UPDATE name = 'Jane Doe';
-- テーブルusersを作成
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255)
);
-- 重複するキーを持つ行を挿入
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
-- 重複するキーを持つ行は無視され、エラーは発生しない
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe') ON DUPLICATE KEY IGNORE;
-- テーブルusersの内容を確認
SELECT * FROM users;
-- 結果
-- id | name
-- --- | ---
-- 1 | John Doe
-- 2 | John Doe
INSERT IGNOREを使用する例
-- テーブルusersを作成
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255)
);
-- 重複するキーを持つ行を挿入
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
-- 重複するキーを持つ行は無視され、エラーは発生しない
INSERT IGNORE INTO users (name) VALUES ('John Doe');
-- テーブルusersの内容を確認
SELECT * FROM users;
-- 結果
-- id | name
-- --- | ---
-- 1 | John Doe
-- 2 | John Doe
-- 3 | John Doe
ON DUPLICATE KEY UPDATEを使用する例
-- テーブルusersを作成
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255)
);
-- 重複するキーを持つ行を挿入
INSERT INTO users (name) VALUES ('John Doe');
-- 重複するキーを持つ行が存在する場合、その行を更新
INSERT INTO users (id, name) VALUES (1, 'Jane Doe') ON DUPLICATE KEY UPDATE name = 'Jane Doe';
-- テーブルusersの内容を確認
SELECT * FROM users;
-- 結果
-- id | name
-- --- | ---
-- 1 | Jane Doe
これらのサンプルコードは、MySQLのON DUPLICATE KEY IGNOREオプションの使用方法を理解するのに役立ちます。
ON DUPLICATE KEY IGNORE 以外の方法
UNIQUE
制約を列に設定すると、その列に重複する値を持つ行を挿入できなくなります。
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) UNIQUE
);
この例では、users
テーブルのname
列にUNIQUE
制約を設定しています。このため、name
列に同じ値を持つ行を挿入しようとすると、エラーが発生します。
CHECK
制約を使用して、列の値が特定の条件を満たしていることを確認できます。
CREATE TABLE users (
id INT PRIMARY KEY AUTO_INCREMENT,
name VARCHAR(255) CHECK (name <> 'John Doe')
);
INSERT ... SELECT
を使用して、別のテーブルからデータを選択して挿入することができます。
INSERT INTO users (id, name)
SELECT id, name
FROM other_table
WHERE name NOT IN (SELECT name FROM users);
この例では、other_table
テーブルからusers
テーブルにデータを選択して挿入しています。ただし、name
列にすでに存在する値は挿入されません。
アプリケーション側で処理を行うことで、重複するキーを持つ行を処理することができます。
- 重複するキーを持つ行を事前にチェックする
- データの整合性が重要である場合は、
UNIQUE
制約またはCHECK
制約を使用するべきです。 - アプリケーション側で処理を行う必要がある場合は、アプリケーション側で処理を行うべきです。
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