OFFSETとFETCH NEXTキーワードを使いこなす!SQL Serverで結果セットを操作

2024-04-07

SQL Serverにおける行オフセットは、SELECTクエリの結果セットから特定の数の行をスキップして取得する機能です。これは、大規模なデータセットを処理する場合や、特定の範囲のデータのみを抽出する場合に役立ちます。

構文

行オフセットは、OFFSETキーワードを使用して指定します。基本的な構文は以下のとおりです。

SELECT * FROM table_name
ORDER BY column_name
OFFSET n ROWS
FETCH NEXT m ROWS ONLY;

パラメータ

  • n: スキップする行数
  • m: 取得する行数

以下の例では、Customersテーブルから、FirstName列で昇順に並べ替え、最初の10行をスキップして、次の20行を取得します。

SELECT * FROM Customers
ORDER BY FirstName
OFFSET 10 ROWS
FETCH NEXT 20 ROWS ONLY;

注意点

  • OFFSETキーワードは、ORDER BYキーワードの後で使用しなければなりません。
  • FETCH NEXTキーワードは省略可能ですが、使用すると取得する行数を制限できます。
  • 行オフセットは、結果セットの順序に影響を与える可能性があります。

応用例

  • 大規模なデータセットをページング処理する場合
  • 特定の範囲のデータのみを抽出する場合
  • 重複行を排除する場合

補足

  • SQL Server 2012以降では、OFFSETFETCH NEXTキーワードの代わりに、TOPキーワードとWITH TIESオプションを使用して、行オフセットを実現することもできます。
  • 上記は基本的な解説であり、詳細については上記の参考資料を参照してください。
  • 特定の状況や要件に応じた最適な方法は、状況によって異なる場合があります。



-- テーブル Customers

CREATE TABLE Customers (
  CustomerID int,
  FirstName varchar(50),
  LastName varchar(50),
  Email varchar(50)
);

-- データ挿入

INSERT INTO Customers (CustomerID, FirstName, LastName, Email)
VALUES (1, 'John', 'Doe', '[email protected]');
INSERT INTO Customers (CustomerID, FirstName, LastName, Email)
VALUES (2, 'Jane', 'Doe', '[email protected]');
INSERT INTO Customers (CustomerID, FirstName, LastName, Email)
VALUES (3, 'Peter', 'Smith', '[email protected]');
INSERT INTO Customers (CustomerID, FirstName, LastName, Email)
VALUES (4, 'Sarah', 'Jones', '[email protected]');
INSERT INTO Customers (CustomerID, FirstName, LastName, Email)
VALUES (5, 'Michael', 'Johnson', '[email protected]');

-- 最初の2行をスキップして、次の3行を取得

SELECT *
FROM Customers
ORDER BY FirstName
OFFSET 2 ROWS
FETCH NEXT 3 ROWS ONLY;

-- 結果

このコードを実行すると、以下の結果が出力されます。

CustomerID | FirstName | LastName | Email
------- | -------- | -------- | --------
3 | Peter | Smith | [email protected]
4 | Sarah | Jones | [email protected]
5 | Michael | Johnson | [email protected]
SELECT *
FROM Customers
ORDER BY FirstName
OFFSET 1 ROWS
FETCH NEXT 4 ROWS ONLY;
SELECT DISTINCT *
FROM Customers
ORDER BY FirstName
OFFSET 2 ROWS
FETCH NEXT 3 ROWS ONLY;



SQL Serverで特定の範囲のデータを取得する他の方法

TOPキーワードは、SELECTクエリの結果セットの最初のn行を取得するために使用できます。OFFSETキーワードと同様に、ORDER BYキーワードと組み合わせて使用することができます。

SELECT TOP 3 *
FROM Customers
ORDER BY FirstName;

-- 結果

このコードを実行すると、Customersテーブルの最初の3行が出力されます。

WITH TIESオプションは、TOPキーワードと組み合わせて使用することで、特定の範囲のデータを取得することができます。

SELECT TOP 3 *
FROM Customers
ORDER BY FirstName
WITH TIES;

-- 結果

このコードを実行すると、FirstName列の値が最初の3つのグループのすべての行が出力されます。

**ROW_NUMBER()**関数

ROW_NUMBER()関数は、各行に一意の番号を割り当てるために使用できます。この番号を使用して、特定の範囲のデータを取得することができます。

SELECT *
FROM (
  SELECT *, ROW_NUMBER() OVER (ORDER BY FirstName) AS RowNum
  FROM Customers
) AS T
WHERE RowNum BETWEEN 2 AND 4;

-- 結果

上記以外にも、特定の範囲のデータを取得する方法があります。

  • サブクエリを使用する
  • WHILEループを使用する
  • カーソルを使用する
  • 上記は代表的な方法であり、他にも様々な方法があります。

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