MySQL/MariaDB Master-Master 複製における AUTO_INCREMENT による "Duplicate entry for key 'PRIMARY'" エラーの解決

2024-04-12

MySQL/MariaDB Master-Master 複製における AUTO_INCREMENT による "Duplicate entry for key 'PRIMARY'" エラーの解決

MySQL/MariaDB の Master-Master 複製環境において、AUTO_INCREMENT を使用している場合、PRIMARY キー重複エラーが発生する可能性があります。これは、両方のマスターサーバーで同時に同じ ID が割り当てられる可能性があるためです。

原因

AUTO_INCREMENT は、レコード挿入時に自動的に ID を割り当てる機能です。デフォルトでは、各マスターサーバーは独立した ID シーケンスを使用します。そのため、同時に同じレコードが両方のマスターサーバーに挿入されると、両方のサーバーで同じ ID が割り当てられ、PRIMARY キー重複エラーが発生します。

解決策

この問題を解決するには、以下の方法があります。

シーケンス管理ツールを使用する

MySQL/MariaDB には、galeraxtradb などのシーケンス管理ツールが用意されています。これらのツールは、両方のマスターサーバー間で ID シーケンスを同期することで、PRIMARY キー重複エラーを防ぎます。

AUTO_INCREMENT を無効にし、代わりにアプリケーション側で ID を割り当てる方法もあります。この方法は、アプリケーション側で ID 生成ロジックを実装する必要があるため、複雑になる可能性があります。

トリガーを使用して、挿入前に ID を調整する方法もあります。例えば、挿入前に ID を取得し、その ID を使用してレコードを挿入するトリガーを作成できます。

異なるカラムを PRIMARY キーとして使用する

AUTO_INCREMENT を使用するカラム以外を PRIMARY キーとして使用する方法は、最も簡単な解決策です。ただし、この方法は、既存のデータベーススキーマを変更する必要がある場合があるため、注意が必要です。

補足

  • 上記の解決策は、一般的な方法であり、状況によって最適な方法は異なります。
  • 具体的な解決方法は、使用している MySQL/MariaDB のバージョンや環境によって異なる場合があります。
  • 変更を行う前に、必ずバックアップを取るようにしてください。

用語解説

  • Master-Master 複製: 複数のサーバーが互いにデータを複製し、すべてのサーバーが読み書き可能な構成
  • AUTO_INCREMENT: レコード挿入時に自動的に ID を割り当てる機能
  • PRIMARY キー: テーブル内で一意なレコードを識別するためのカラム



# Galera の場合

CREATE TABLE my_table (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
) ENGINE=InnoDB;

# シーケンスを初期化
SET @@global.gtid_mode=ON;
SET @@global.binlog_format='ROW';
START TRANSACTION;
INSERT INTO my_table (name) VALUES ('test');
COMMIT;

# 複製を開始
START SLAVE;

AUTO_INCREMENT を無効にする

CREATE TABLE my_table (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
) ENGINE=InnoDB;

# アプリケーション側で ID を生成
INSERT INTO my_table (id, name) VALUES (1, 'test');

トリガーを使用する

CREATE TABLE my_table (
  id INT NOT NULL AUTO_INCREMENT,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (id)
) ENGINE=InnoDB;

DELIMITER //

CREATE TRIGGER before_insert BEFORE INSERT ON my_table
FOR EACH ROW
BEGIN
  SET NEW.id = LAST_INSERT_ID(1) + 1;
END;
//

DELIMITER ;

# トリガーが有効
INSERT INTO my_table (name) VALUES ('test');
CREATE TABLE my_table (
  id INT NOT NULL,
  name VARCHAR(255) NOT NULL,
  PRIMARY KEY (name)
) ENGINE=InnoDB;

# name カラムを PRIMARY キーとして使用
INSERT INTO my_table (id, name) VALUES (1, 'test');

注意事項

  • 上記のコードは、サンプルであり、環境に合わせて変更する必要があります。



アプリケーション側で排他制御を行うことで、同時に同じ ID が割り当てられることを防ぐことができます。例えば、レコード挿入前にロックを取得し、挿入後にロックを解放する方法があります。

異なるデータベースを使用することで、ID シーケンスの衝突を回避することができます。例えば、読み込み用のデータベースと書き込み用のデータベースを分ける方法があります。

シャーディングを使用することで、データを複数のシャードに分散させることができます。シャードごとに独立した ID シーケンスを使用することで、PRIMARY キー重複エラーを防ぐことができます。

クラウドサービスを使用する

Amazon RDS や Google Cloud SQL などのクラウドサービスを使用する場合は、ID シーケンスの管理が自動的に行われるため、PRIMARY キー重複エラーが発生する可能性は低くなります。

  • 上記の方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。
  • 具体的な方法は、使用している環境や要件によって異なります。

mysql mariadb auto-increment


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