C#, ASP.NET, SQL Serverで高速データ挿入の秘訣
C#, ASP.NET, SQL Server を使用して200万行をSQL Serverに高速に挿入する方法
大量のデータをSQL Serverに挿入する必要があることはよくあるシナリオです。 従来の方法で逐一挿入しようとすると、非常に時間がかかってしまう可能性があります。
そこで、今回は、C#, ASP.NET, SQL Server を使用して200万行のデータを高速に挿入する方法を2つご紹介します。
SQL Server Integration Services (SSIS) は、データの抽出、変換、ロード (ETL) を自動化するためのマイクロソフトのツールです。 SSIS は、大規模なデータセットをSQL Serverに効率的に挿入するために特別に設計されています。
手順:
- Visual Studioで新しいSSISプロジェクトを作成します。
- データフロータスクを追加します。
- データフロータスクの ソース として、挿入するデータを含むファイルを指定します。
- データフロータスクの 変換 として、OLE DB変換を追加します。
- OLE DB変換を SQL Server宛ての出力 に設定します。
- OLE DB変換の 接続マネージャー として、SQL Serverへの接続を指定します。
- OLE DB変換の テーブルまたはビュー として、挿入するテーブルを指定します。
方法 2:バルクインサートを使用する
バルクインサートは、SQL Serverが提供する高速なデータ挿入方法です。 バルクインサートは、一括で大量のデータを挿入することで、従来の挿入方法よりも大幅に高速化することができます。
- C#アプリケーションで、SQL Serverへの接続を確立します。
SqlBulkCopy
クラスの新しいインスタンスを作成します。SqlBulkCopy
インスタンスの DestinationTableName プロパティを挿入するテーブルに設定します。SqlBulkCopy
インスタンスの **WriteToServer` メソッドを使用して、データを挿入します。
例:
using System;
using System.Data.SqlClient;
public class BulkInsertExample
{
public static void Main()
{
// SQL Serverへの接続を確立する
using (var connection = new SqlConnection("connection string"))
{
connection.Open();
// SqlBulkCopy インスタンスを作成する
using (var bulkCopy = new SqlBulkCopy(connection))
{
// DestinationTableName プロパティを設定する
bulkCopy.DestinationTableName = "MyTable";
// データを挿入する
var data = new DataTable();
// データを DataTable に追加する
bulkCopy.WriteToServer(data);
}
}
}
}
高速化のヒント
- トランザクションを使用しない: トランザクションを使用すると、挿入のパフォーマンスが低下する可能性があります。
- インデックスを無効にする: 挿入中はインデックスを無効にし、挿入後に再度有効にします。
- バッチサイズを調整する:
SqlBulkCopy
インスタンスのBatchSize
プロパティを使用して、バッチサイズを調整することができます。 バッチサイズを大きくすると、パフォーマンスが向上する可能性がありますが、メモリ使用量も増加します。 - IDENTITY 列を使用しない: IDENTITY 列を使用すると、挿入のパフォーマンスが低下する可能性があります。 代わりに、別の列を使用して主キーを指定することができます。
上記で紹介した2つの方法は、C#, ASP.NET, SQL Server を使用して200万行のデータをSQL Serverに高速に挿入する方法です。 具体的な方法は、データの量、パフォーマンス要件、およびその他の要因によって異なります。
using System;
using System.Data;
using System.Data.SqlClient;
public class BulkInsertExample
{
public static void Main()
{
// 接続文字列
const string connectionString = "connection string";
// 挿入するテーブル名
const string tableName = "MyTable";
// データソース
var data = GenerateData();
// SQL Serverへの接続を確立する
using (var connection = new SqlConnection(connectionString))
{
connection.Open();
// SqlBulkCopy インスタンスを作成する
using (var bulkCopy = new SqlBulkCopy(connection))
{
// DestinationTableName プロパティを設定する
bulkCopy.DestinationTableName = tableName;
// 列のマッピングを設定する
bulkCopy.ColumnMappings.Add("CustomerID", "CustomerID");
bulkCopy.ColumnMappings.Add("FirstName", "FirstName");
bulkCopy.ColumnMappings.Add("LastName", "LastName");
bulkCopy.ColumnMappings.Add("Email", "Email");
// データを挿入する
bulkCopy.WriteToServer(data);
}
}
}
private static DataTable GenerateData()
{
// DataTableを作成する
var table = new DataTable("Customers");
// 列を追加する
table.Columns.Add("CustomerID", typeof(int));
table.Columns.Add("FirstName", typeof(string));
table.Columns.Add("LastName", typeof(string));
table.Columns.Add("Email", typeof(string));
// データを追加する
for (int i = 0; i < 2000000; i++)
{
var row = table.NewRow();
row["CustomerID"] = i + 1;
row["FirstName"] = "FirstName" + i;
row["LastName"] = "LastName" + i;
row["Email"] = "email" + i + "@example.com";
table.Rows.Add(row);
}
return table;
}
}
説明
このコードは、以下のことを行います。
connectionString
変数に、SQL Serverへの接続文字列を格納します。tableName
変数に、挿入するテーブル名を格納します。GenerateData()
メソッドを使用して、200万行のデータを含むDataTable
オブジェクトを作成します。SqlConnection
オブジェクトを作成して、SQL Serverに接続します。SqlBulkCopy
オブジェクトを作成して、バルクインサートを実行します。DestinationTableName
プロパティを使用して、挿入するテーブルを設定します。ColumnMappings
コレクションを使用して、データソースの列とテーブルの列のマッピングを設定します。WriteToServer
メソッドを使用して、データを挿入します。
注意事項
- このコードは、SQL Server 2012 以降で使用することを前提としています。
- 実際のアプリケーションでは、接続文字列とテーブル名を適切な値に置き換える必要があります。
- 大量のデータを挿入する場合は、ネットワーク帯域幅とストレージスペースの要件を考慮する必要があります。
SQL Serverに大量データを挿入するその他の方法
bcp ユーティリティは、コマンドラインツールを使用してデータをSQL Serverにコピーおよびインポートするためのツールです。 bcp ユーティリティは、他の方法よりも高速で効率的にデータを挿入する場合があるため、大量のデータを挿入する必要がある場合に役立ちます。
- コマンドプロンプトを開きます。
- bcp コマンドを使用して、データを挿入します。
bcp MyTable in MyDataFile.csv -T -c -sep=','
このコマンドは、MyDataFile.csv
ファイルのデータを MyTable
テーブルに挿入します。 -T
オプションは、テーブルに型情報を含めることを指定します。 -c
オプションは、列のデータ型が明示的に指定されていない場合に列のデータ型を推測することを指定します。 -sep=','
オプションは、データファイルのフィールド区切り文字がカンマであることを指定します。
SMO (SQL Server Management Objects) を使用する
SMO は、C# などのプログラミング言語を使用してSQL Serverを管理するためのAPIです。 SMO を使用すると、プログラムでバルクインサートを実行することができます。
- SMO アセンブリをプロジェクトに参照します。
- SMO コードを使用して、バルクインサートを実行します。
using System;
using System.Data.SqlClient;
using Microsoft.SqlServer.Management.Smo;
public class BulkInsertExample
{
public static void Main()
{
// 接続文字列
const string connectionString = "connection string";
// 挿入するテーブル名
const string tableName = "MyTable";
// データソース
var data = GenerateData();
// Serverオブジェクトを作成する
using (var server = new Server(connectionString))
{
// データベースオブジェクトを取得する
var database = server.Databases["MyDatabase"];
// テーブルオブジェクトを取得する
var table = database.Tables[tableName];
// BulkInsertオブジェクトを作成する
var bulkInsert = new BulkInsert(table);
// データソースをバルクインサートに設定する
bulkInsert.DataSource = data;
// 列のマッピングを設定する
bulkInsert.ColumnMappings.Add("CustomerID", "CustomerID");
bulkInsert.ColumnMappings.Add("FirstName", "FirstName");
bulkInsert.ColumnMappings.Add("LastName", "LastName");
bulkInsert.ColumnMappings.Add("Email", "Email");
// データを挿入する
bulkInsert.Execute();
}
}
// ... (GenerateData() メソッドは前の例と同じ)
}
SSISパッケージは、データを抽出、変換、ロード (ETL) するタスクを自動化するワークフローです。 SSIS パッケージは、GUIを使用して作成でき、さまざまなデータソースとターゲットシステムをサポートします。
- SQL Server Data Tools で新しいSSISプロジェクトを作成します。
- SSISパッケージを実行します。
各方法の比較
方法 | 長所 | 短所 |
---|---|---|
方法 1:SSIS を使用する | 使いやすい、GUIベース | 他の方法よりも遅い場合がある |
方法 2:バルクインサートを使用する | 高速、効率的 | コードを記述する必要がある |
方法 3:bcp ユーティリティを使用する | 高速、効率的、コマンドラインインターフェースを使用する | 使いにくい |
方法 4:SMO を使用する | プログラマティックに制御可能 | コードを記述する必要がある |
方法 5:SSIS パッケージを使用する | 使いやすい、可視化できる | 他の方法よりも遅い場合がある |
SQL Serverに大量データを挿入する方法はいくつかあります。 最適な方法は、データの量、パフォーマンス要件、およびその他の要因によって異なります。
c# asp.net sql-server