【超解説】SQLiteトリガーの奥深さを探る!実行順序の制御テクニック
SQLiteにおけるトリガーの実行順序
トリガーの種類を利用する
SQLiteでは、以下の3種類のトリガーが用意されています。
- BEFORE トリガー: ステートメントが実行される前に実行されます。
- INSTEAD OF トリガー: ステートメントの代わりに実行されます。
これらのトリガーの種類を利用することで、ある程度の実行順序を制御することができます。例えば、INSERT操作に対してBEFOREトリガーとAFTERトリガーを設定する場合、BEFOREトリガーが先に実行されるように設定できます。
トリガー同士で依存関係を定義することで、実行順序を制御することができます。例えば、トリガーAがトリガーBの起動条件となっている場合、トリガーBはトリガーAが実行された後に実行されます。
名前空間を利用する
トリガーに名前空間を付与することで、グループ化することができます。同じ名前空間を持つトリガーは、その名前空間の順序で実行されます。
PRAGMA を利用する
SQLiteには、PRAGMA TRIGGER_ORDER
という特殊なコマンドが用意されています。このコマンドを使用することで、トリガーの実行順序を個別に設定することができます。ただし、このコマンドはSQLiteの拡張機能であり、すべての環境で利用できるわけではありません。
注意事項
上記の方法でトリガーの実行順序を制御する場合、以下の点に注意する必要があります。
- トリガーの依存関係が循環していると、無限ループが発生する可能性があります。
- 名前空間を利用する場合、すべてのトリガーに名前空間を付与する必要があります。
PRAGMA TRIGGER_ORDER
は、すべての環境で利用できるわけではありません。
SQLiteでは、トリガーの実行順序を明示的に定義する方法はありません。しかし、いくつかのテクニックを用いることで、ある程度の制御を実現することは可能です。トリガーの種類、依存関係、名前空間、PRAGMAなどを組み合わせることで、様々な実行順序を定義することができます。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TRIGGER before_insert_user BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 新規ユーザーのメールアドレスに '@example.com' を付与する
IF (NEW.email NOT LIKE '%@example.com') THEN
UPDATE NEW SET email = NEW.email || '@example.com';
END IF;
END;
CREATE TRIGGER after_insert_user AFTER INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 新規ユーザーの登録をログに出力する
INSERT INTO user_logs (user_id, action) VALUES (NEW.id, 'INSERT');
END;
この例では、before_insert_user
トリガーが INSERT
ステートメントが実行される前に実行され、新規ユーザーのメールアドレスに @example.com
を付与します。その後、after_insert_user
トリガーが INSERT
ステートメントが実行された後に実行され、新規ユーザーの登録をログに出力します。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TRIGGER before_update_user BEFORE UPDATE ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 更新前のメールアドレスを保存する
INSERT INTO user_logs (user_id, action, old_email)
VALUES (OLD.id, 'UPDATE', OLD.email);
END;
CREATE TRIGGER after_update_user AFTER UPDATE ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 更新後のメールアドレスをログに出力する
INSERT INTO user_logs (user_id, action, new_email)
VALUES (NEW.id, 'UPDATE', NEW.email);
END;
この例では、before_update_user
トリガーが UPDATE
ステートメントが実行される前に実行され、更新前のメールアドレスをログに保存します。その後、after_update_user
トリガーが UPDATE
ステートメントが実行された後に実行され、更新後のメールアドレスをログに出力します。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TRIGGER log_user_actions_before BEFORE INSERT OR UPDATE OR DELETE ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- ユーザーのアクションをログに出力する
INSERT INTO user_logs (user_id, action) VALUES (NEW.id, UPPER(substr(TRIGGER.name, 6)));
END;
この例では、log_user_actions_before
トリガーに log_user_actions
という名前空間を付与し、INSERT
、UPDATE
、DELETE
操作に対して実行されるように設定しています。トリガーが実行されると、TRIGGER.name
変数を使用してトリガーの名前を取得し、その名前からアクションの種類を判断してログに出力します。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
PRAGMA TRIGGER_ORDER BEFORE, AFTER;
CREATE TRIGGER before_insert_user BEFORE INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 新規ユーザーのメールアドレスに '@example.com' を付与する
IF (NEW.email NOT LIKE '%@example.com') THEN
UPDATE NEW SET email = NEW.email || '@example.com';
END IF;
END;
CREATE TRIGGER after_insert_user AFTER INSERT ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
-- 新規ユーザーの登録をログに出力する
INSERT INTO user_logs (user_id, action) VALUES (NEW.id, 'INSERT');
END;
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY AUTOINCREMENT,
name TEXT NOT NULL,
email TEXT UNIQUE NOT NULL
);
CREATE TRIGGER user_operation_trigger AFTER INSERT OR UPDATE OR DELETE ON users
FOR EACH ROW
BEGIN
CALL user_operation(NEW.id, NEW.name, NEW.email, TRIGGER.name);
END;
CREATE PROCEDURE user_operation(
user_id INTEGER,
user_name TEXT,
user_email TEXT,
trigger_name TEXT
)
BEGIN
-- ユーザーのアクションに応じて処理を実行する
CASE trigger_name
WHEN 'INSERT' THEN
-- 新規ユーザーの登録処理
WHEN 'UPDATE' THEN
-- ユーザー情報更新処理
WHEN 'DELETE' THEN
-- ユーザー削除処理
END CASE;
END;
この例では、user_operation_trigger
トリガーが INSERT
、UPDATE
、DELETE
操作に対して実行され、ストアドプロシージャ user_operation
を呼び出します。user_operation
プロシージャ内では、TRIGGER.name
変数を使用してトリガーの名前を取得し、その名前からアクションの種類を判断して処理を実行します。
外部ライブラリを利用する
SQLiteには、トリガーの実行順序を制御するための外部ライブラリがいくつか存在します。これらのライブラリを利用することで、より柔軟な制御が可能になります。
上記の方法を使用する場合は、ライブラリがSQLiteのバージョンと互換性があることを確認する必要があります。また、ライブラリの使用方法に関するドキュメントをよく読んでから使用するようにしてください。
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